実践エラーマネジメント 医療事故事例から組織的対応を考える の商品レビュー

飯田裕康(著者)

2012/03/01

これは医療現場におけるエラーマネジメントの本なのだけれども「応用」を口にする心理学に携わる全ての人が読んでおくべきだと思える本。「応用」「実践」が最近の基礎系研究の流行だけど、そういうところから生まれる研究の中で、実際に応用できたり、実践できたりする研究というのはほぼないに等しい。自己満足の世界だ。この本を書いたのは産業心理学・労働科学の重鎮、飯田裕康先生。この本では、本当に実践できるための基礎研究をどのように行えばよいのか、その考え方の道筋が見事に示されている。10000個くらいの大切な事象をものすごくかみ砕いて、とてもわかりやすく教えてくれる。昔からずっと、学部時代の師匠に「東京に行って飯田さんと話してこい」と言われ続けている私なのだが、それを言われる理由がよくわかった。目から鱗が落ちた。眼球すらこぼれ落ちそうな勢いだった。レベルが１あがった。かしこさが2あがった。ちからが1あがった。すばやさが1あがった。つよさが1あがった。