わたしの開高健 の商品レビュー
うーん、著者の若さや不器用さに辟易しつつも一気に読んでしまった。辟易するのも、著者が自分の若さゆえの無知や躊躇を嘆いているからなだけで、自分もこんな師に巡り会えたら同じ反応なのではないかなとも思えた。羨ましい人生だと思う。
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もと担当編集者による開高健の回想録である。ファンには興味深い内容であるが、作品と乖離した芸術家の私生活を覗き見するようで、少し後ろめたい気がした。あるいは芸術家にとって、私生活も作品として評価される覚悟が必要なのだろうか。 芸術家じゃなくてよかった。
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開高健にはまった高校時代を思い出した。本書の著者にはぼろ負けだが。 夏の闇は、俺の人生にとても長い影をつけている。受験勉強の合間に感化されていたことが懐かしい。 また開高健を読み返すタイミングが来たのかもしれない。
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1989年に亡くなった作家・開高健の私設秘書でもあった著者が長年の沈黙を破って書き記した、きわめてプライヴェートな作家像。著者はパリ在住のワイン・ライターとして活躍中の細川布久子である。 1973年、雑誌「面白半分」のアルバイトとして初めて開高健に接したシーンから、後年パリ在住...
1989年に亡くなった作家・開高健の私設秘書でもあった著者が長年の沈黙を破って書き記した、きわめてプライヴェートな作家像。著者はパリ在住のワイン・ライターとして活躍中の細川布久子である。 1973年、雑誌「面白半分」のアルバイトとして初めて開高健に接したシーンから、後年パリ在住となった著者が、取材でパリを訪れた開高健と再会を果たすシーンまで、およそ15年に亘る記憶が実に詳細に記されている。 開高健の庇護を離れ、みずからのレゾン・デートルを求めて、著者がパリへ渡ったのが1985年の暮れのこと。それまで手がけていたサントリー関連のワイン記事の仕事がきっかけだった。以来、開高健の死をはさみ、現在までその暮らしが続いている。 細部に至れば至るほど、著者の想いが溢れて思わず戸惑うほどの描写となっている。記憶の中の開高健はあくまで健在、ぶっきらぼうなようでいて、人間味のある存在感にあふれている。いわば、著者の青春メモワールであり、今は亡き師への恋を歌い上げた絶唱のようにも思える。
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「作家は作品だけで評価されるべきなんです」 開高氏本人がいくらそういっても、もっと作家の素顔を知りたい。 著者が「人生の決算」として書いただけに、その愛着になみなみならぬ ものを感じるけれど、筆が余計に走りすぎた感じもする。 また、「作品」を読み返すしかない。
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