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マルセル・モースの世界 の商品レビュー

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2014/06/24

現代でも、このモースの『贈与論』を源として、連帯というものに注目して論じる本を出している研究者もいるようです、あとがきによると。僕なんかもこの本を読んでハっとしましたから、すごく重要なコンセプトのように思えます。現状や21世紀の停滞した先進国の経済や労働状況を打破するヒントになる...

現代でも、このモースの『贈与論』を源として、連帯というものに注目して論じる本を出している研究者もいるようです、あとがきによると。僕なんかもこの本を読んでハっとしましたから、すごく重要なコンセプトのように思えます。現状や21世紀の停滞した先進国の経済や労働状況を打破するヒントになるんじゃないかな。

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2011/07/20

「歴史的ア・プリオリ」という観念が、カントの哲学的考古学よりもマルセル・モースに由来しているというのは、充分にありうることだ。「呪術の一般理論の素描」(一九〇二~〇三年)でモースは、<マナ>(mana)の概念についてこう書いている。すなわち、<マナ>とは「呪術の実験の条件それ自体...

「歴史的ア・プリオリ」という観念が、カントの哲学的考古学よりもマルセル・モースに由来しているというのは、充分にありうることだ。「呪術の一般理論の素描」(一九〇二~〇三年)でモースは、<マナ>(mana)の概念についてこう書いている。すなわち、<マナ>とは「呪術の実験の条件それ自体」であり、「ア・プリオリとして、あらゆる経験の前提として与えられる。実を言えば、共感や神霊や呪術的特質のような呪術の表象は重要ではない。<マナ>とは呪術の表象を統制するものであり、その条件であり、その必要形式である。つまり、呪術の観念を可能にするカテゴリーとして、また人間の観念を可能にする諸カテゴリーとして、はたらくのである」。モースはこの歴史的超越論を、意味深い展開によって、「知性の無意識的カテゴリー」と定義している。そうして、このような認識が必要とする認識論モデルが、意識的な歴史的知の認識論モデルと同質ではまったくありえないことを暗に示唆している。しかし、フーコーと同様にモースにとっても、ア・プリオリは歴史経験を条件づけるにせよ、それ自体もまた歴史的に決定された布置に刻み込まれていることは明白である。つまり歴史的ア・プリオリは、ア・プリオリな条件が、その条件にたいしてア・ポステリオリにしか構成されえないはずの歴史に刻み込まれているという、パラドクスを明らかにする。研究は――フーコーの場合なら考古学は――歴史のなかにア・プリオリな条件を見いださねばならないのである。 -『事物のしるし』ジョルジョ・アガンベン

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