完全版 池澤夏樹の世界文学リミックス の商品レビュー
結果を先に言うととても楽しい本でした。 最初、いくつかのセンテンスを読んで「何だこれは?」。 予想を遙かに外れ、かなりくだけた語りかけだしほとんど荒筋紹介だし、これって、本のたたずまいにぜんぜん合ってないのだけれど、あとがきで事情が分かった。「夕刊フジ」の読者向け。なるほ...
結果を先に言うととても楽しい本でした。 最初、いくつかのセンテンスを読んで「何だこれは?」。 予想を遙かに外れ、かなりくだけた語りかけだしほとんど荒筋紹介だし、これって、本のたたずまいにぜんぜん合ってないのだけれど、あとがきで事情が分かった。「夕刊フジ」の読者向け。なるほど。 装幀は本来の読者層にアピールしたいということだったのかもです。 新聞掲載でいうなら、朝日あたりが彼の文章にあってるのかなという気はします。せめて日経ならよかったのに。(文化系、アート紹介など日経は深入りしないけどおっと思う視点もあって、私は好き) そうと分かればこちらも気楽に読むことにしたのだが、くだけた語り口調にもかかわらず、文章に「読んでみたい」と思わせる著者らしさがどんどん見えてきた。「読書癖」でえらい目にあった(読みたいリストが一気に増殖)けど、これはあれに劣らない気がする。 30章。巻末索引によるとタイトルが揚げられてるのは約230。そのうち半数近くがすでに700タイトルほどある「読みたいリスト」への追加になってしまい、どれを先にすれば良いかとても迷いますが、ともかくこの先10年くらいは読む本に困ることは全くなさそうです。
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個人的な世界文学全集のいわば作品紹介集。随分砕けた調子の文章だなと思ったら夕刊フジにコラムとして連載していたという異色の作品。この新聞の読者に世界文学全集を宣伝するという挑戦に戦慄するとともに世界文学全集の置かれている位置づけの難しさも後書きを読むと理解できます。なんというチャレ...
個人的な世界文学全集のいわば作品紹介集。随分砕けた調子の文章だなと思ったら夕刊フジにコラムとして連載していたという異色の作品。この新聞の読者に世界文学全集を宣伝するという挑戦に戦慄するとともに世界文学全集の置かれている位置づけの難しさも後書きを読むと理解できます。なんというチャレンジャー。それだけに口調はくだけていても面白さはすごく伝わってきます。あえてアウェーな環境や新しいエリアに踏み込む際の意気込みをどのように伝えるかという姿勢も勉強になりました。うーん、どれも読みたくなる。もう順番に読むしかないな。
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実に風通しのいい本だ。池澤夏樹の文章からは「お勉強」として読み続けた人間が持つルサンチマンがない。こちらを「読んだ人」の高みから見下ろしておらず、気さくに語りかけてくれる文体で読むように自然に誘ってくれる。悪く言えばその分彼はスノッブに本と戯れているとも言えるのだけれど、私はそん...
実に風通しのいい本だ。池澤夏樹の文章からは「お勉強」として読み続けた人間が持つルサンチマンがない。こちらを「読んだ人」の高みから見下ろしておらず、気さくに語りかけてくれる文体で読むように自然に誘ってくれる。悪く言えばその分彼はスノッブに本と戯れているとも言えるのだけれど、私はそんなひねくれた取り方をしたくない。彼に倣って読みたい本も増えたし(むろん、彼が編んだ『世界文学全集』がその筆頭だ)、こんな風に人を読書に誘う文章を書きたいとも思わせてくれる。良心的であり、それでいてチクリと刺す政治的棘も爽快に感じる
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世界中のそれぞれの国のそれぞれの地域には、そこに住む人々の作った文学がある。だから、一人の人間がその生涯にそれらの文学をすべて渉猟するなどということは、ほとんど不可能なことなのであろう。歴史的な濾過を経て現在までその価値が認められている作品ですら、その主だったものを読むこともなか...
世界中のそれぞれの国のそれぞれの地域には、そこに住む人々の作った文学がある。だから、一人の人間がその生涯にそれらの文学をすべて渉猟するなどということは、ほとんど不可能なことなのであろう。歴史的な濾過を経て現在までその価値が認められている作品ですら、その主だったものを読むこともなかなかに難しい。 でも、世の中にはそんな到底不可能に思えることでも、それを限りなく可能に近い形で実現に近づけてくれる先達がいる。そのおかげで、わたしたちはこの世界にはどんな出来事が出来しているのか、人がこの世界で生きていくというのはどういうことなのかということを教えてもらえるのである。
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面白そうな本が、 「面白い本をこの前、読んだんだ。それがこれでね……」といった感じで紹介されているから、堅苦しい感じは全くなく、本にまつわるエピソードなんかもオマケでついてくる。お得! しかも、これが読ませるレビューで、 あれもこれも面白そうな本ばかり‼︎ 結果的に紹介された本は...
面白そうな本が、 「面白い本をこの前、読んだんだ。それがこれでね……」といった感じで紹介されているから、堅苦しい感じは全くなく、本にまつわるエピソードなんかもオマケでついてくる。お得! しかも、これが読ませるレビューで、 あれもこれも面白そうな本ばかり‼︎ 結果的に紹介された本は全て、私の積読本リストにアップされました。
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上等のお菓子のようなブックレビュー。読んだことのない、知らない本も多かったが、どれも面白そうで読みたくなる。それにもまして、評者のその本を肴に、あれこれウンチクやエッセイ的な語りが、肩のこらない優れた読み物になっていて、とても良かった。
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碩学の軽目のブックガイド。 紹介されてるものをどれも読んでみたくなる。が、ときどき、あきらかにヘンな文章があるのは、校正が甘いのか。この著者らしからぬことだけど、それもご愛嬌。 楽しく本を案内しようとする姿勢が気持ちいい。
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池澤夏樹「世界文学リミックス」読んだ http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309020341/ … だいぶ前。記憶が。。池澤夏樹は好きなのだけれど、体言止め多用の文体に頻繁にひっかかる。体言止めは文章力の無さの現れだと個人的に思っているので池澤...
池澤夏樹「世界文学リミックス」読んだ http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309020341/ … だいぶ前。記憶が。。池澤夏樹は好きなのだけれど、体言止め多用の文体に頻繁にひっかかる。体言止めは文章力の無さの現れだと個人的に思っているので池澤夏樹には思い直して欲しい(わたし何様?)(つづく 全集のタイトル本だけでなく、関連または連想される周辺本も紹介されていて、どちらかというとその周辺本に興味がわく。紹介文は、自分の読んだことのある本については、案外あっさりと終わっていて「あの本の良さはその先にあるのに!」と思うが、未読の本に関しては充分に好奇心を誘発される(つづく 文体と比喩がとんでもなく幼稚で読むのが時々苦痛で、おそらく意図したものとは思ったが、文学全集だから読者に小学生を想定したがための易しい文章、という読書中の想像は外れ、スポーツ新聞連載なので雰囲気のバランスをとった、というのが理由だった。ぱきぱきに堅くてもよかったのでは。。(おわり #「世界文学リミックス」 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309020341/ … を読み始めて改めて河出全集の全30巻を眺めてみた。こんな全集を子供の頃に読んでいたら今とは全然違う嗜好になっていたかな http://www.kawade.co.jp/sekaibungaku/ http://www.kawade.co.jp/np/search_result.html?ser_id=87402 …
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池澤夏樹が『世界文学全集』の編纂にあたって夕刊フジに連載していたコラム149回を完全収録。半世紀という枠の中から選出し収録した小説と、その周辺にある小説についてのお話を軽妙に語っています。そう、解説でなく語り。"面白い本について"の軽くて柔らかい書評です。 見...
池澤夏樹が『世界文学全集』の編纂にあたって夕刊フジに連載していたコラム149回を完全収録。半世紀という枠の中から選出し収録した小説と、その周辺にある小説についてのお話を軽妙に語っています。そう、解説でなく語り。"面白い本について"の軽くて柔らかい書評です。 見たことない作家・作品に躊躇していた人も、これを読むとちょっと手を伸ばしてみたくなりますよ! (院生アルバイトスタッフ)
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小学生の頃に持っていた鉱物の標本のような本。 蛍石、水晶、黒曜石が輝き、黄銅鉱、雲母は煌めく。 小学生の頃に読んだ少年少女世界文学全集のように心ときめく本だ。 海外文学嫌いのあなたに、ぜひ読んでほしい。
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