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闇の梯子 新装版 の商品レビュー

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2020/10/17

2011年新装版文藝春秋の文春文庫。5編。解説は関川夏央。3篇が市井もの。2編が武家もの。どちら側も面白い。表題作の『闇の梯子」は半端ではない暗さ。落ちそうと思ってもどこかで落ちないと思ってしまう部分があるんだろうな。その続きで『入墨』には、やはり暗い部分がある。父親の、やはり自...

2011年新装版文藝春秋の文春文庫。5編。解説は関川夏央。3篇が市井もの。2編が武家もの。どちら側も面白い。表題作の『闇の梯子」は半端ではない暗さ。落ちそうと思ってもどこかで落ちないと思ってしまう部分があるんだろうな。その続きで『入墨』には、やはり暗い部分がある。父親の、やはり自分は娘たちにとって邪魔な存在なんだろうという思いと、そうでないという思いとがあるんだろう。 収録作:『父(ちゃん)と呼べ』『闇の梯子』『入墨』『相模守は無害』『紅の記憶』

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2015/04/14

「闇の梯子」「父(ちゃん)と呼べ」「入墨」「相模守は無害」「紅の記憶」5編からなる短編集。 「相模守は無害」「紅の記憶」が武家物、その他は、市井物となっている。 「紅の記憶」が切なく読みごたえがある。

Posted byブクログ

2013/09/24

表題作を含む比較的初期の5つの短篇を収録。前半の3つが市井の、後の2つは武士社会を描いたもの。市井ものは、いくぶんかは余裕がある「入墨」を含めて、裏長屋に住む底辺の庶民たちの哀感を描く。博打に身を持ち崩した男たちが、それぞれの物語に絡むが、周縁の人々のやりきれなさが伝わってくる。...

表題作を含む比較的初期の5つの短篇を収録。前半の3つが市井の、後の2つは武士社会を描いたもの。市井ものは、いくぶんかは余裕がある「入墨」を含めて、裏長屋に住む底辺の庶民たちの哀感を描く。博打に身を持ち崩した男たちが、それぞれの物語に絡むが、周縁の人々のやりきれなさが伝わってくる。武士を描く「相模守は無害」は、公儀隠密とはいうものの、いわば白色テロリストの責任感と仕事の全うをテーマにしているのだが、これも痛快というよりは、哀感の残る作品だ。5篇に共通するのは「運命を甘受し、耐え忍ぶ」ということだろうか。

Posted byブクログ