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虚夢 の商品レビュー

3.9

138件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    37

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2024/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐和子が約4年も精神障害者と思われるように行動していたことに驚いた。 単純に事件解決して終わりっていう作品なのかと思って手に取ったけれど、物語を通して読んだ人に刑法39条について考えさせる本だった。被害者や加害者、その周囲の人の苦悩がよく書かれていて、現実にあった話を本にしたのではないかと思った。 今も刑法39条が絡む事件を目にするので多くの人に読んでもらいたい作品だと思った。

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2024/01/25

本当に辛い病気なんだろうなと。当人の気持ちを、わかろうとしても、わかってあげることができない。んー、辛いですね。 三上さんの漢気、素晴らしい。

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2023/12/10

考えさせられる内容で少し重いストーリーのようにも感じる。どのような結末を迎えるのか期待して読み進めたが、期待を裏切るほどではなかった。なんとなくモヤモヤが残る感じ。

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2023/10/24

異常とはいったい何なのか。(中略)人を殺しても許されるという司法からのお墨付きがもらえるまで狂気に近づきたかった。 これが被害者遺族の正直な感情だと思いました。復讐が出来るなら、一番狡い方法で同じ目に合わせてやりたい。少なくとも私はそう思いました。

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2023/10/15

以前に読んだのを忘れて2度目。以前より精神病、心療内科にかかる病気、ADHDなどの話題が増え身近に感じるようになったので この本のような事件が今後も増えてくるだろうな。その後の被害者やその家族の色々な人生の変化も凄い。

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2023/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人は自分の目に映るものだけを信じ、真実だと思い込む。 それに飲み込まれるもの、利用するもの、惑わされるもの。 それぞれの視点から心神喪失、刑法39条について描いていて、全く飽きることなく最後まで読めた。 私だって、自分の目にうつっているのなら、皆がそれを幻だと言おうと信じないだろう。 またこの物語を読んで、例え親しい人の話が到底理解できなかったとしても、頭ごなしには否定すると更に追い詰めてしまうと感じた。 佐和子について、あまりにも心神喪失の描写が生々しかったので、最後の手紙で彼女の心情を知った時、驚きとともに少し安心してしまった。 ゆきについて、私には彼女の苦しみを推し量る事はできない。それほど、彼女の過去は重くて傷は深い。彼女の弟への愛情を痛いほど知っているから、彼女が真実と向き合った時に命を絶ってしまわないか。治療の通過点として避けられないことだとしても、このまま知らずに生きて欲しい。 私も、三上や坂本のように痛みを抱える人から目を背けてしまったことがある。 自分に降りかかる災いにしか終始目を向けていなかった坂本は確かに読者の目線だと非常に自分勝手に映るが、とても現実的だし、口には出さないが誰もが思ってしまうことを代弁しているようなキャラだと思う。 三上のように身を削るのはそれも共倒れの危険がある気もするが、「先生」のように話を善悪の判断をせずに聞き、必要な時に手を差し伸べる、そんな人間のあたたかさを、忘れずに持っていようと思う。

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2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いちばんおかしかった佐和子が健常者で、藤崎に尽くしていたゆきが精神疾患を患い弟を殺してたなんて。全く考えつかなかった。自分がおかしいと思えない精神疾患はやっぱり怖いし他の人も手に負えないよな。わたしはまだ自分がおかしいことを理解出来てるだけマシかな。

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2023/05/09

「心神喪失の行為は罰しない」病気だからしょうかない、正しい判断ができないからしょうがない、不運な出来事を「しょうがない」で片づけなければいけない被害者はたまったものじゃない、、、なかなか考えさせられる難しい問題。引き込まれる作品でした

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2023/02/14

著者の作品は2作目。完全にファンになった。 社会はミステリーでは良く読んできた少年法や刑法39条についてのミステリー。というだけでは終わらない。 いくつものサプライズが後半にかけて降りかかってきて時間も忘れて読んでしまった。 少年法について、刑法39条に関しては色々と考えさせられ...

著者の作品は2作目。完全にファンになった。 社会はミステリーでは良く読んできた少年法や刑法39条についてのミステリー。というだけでは終わらない。 いくつものサプライズが後半にかけて降りかかってきて時間も忘れて読んでしまった。 少年法について、刑法39条に関しては色々と考えさせられるが、彼の作品を読んでいると自分では考えも及ばない側面や意味合いが綴られていて、読み終えた時には何とも言えない気持ちになる。

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2023/02/03

統合失調症(旧「精神分裂症」)により、幻覚によって通り魔殺人事件を起こした藤崎。 そして藤崎によって娘を殺された三上。 三上の妻は事件のショックで精神を病むようになり、「藤崎が自分を殺そうと追いかけてくる」という幻覚を訴えるようになります。 最愛の娘を殺した犯人が「心神耗弱によ...

統合失調症(旧「精神分裂症」)により、幻覚によって通り魔殺人事件を起こした藤崎。 そして藤崎によって娘を殺された三上。 三上の妻は事件のショックで精神を病むようになり、「藤崎が自分を殺そうと追いかけてくる」という幻覚を訴えるようになります。 最愛の娘を殺した犯人が「心神耗弱により不起訴」となり絶望する親である三上が主人公ではありますが、精神病とそれによる殺人というテーマについて深く訴える作品です。 日本は法治国家であり、「復讐」は禁じられています。 それでも、遺族感情として犯人が「罰を受けない」ということは理解できますし、極刑を望む心情も当然と言えるでしょう。 一方で、罪を犯したという意識がない者に罰を与えても意味がない、という事情も理解できます。 「心の病」というのは数値化できず、客観的に見ることも、共感することもできない「了解不能」なものですから、必然、自らの罪を逃れるために意図的に心神耗弱状態を演じる者もいることでしょう。 「こうすれば解決する」という正解がない問題です。 しかし、衝撃的な事件が起こっても「精神鑑定」という言葉を聞くと、メディアも世論も関心を無くしていく、という現状を変えてゆくことこそが、まずは第一歩なのではないかと思います。

Posted byブクログ