逃亡のガルヴェストン の商品レビュー
まるでその地にいるような 風や匂いを感じられるような そんなミステリーが好き。 私はまさに ガルヴェストンにいた。
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二つの年代を交差させながら、癌で余命いくばくもない?取立屋と行き場のない娼婦の逃避行。救いのないどんどん悪くなる現実。荒んだ感じがよく出ていてやりきれない感じ。
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ついにおれの運も尽きたか――。一匹狼のロイは闇の仕事で生きてきた。しかし癌の宣告直後、ボスの裏切りにあい、追われる身となってしまう。成り行きで道連れとなったのは、ロッキーという家出娘。金に困って娼婦をしていたらしい。こうして、 孤独を愛する中年の男と、心に傷を負った女の奇妙な旅が...
ついにおれの運も尽きたか――。一匹狼のロイは闇の仕事で生きてきた。しかし癌の宣告直後、ボスの裏切りにあい、追われる身となってしまう。成り行きで道連れとなったのは、ロッキーという家出娘。金に困って娼婦をしていたらしい。こうして、 孤独を愛する中年の男と、心に傷を負った女の奇妙な旅が始まった。ロイは、ロッキーがまともな道を進むことに残りの 人生を賭けようとする。だが、果てなき逃避行の先には……。ダークな情熱と、静かなる感動をたたえた、アメリカ探偵作家 クラブ賞最優秀新人賞候補作。
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僕はこの物語の中に入り込みすぎました。 最後の10ページを読んでいる間は、涙が止まらなかった。 タイトルにある『ガルヴェストン』は米国テキサスの南に位置する島の名前らしい。 古くから栄えた港湾都市・リゾート地として、風光明媚な景色が印象的な島が、この物語の舞台なのです。 主人...
僕はこの物語の中に入り込みすぎました。 最後の10ページを読んでいる間は、涙が止まらなかった。 タイトルにある『ガルヴェストン』は米国テキサスの南に位置する島の名前らしい。 古くから栄えた港湾都市・リゾート地として、風光明媚な景色が印象的な島が、この物語の舞台なのです。 主人公ロイ・ケイディは目的の為ならば人を殺すのも厭わないギャングの一員。癌の宣告を受けたその日、彼がボスに裏切られ命を狙われるところから、物語は始まります。 裏切られ命からがら逃走した現場にいたのは、若い娼婦で家出娘のロッキー。 将来の展望も、これまでの自分も全てをなくした中年男と、若いなりに必死に生きてきた少女との逃避行が始まるのです。 途中、主人公ロイの一匹狼ぶりに、思わず苛立ち、もどかしさを感じてしまう場面ばかり。 孤独でいることが当たり前だったロイの心は、少しずつロッキーによって開かれていきます。 ロイ・ケイディが考えていたことは、おおよそ『香菜、頭をよくしてあげよう』(筋肉少女帯)のようで、結末がどんなものになろうとも、ロイを責める気にはなれませんでした。 ラスト10ページ。 そこはロイが最後に、ある女性に話す、たった二週間の物語。 ---『身よりのない人間が大勢登場する、長い物語。』 彼の言葉を借りるのなら、そういうお話なのです。 読了して。これはきっと、幸せな物語の一つなのだと思いました。
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- ネタバレ
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「ノワール」とジャンルわけするものは、たいがい救いようのない人生を書くものらしく、読後感が爽やかとはいいがたい。 それにしても、この主人公は何もしてないな。 余命幾ばくもないと宣告されて、ボスに裏切られて逃げ出す途中でろくでもない人生を振り返って、拾った女の子にふらふらした上で、最後には女に助けられて刑務所にいっただけだった。あ、何人か殺してたか……それもいきあたりばったりだしなー。 救いようのない人生のその先を、できれば読みたいものだ。 他人の人生を救ったとかじゃなしに……しかも、「彼女」を救ったのはモーテルの女主人とおばあちゃん二人と「彼女」の努力だと思う。 なんだ、この本は女が頑張った話だったのか。
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