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原発崩壊 の商品レビュー

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2012/02/21

今回のフクシマ「原発震災」事故によって放出された放射能が東京をはじめとする首都圏にも飛来し、食品や水道水から放射能が検出されるに至って、原発の話題は「自分事」になった。筆者の鋭い『筆誅』に剥目です。 本書を書いた明石昇二郎さんのことを知ったのは、以前あげた広瀬隆さんとの対談本...

今回のフクシマ「原発震災」事故によって放出された放射能が東京をはじめとする首都圏にも飛来し、食品や水道水から放射能が検出されるに至って、原発の話題は「自分事」になった。筆者の鋭い『筆誅』に剥目です。 本書を書いた明石昇二郎さんのことを知ったのは、以前あげた広瀬隆さんとの対談本を呼んだことがきっかけでございました。この本は原発問題を追い続けてきた筆者による『筆誅』の書であると思っております。いまだ先の見えない福島第一発電所の原発事故。『いつどこで起こっても破局的な事故になる』それが偶然(こういう言い方は適当かどうかはわかりません)『フクシマ』だったということがいやというほど良くわかりました。 日本の原発がすべて海岸に面して立っているのは原子炉を冷やすために大量の水が必要で、排出された温排水が付近の海水温度を上昇させ、深刻な環境被害を出していることはご承知のことだとは思いますが、そのほかにもここでは浜岡原発が破局的な大事故をしたという設定でシュミレーションしたものが中盤に掲載されておりまして、その詳細な内容は『浜岡』を『福島』に変えるだけで現在起こっているものとほぼ変わらない事象が起こっていることに読みながらぞっとしてしまいました。 3.11が起こる前には、『日の丸日本』として海外に原発を売り込もうとしていた、という話もあって、たとえばベトナムでは彼らもしたたかなもので、原発の弱点である高レベル放射性廃棄物をどうするか?ということに対する駆け引きもここには記述されていて、読んでいて面白いことは面白かったのですが、核とどう向き合っていくのか。『想定外』で逃げ回る人たちとどう接していけばいいのか。そういうことを強く考えさせられました。

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2011/10/03

東日本大震災本は、巷に多いが、その前の新潟の震災と原発の問題を書いた本を読んだ人はどれぐらいいたのだろうか? 増補版として、再出版しているのは、ビジネス上の知恵とも言えるし、再度、時代に合わせたメッセージを伝えたい、著者の気持ちも感じます。 震災&原発事故のセットは、既に想定さ...

東日本大震災本は、巷に多いが、その前の新潟の震災と原発の問題を書いた本を読んだ人はどれぐらいいたのだろうか? 増補版として、再出版しているのは、ビジネス上の知恵とも言えるし、再度、時代に合わせたメッセージを伝えたい、著者の気持ちも感じます。 震災&原発事故のセットは、既に想定されていた人災なんだろうなぁーと実感。知らなかったのは、自分自身の無知と恥じるべきなんだと思います。

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2013/06/28

企画コーナー「今、原発を考える時」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。 貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/5/23-7/31】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/...

企画コーナー「今、原発を考える時」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。 貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2011/5/23-7/31】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1595416

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2011/05/04

本書は2007年に初版が出て、本屋で最近その初版を見かけはしたが、買うのをためらっていたら、増補版が出た。今度の福島と原発輸出がくわわってよりタイムリーなものになった。明石さんはルポライターで、原発の「専門家」にするどい質問をなげかけてはいやがられてきた人のようだ。本書第3章の「...

本書は2007年に初版が出て、本屋で最近その初版を見かけはしたが、買うのをためらっていたら、増補版が出た。今度の福島と原発輸出がくわわってよりタイムリーなものになった。明石さんはルポライターで、原発の「専門家」にするどい質問をなげかけてはいやがられてきた人のようだ。本書第3章の「頼みの専門家は役立たず」は、無責任な専門家に対する厳しい糾弾である。本書の圧巻は第4章の、東海大地震に伴う浜岡原発の爆発でどのようなことが起こるかをシュミレーションしたものである。これはなんと2001年に『サンデー毎日』に連載された記事だ。この記事には、電力会社や原子力推進陣営の学者たちの感情むき出しの非難が轟々とあがったという。しかし、否定できるものはおらず、逆に原子力安全委員会は28年ぶりに耐震指針を改訂したという。このときは新潟の柏崎原発の事故を受けての記事だった。ぼくは、このころはまったく原発に関心をもっていなかった。本書で、さらに興味を引いたのは、国をあげて、つまりは菅政権がベトナムへの原発輸出を推進した記事である。これは、インドへの輸出を韓国にもっていかれた日本の原発産業が危機を感じ、国をあげての売り込みになったそうだ。菅政権が、今度の震災が起こったのにもかかわらず、国のエネルギー政策を転換するときっぱり言えなかった理由がよくわかった。原発産業はアメリカでは80年代に斜陽化していて、そうした企業と提携をしてあらたな「原発ルネッサンス」を起こそうとしたのは日本だった。それが、今アジアを中心に繰り広げられようとしていたのだ。

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