風のむこう、きみへ続く道 の商品レビュー
積み重ねてきた軌跡を慈しむように追いかける静かな時間。人によっては「つまらない」と切ってしまうかもしれない。けれども、この温かで和やかな読後感はどうだ。人を好きになるということが、どれほど素敵なことか気付かせてくれる。
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著者は静岡出身、しかも大学の先輩だった。 「彼」が克巳だとは。 初めは多分克巳と同じ気持ち。 何やってるんだろうくらいの気持ちで読んでいたが、旅の意味が分かってきて、心が温かくなった。 彼のお母さんとも良好な関係が築けるんだろうな。 ーーー 二つ年下の克巳との結婚を間近に控えた千晶。式の準備が進むなか、千晶はひとり、ツーリング旅行に出かけた。ずっと逢いたかった「彼」に逢ってみたかったから。克巳のことが好きで仕方ないのに、どこか通じ合ってない気がして揺れる、千晶の心。結婚する前に、もう一度自分の気持ちを確かめたい……。旅の果てに、千晶が見つけるものは?心にやさしく響く、ピュアななぶ・ストーリー。
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バイク旅行もの。性描写なしの恋愛小説。 登場する、ほぼ全員が善人の甘口仕立てなので、 甘い恋を夢見る方と、甥っ子の欲しい方は手にとってみて。
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結婚を控え、1人旅に出る千晶。 その理由は、作者は隠しているようで隠してない。そのばればれの秘密の中で変わっていく2人のやりとりがとっても温かい。
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物語が進むにつれ、二人の電話での会話が徐々に優しく、柔らかい雰囲気に変化していくところが良かった。 読み終える頃には、胸がほっこりと温かくなっている。いい話です。
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結婚をまじかに控え寿退社した千晶はバイクで半月ほどの旅に出る。有名な観光地を巡るでなし、グルメを追うでなしに。 そしてそれを婚約者の克巳にメイルする。 どこにいるか「当ててみて」。 読み始めて早々にネタが理解できる。 もともとそんなに深いトリックを弄したわけじゃないということがあるだろうけど、その助けがあったとしてもなおネタは早めに気が付いたと思う。なぜって、自分も転校ばっかりだったから。 実際他人事じゃないよなぁと思う自分は、小学校は4校に通ったし、中学校に至っては毎年違う中学校に通ってた。だいたいにして、両親が家を建てて一か所に住むようになったのだって自分が社会人になってからだったし。 物語の後半、「克巳は、幸せ?」という千晶の問いに「-たぶんね」って答えられるようになっている。 「不幸だと思ったことはないけど-」 「-幸せだと思ったこともないな」 物語前半の独白から思えば、それはうらやましいともいえる変化だ。 でも実際は変化じゃなくて、彼自身による気づきであって、諦めのようなものがそう言わせていたのだろうとは思うけれども。 甘やか物語だと思う。
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