ミドリさんとカラクリ屋敷 の商品レビュー
先日はヘンな本を紹介するタマキング・宮田珠己の本を紹介したが、その 彼が本の雑誌2012年9月号で紹介しているのが「ミドリさんとカラクリ屋 敷」「沢田マンション」の二冊。奇しくもこの二冊は発売売当時から買おうかどうか迷って表紙を何度も見ていた記憶があるので、紹介記事の写真で表...
先日はヘンな本を紹介するタマキング・宮田珠己の本を紹介したが、その 彼が本の雑誌2012年9月号で紹介しているのが「ミドリさんとカラクリ屋 敷」「沢田マンション」の二冊。奇しくもこの二冊は発売売当時から買おうかどうか迷って表紙を何度も見ていた記憶があるので、紹介記事の写真で表紙を見た瞬間に判った。で、紹介の内容だがタマキングが迷路建築ファンということでその視点から紹介しているのだが確かにそれは当たっており何れもヘンな建築物に関連するという点ではなかなかのものだ。 「ミドリさんとカラクリ屋敷」は北海道の現・野幌に生まれ育ったミドリ さんが主人公。先々代が新潟県から入植し同地で成功した家系らしいが、 何故か家には隠し扉がいくつもあるというのもの。その血が受け継がれた のか、彼女が結婚し平塚に建てた家もやはり隠し扉があるという。だが其 れ以上にびっくりするのが、家の真ん中に煙突の如く電信柱が堂々と立っ ていることだという。 本書はその平塚の電信柱に魅かれミドリさんと親しくなった著者がミドリ さんの「ヘンな家」を建てる血筋を探るのがもう一つのテーマになってお り「コンニャク屋漂流記」のような仕上がりにもなっているのだが、考え てみれば「ミドリさん」のほうが2011年5月出版だから「コンニャク屋」 より二ヶ月早い出版だから似ているというのはおかしいか。 如何せんミドリさんの生まれた家も既に残ってはおらず、またミドリさんも決して平塚の家の構造を積極的に公開する意図がないことからヘンな家の間取りや全貌についてはやや食い足りなさもあるのだが、秘密を守る前提で造った隠し扉等の構造を明かすのもおかしな話なので仕方がないのかもしれないがちょっと残念だ。 見えないところに努力を傾けているのがミドリさんのカラクリ屋敷とすると堂々とそのヘンさを見せているのが沢田マンションだろう。全て自力で建築した地上5階建てのマンションだが、5階まで車で上るがことでき、5階には稲が茂り、4階にはプールが水を湛え、各階のベランダは住民の行き来できる共有スペースになっており、部屋番号は入居者順につけられており、部屋の間取りは全ての部屋で異なり、と書いているだけで変なマンションというのが分かるだろう。 一時はテレビなどでも取り上げられたこのヘンなマンションなので、つい読む気が起こらずに今に至ってしまったが食わず嫌いだったようだ。マンションのヘンな構造もそうだが、オーナー沢田氏の生き様もまた相当に型破りで、どこにこうしたバイタリティの源泉があるのか良く判らない。
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書評読んでちょっと気になってアマゾンのほしいものリストに追加しておいたら、リスト開けるたびにこの笑顔が目に入って、ついに買ってしまった。やられた。この方が主人公のミドリさん、からくり屋敷の主です。細部まで手の込んだ(というか趣味の域)からくり屋敷を設計してしまうほど建築に詳しいミ...
書評読んでちょっと気になってアマゾンのほしいものリストに追加しておいたら、リスト開けるたびにこの笑顔が目に入って、ついに買ってしまった。やられた。この方が主人公のミドリさん、からくり屋敷の主です。細部まで手の込んだ(というか趣味の域)からくり屋敷を設計してしまうほど建築に詳しいミドリさん。その屋敷にひとめぼれした若い著者がミドリさんのルーツから綴った本です。キャラの濃いパワフルばあさん。おばあさんでもおばあちゃんでも無くばあさんという呼び方がしっくりきます。 いいなー、こういうばあさんになりたい・・・近づくために今自分に出来ることはなんだろうと思いついたのは愛想笑いをやめることでした。。。だめだ、仕事になんないなあ。
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文章はやや拙いが、取材したことがよくまとめられていると思う。おそらくミドリさんについて語りたいことが山ほどあって、それを何とかできるだけ多く盛り込みたいという著者の気持ちがひしひしと感じられる。
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もっとからくり屋敷について触れているかと思いきや、みどりさんのルーツから、という本だった。 それにしても、みどりさんというのは、すごい人たなぁ。 こんな家住んでみたい。 いい意味で予想と全く違った話。 ただ、ちょっと読みづらいところも。 もっと、著者が自分自身のことに触れて...
もっとからくり屋敷について触れているかと思いきや、みどりさんのルーツから、という本だった。 それにしても、みどりさんというのは、すごい人たなぁ。 こんな家住んでみたい。 いい意味で予想と全く違った話。 ただ、ちょっと読みづらいところも。 もっと、著者が自分自身のことに触れてもよかったんじゃないかな? 自分の祖母でもない、自分がそのからくり屋敷の住民だつたわけでもない、 なのに何故、こんなに、みどりさんの人生に、みどりさんのルーツに惹かれるのかが、弱い気がする。 まぁ、面白いからでも、済ませられそうたけど。 建築本というよりは、みどりさんの人生や、ルーツについての本といったところ。 くノ一の末だったとかじゃないんだね…な気持ち。
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煙突が突き出た家?いえいえ電柱?どうしてこんなことになったのか?とても興味があり読んでみると・・・奥が深い。ミドリさんの人柄に惹かれてしまった。もっともっとカラクリを楽しんでほしいな・・・でもそんな楽しみって今の時代難しいのかしら?私はカラクリのある家好きなんだけどな・・・
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数紙の新聞の書評でみて興味をそそられた本。 全体的に話があちこちとんでて中途半端…? 他のひとも書いてるけど、写真とか見取り図がないからイメージしにくいのがもったいない。 あとミドリさんが魅力的なひとなのはわかるんだけど、ミドリさんすごい!みたいなのが多くて食傷気味に…。 家に...
数紙の新聞の書評でみて興味をそそられた本。 全体的に話があちこちとんでて中途半端…? 他のひとも書いてるけど、写真とか見取り図がないからイメージしにくいのがもったいない。 あとミドリさんが魅力的なひとなのはわかるんだけど、ミドリさんすごい!みたいなのが多くて食傷気味に…。 家には興味あるのに、途中から惰性で読んだ感じ。
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フィクションとは、思えないミドリさんのパワフルさ。 こんな人、これからは出てこないだろうな・・・・。
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湘南にある"電信柱が突き出した古風な家"に魅入られたことから始まる交流と探索の記録。持ち主であるミドリさん(97歳)の魅力はもちろん、建築、北海道、開拓者精神etc, ちょうど今関心のあるキーワードが並ぶ本だった。...
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電信柱が屋根から突き出た家に住む97歳の元気なおばあちゃん。 その名はミドリさん。 ミドリさんと不思議な家の魅力に取りつかれた著者が書きつづった、カラクリ屋敷のクロニクル。 第八回開高健ノンフィクション賞次点作品。 ミドリさんのハツラツぶりに、読んでいる間中ニコニコさせ...
電信柱が屋根から突き出た家に住む97歳の元気なおばあちゃん。 その名はミドリさん。 ミドリさんと不思議な家の魅力に取りつかれた著者が書きつづった、カラクリ屋敷のクロニクル。 第八回開高健ノンフィクション賞次点作品。 ミドリさんのハツラツぶりに、読んでいる間中ニコニコさせられっぱなしでした。 お屋敷も魅力的なんだけど、そこにミドリさんが住んでいるからこその輝きなんだろうな。 これからも元気にミドリさん列伝を作り出していってほしいものです。
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著者は若くして都築響一さんのようなアンテナを持つ人でした。都築さんが収集して広く発表することに力を注いでいるとしたら、この本はひとつところの探求でした。新潟から北海道へ移民した祖父母を持つミドリさんが、林業を営む家業ゆえ大工はじめ職人さんが身近な存在として育ち、結婚してからはりん...
著者は若くして都築響一さんのようなアンテナを持つ人でした。都築さんが収集して広く発表することに力を注いでいるとしたら、この本はひとつところの探求でした。新潟から北海道へ移民した祖父母を持つミドリさんが、林業を営む家業ゆえ大工はじめ職人さんが身近な存在として育ち、結婚してからはりんご農家、廃業してからは関西ペイントの独身寮管理人、平塚に珍しいおうちを建てるまでの物語。平塚のおうちの建築意匠に興味を持った著者の、ミドリさんのバックグラウンドなしには、この意匠は説明出来ないという意気込みを感じます。オモシロかったです。
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