発達障害とパーソナリティ障害 新たなる邂逅 の商品レビュー
ハンス・アスペルガーはナチスの優生思想から、安楽死させずとも「社会に役立つ自閉症」の研究と教育を始めた。1930年代のウィーンでS.フロイトを完全無視。 1940年代、アメリカでカナーがより重い自閉症の研究を始め、米国精神分析自我心理学に於けるM.マーラーの発達理論を採用。 しか...
ハンス・アスペルガーはナチスの優生思想から、安楽死させずとも「社会に役立つ自閉症」の研究と教育を始めた。1930年代のウィーンでS.フロイトを完全無視。 1940年代、アメリカでカナーがより重い自閉症の研究を始め、米国精神分析自我心理学に於けるM.マーラーの発達理論を採用。 しかし、カナーの研究はアスペルガーの研究を土台にしたものに過ぎず、そうとも知らない1960年代の日本小児精神医学会ではカナー派とアスペルガー派に分かれて大紛糾。自閉症をカナー派が「独占」する形となり、やがて彼らは「脳の器質的異常」とするラター説に飛びつき「治らない」と言い出した。 1981年、ローナ・ウィングが日本で広まり、15年の空白を経てアスペルガー症候群が再輸入された。しかし、ウィングの論はスーラ・ウォルフへの反論に過ぎないのだった・・・・。 まあ、なんで日本の臨床が大混乱に陥っているのか分かり、暗澹たる気持ちになる本。 ヘェーな歴史は面白いが、肝心の人格障害との関連については生煮え。
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「発達障害」が拡大解釈されるようになってから、良い意味でも悪い意味でも概念の混乱が起きている。こうした現状を踏まえ、発達障害とパーソナリティ障害の関係を最近の動向から解説する。
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