正岡子規、従軍す の商品レビュー
日本近代詩歌の革新者・子規。その偉業の分岐点に、闘病の引金となった日清戦争体験が位置している。従軍記者子規とは何だったのか。見過ごされてきた「子規の戦争」を解読する。
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作者は正岡子規の不世出の作品とそれを生み出した主体に対して、中国人に対する差別意識と日清戦争に従軍して国家を翼賛した事実は、「国家と個人、あるいは国家と文学との対立と矛盾、そしてそこに大きく口をあけた亀裂を、最も鋭く体現・露呈させた」としている。正岡子規をはじめ、明治の文豪たちが...
作者は正岡子規の不世出の作品とそれを生み出した主体に対して、中国人に対する差別意識と日清戦争に従軍して国家を翼賛した事実は、「国家と個人、あるいは国家と文学との対立と矛盾、そしてそこに大きく口をあけた亀裂を、最も鋭く体現・露呈させた」としている。正岡子規をはじめ、明治の文豪たちが抱いた中国に対する差別意識とその無自覚性を大きな問題としているが、私は差別というより大国に対する日本人の劣等感の裏返しではなかったのかという印象を持った。江戸期やそれ以前から中国に対する差別意識やそれを促す何かがあったのか? わずか一か月の従軍で中国人をつぶさに観察できたわけでもないだろうし、たしかに不衛生極まりない状況に出遭ったのであろうが、それは単なる不快感であって、それが直ぐに差別に結びつくとは思えないのである。
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事実として知っていても、実際の映像をNHKドラマ『坂の上の雲』で香川照之扮する正岡子規が、あんなにも意気揚々と従軍を志願して中国大陸へ行ったことが原因で自らの命を縮めることなったのを目の当たりにすると、何としてでも近くに時間移動している南方仁先生にでも連絡して、その行動を中止させ...
事実として知っていても、実際の映像をNHKドラマ『坂の上の雲』で香川照之扮する正岡子規が、あんなにも意気揚々と従軍を志願して中国大陸へ行ったことが原因で自らの命を縮めることなったのを目の当たりにすると、何としてでも近くに時間移動している南方仁先生にでも連絡して、その行動を中止させてと頼みたくなったりします。 いったい彼は中国へ行って何をしようとしたのか。そんなに特派員報告を新聞に書きたかったのか。 遅れたアジア・没落する可哀そうな中国という単純なヒューマニズムくらいで自分の死を早めたとしたら、悔やんでも悔やみ切れないのですが、はたしてその真相は・・・・・。
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