イスラム芸術の幾何学 の商品レビュー
イスラムの調和のとれたデザインについて、どのように描かれているかについて詳しく説明されていた。 大小異なる図柄が現れている模様はまるで呼吸しているように見えて、見ているだけで神聖な気持ちになった。
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イラスト多めだからもっと易しいのかと思いきや、見たことのないカタカナ語が色々出てきてちんぷんかんぷんだった。とはいえ、図形はすっきりと美しくて大変眼福でございましたな。面白かった。
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“そのあまりの複雑さにめまいするイスラムの幾何学模様だが、著者はいくつかの幾何学的原則を知っていれば、だれもがやすやすと描けることを明らかにする” ─出版元 エッシャーもアルハンブラでとりつかれたというアラベスクやいろいろな幾何学模様の仕組みや描き方を解説した、ちょっとマニアッ...
“そのあまりの複雑さにめまいするイスラムの幾何学模様だが、著者はいくつかの幾何学的原則を知っていれば、だれもがやすやすと描けることを明らかにする” ─出版元 エッシャーもアルハンブラでとりつかれたというアラベスクやいろいろな幾何学模様の仕組みや描き方を解説した、ちょっとマニアックな本。 シンメトリーで反復的な模様は音楽を感じさせるし、音楽も宇宙も数学で表すことが出来る。そしてそれを感じるのは人間の心。
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<無限に広がる、神の図形> イスラム美術は幾何学的である。 一目でイスラム装飾とわかる特徴的なものだが、一方でそれはまた非常に多種の文様の組み合わせによる、無限といってもよいほどの多様性を持つ。 一貫性を持つと同時に多彩。中心には「調和」があるという。 装飾を追求していくと深い...
<無限に広がる、神の図形> イスラム美術は幾何学的である。 一目でイスラム装飾とわかる特徴的なものだが、一方でそれはまた非常に多種の文様の組み合わせによる、無限といってもよいほどの多様性を持つ。 一貫性を持つと同時に多彩。中心には「調和」があるという。 装飾を追求していくと深い宗教性にも到達しそうな、深淵な世界が広がる。 イスラムデザインには大きく、2つの側面がある。 1つはアラビア文字のカリグラフィー、1つは抽象的な模様。 後者はさらに、幾何学パターンと唐草や花などの生命を持つ有機的なものの2つに分けられる。 本書ではこのうち、主に、幾何学パターンについて分析・解説している。幾何学的にかなり深く追求している本である。 パターンの基本となるのは円と直線の組み合わせである。円を一つ描き、その円周を中心とする同じ大きさの円を描く。その交点を中心として円を描くと、最初の円の回りに6個の円が描ける。こうして出来た点をつなぐと六角形が出来、さらにその中点をつなぐと正三角形を2つ上下に重ねた六芒星が出来る。 細かくサブグリッドを取り、どの頂点を採用するかを変え、回転を加えるなどして、基本の形を応用していくと、星形や正十二角形、正方形、円弧を元にした、非常に多様なパターンが形成されていく。そうしたパターンが広がるさまは、世界が埋め尽くされる錯覚に囚われるほどだ。 ときとして、正五角形が使用されることがある。この場合はそのままでは平面を埋めることはできない。職人たちは5回対称や10回対称を用いて、この問題を解決した(らしい。この辺になるとかなり高度だ・・・)。 正十角形の辺同士をくっつけて間に蝶ネクタイ型の六角形を挟むことにより、パターンが成立している例もある。 九角形や十一角形など、奇数の頂点を持つ図形では、角度の近似値を用いてちょっとしたねじりが入っている場合もある。見た目ではほとんどわからない、わずかな歪みである。 ドームなどの立体の場合は、オレンジの房のようにわけていくのが基本的な方法である。 巻末には基本のパターンやサブグリッド、帯編み等の一覧がある。シンプルなものを組み合わせ、非常に複雑なものを作っていることがわかって、眺めながらもう一度唸る。 見たときに美しいな、とは思うが、これを自分で作り出せる気はまったくしない。むすびの「イスラムのデザインは、一種の『目に見える音楽』だ」というひと言にはなるほどと思うが、「誰でも探究できる」には、但し書きとして、並々ならぬ才能と熱意を要する、と付け加えたい。それには、あるいは、信仰が大きな一助となるのかもしれない。 *イスラムは、高度な代数が発達したことでも知られる。洗練された幾何学装飾と無縁ではないように思う。イスラム数学を概説するような初心者向けの本があれば読みたいなぁと思っているのだが、検索すると引っかかってくるのは相当骨が折れそうなものばかり・・・(^^;)。ご縁があればいつか出会うこともあるかな・・・?
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イスラムの寺院などにみられる美しいタイル模様が、コンパスと定規で誰にでも描けるという本。 描き方に関するノウハウを紹介するとともに、モザイクに込められている思いも語られている。偶像崇拝を禁じているイスラム教では空間を埋め尽くすモザイクに神への思いを込めている。連続性のある柄が永遠...
イスラムの寺院などにみられる美しいタイル模様が、コンパスと定規で誰にでも描けるという本。 描き方に関するノウハウを紹介するとともに、モザイクに込められている思いも語られている。偶像崇拝を禁じているイスラム教では空間を埋め尽くすモザイクに神への思いを込めている。連続性のある柄が永遠を表現。複雑な柄を描くために使われる円は、目に見える世界を支える目に見えない世界を表現している。 絵を描く上でも参考になったし、イスラムの美術に対する理解も深まる素晴らしい内容。
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偶像崇拝がないイスラム文化だからこそのアラベスク紋様だよね~。アラベスク文様には色々意味があるらしい、と聞き読んでみた。 予想以上にアラベスク模様の描き方の説明があったりでかなりマニアックw ベースはコンパスと定規で描けるんだね。アラベスクの小宇宙に囲まれたモスクに行きたくなった。
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イスラーム神聖幾何学の入り口に立つことができる一冊。 ムスリムじゃないし、改宗しようなんて思わないけど、 この幾何学世界は美しすぎる。 ぞわっとする。 イスラムのデザインの視覚構造には、キーとなるふたつの面がある。アラビア文字のカリグラフィー―世界の優れた書字伝統のひとつ―と...
イスラーム神聖幾何学の入り口に立つことができる一冊。 ムスリムじゃないし、改宗しようなんて思わないけど、 この幾何学世界は美しすぎる。 ぞわっとする。 イスラムのデザインの視覚構造には、キーとなるふたつの面がある。アラビア文字のカリグラフィー―世界の優れた書字伝統のひとつ―と、抽象的な装飾模様―多彩でありながら驚くほどの統合性を持つ視覚言語―である。純粋な装飾芸術としての後者には、さらにふたつの中核要素がある。ひとつは幾何学パターンで、平面を調和のとれたシンメトリカルな図形に分割し、複雑に織り合わさったデザインを作り出して、無限性やあまねく存在する中心といった概念をあらわす。もうひとつは理想化された植物模様、つまりアラベスク、唐草、葉、蕾、花などであり、有機的な生命やリズムを体現する。(p1)
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ただ美しいと惹かれていたイスラム幾何学だったが、 仕組みや、模様の名前(”慈悲深き神々の呼吸”など)を知れ、 更に興味深くモスク観賞が出来るようになったと思う。 とはいえ、仕組みの説明はとても数学的なので、 殆ど理解できなかったと言っていい。。。とても知的な本だった。 このシリーズは装丁も大変美しく、物としても好んで本棚に飾っている。
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