サイレントメビウス(文庫版)(2) の商品レビュー

麻宮騎亜(著者)

2018/08/09

第２巻ではまず、前巻に引きつづいて彩弧由貴の物語が描かれています。彼女が人間兵器として育てられたという過去が明かされるとともに、彼女とともに育ったアニーという女性と田島博士が彼女の前に現れます。しかし由貴は、みずからの忌まわしい過去に直面させられながらも、今の仲間たちとの絆によってそこから脱出する道をさぐろうとします。

次は、AMPのメンバーで「ビジョネイル」と呼ばれる凄腕ハッカーのレビア・マーベリックの物語です。東京全体のシステムがダウンしてしまいかねないという危機に直面した彼女は、電脳空間にダイヴをおこない、原因となったプログラムの正体を突き止めます。

香津美の恋人の「ロイ」ことロバート・デ・ヴァイスにスポットを当てた話の後、AMPの課長を務めるラリー・シャイアンの謎が明らかにされます。彼女の前にローザという女性の妖魔が姿を現わし、ラリーに「邪界」（ネメシス）へ来るように誘いかけます。ラリーとローザは妖魔と人間とのあいだに生まれた姉妹だったのです。人間とともに生きることを選んだラリーに対し、人間たちから「悪魔の子」とさげすまれたローザは、妖魔たちの住む邪界に生きることを選んだのでした。

本巻でようやく、主要キャラクターのプロフィールがおおよそ明らかになりました。