ふらり。(1) の商品レビュー
丁寧で細かい書き込みにゆったりとした時間の流れ。 余裕のあるときにじっくり堪能するのがいい漫画だと思う。
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江戸の風流が蘇る一冊。必携。 伊能忠敬と、鳶、桜、亀、猫、星、鯨、雨、蛍、象、雷、蜻蛉、月、馬、蟻、雪・・・を愛でる。 江戸っ子のきっぷの良さが伺える「セリフ」たちもいい。「落とし噺」の再現シーンなんて珠玉です。
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谷口ジローの江戸描写が凄い。杉浦日向子の領域に達しつつある!江戸をぶらりぶらりと歩きながら距離を測る隠居老人。彼は一体何者なのか?徐々に正体が明らかになるが、それ自体よりもこの江戸の空気が素晴らしい。
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江戸の町を初老の男性が「ふらり。」とウロウロするだけ・・ 言えば江戸の「ブラタモリ」。 散歩が趣味の私にとってこんなにいい漫画はありません。 思わず金欠なのに購入。 帯の惹句に 「一歩=ニ尺三寸=70cm」 とあるように、初老の主人公は江戸の街を一歩一歩数えて歩きま...
江戸の町を初老の男性が「ふらり。」とウロウロするだけ・・ 言えば江戸の「ブラタモリ」。 散歩が趣味の私にとってこんなにいい漫画はありません。 思わず金欠なのに購入。 帯の惹句に 「一歩=ニ尺三寸=70cm」 とあるように、初老の主人公は江戸の街を一歩一歩数えて歩きます。 「永代橋・・東から西・・128間か・・」などとつぶやきながら記していきます。 そして目に付くよしなしごとをつぶさ観察していきます。 谷口ジロー先生の美麗な画で、江戸の人々の生活や街の詳細をこちらもつぶさに見る事ができるという寸法です。 基本的に何も起らないおはなしですが、 読み進むにつれて、この初老の男性が誰であるかだんだん分かってきます。 するとその行動にも意味が出てきます。 この江戸の「ブラタモリ」は壮大な計画の前哨戦だったのです。 画をじっくり見てゆっくり読んで欲しい作品です。 全1巻ですし、夏休みの暇つぶしにもぴったりかと存じます。
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◎ダ・ヴィンチ2011年7月号 「今月のプラチナ本」。 2011年8月26日(金)読了。 2011-57。
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タイムマシーンがあったらどの時代に行ってみたいか? と聞かれたら、ぼくは江戸時代に行ってみたいな。 日本の風景は素晴らしいと思う。 ただし、現代の風景はグロテスクな構築物や、土木工事によって破壊しつくされている。 それは、自然との調和を全く考えずに、無計画に造られているか...
タイムマシーンがあったらどの時代に行ってみたいか? と聞かれたら、ぼくは江戸時代に行ってみたいな。 日本の風景は素晴らしいと思う。 ただし、現代の風景はグロテスクな構築物や、土木工事によって破壊しつくされている。 それは、自然との調和を全く考えずに、無計画に造られているからだ。 いつから日本人は、そういう感性を無くしてしまったのだろう? ・・・・・・ 東京の町を歩いていても、近郊を散歩していても、 「江戸時代の風景はどうだったのだろうなぁ~~~」と時々考えてしまう。 立ち止まって辺りの風景を見回し、出来るだけ人口構造物を取り除いて眺めるよう努力してみる。 かなり難しい作業だが、削り取られて団地で埋まった丘には雑木林が見えてくる。 コンクリートで覆われた土地には田んぼが見え、アスファルトの道には小川が姿を現す。 ビルで地形が分からなくなった場所には、茅葺の家々がひっそり自然の中に溶け込んでいる。 遠くを眺めると、富士山がくっきり見える。 江戸時代に日本に渡来した外国人は、日本の風景の素晴らしさに感嘆の声を上げたことだろう。 唯一その頃の日本の手がかりが得られるのは、浮世絵だ。 東海道五十三次の絵を見ながら、思いっきりイメージを膨らますのは、とても楽しい作業だ。 ・・・・・・ そんなふうに、あの頃の日本を見てみたいと思っていたら、あることによってあっけなく実現してしまった。 あることとは、漫画である。 谷口ジローの描いた【ふらり】だ。 漫画なんてと思われるかもしれないが、 これはイイ。 絶対にオススメだ。 ベタを使わず、濃淡だけで描いていて、当時の江戸にまさにタイムスリップすることが出来る。 しかも、江戸に生きていた人間の息遣いまで感じさせてくれる。 芥川賞の小説を読むより、ずっと有意義な時間の過ごし方だと思うがどうだろう。
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江戸の町を一歩一歩歩いて測量。 「あ、今だとあの辺だなー」って思いながら読んでみるとおもしろいかも。 時間がのんびり流れてるみたいでなんだかゆったりした気分になります。 四季が流れてる感じも好き。
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故あって著者サイン入りの単行本を献本いただく。ほんと、涙でるほど感激したぜ。 一歩一歩ゆるりと歩くのが好きである。才能がないため、一回でうまくいったためしがない。繰り返し、繰り返し、あきらめず、くじけずに反復トライしたことだけがなんとかものになっている。僕は翻訳が好きだけど、翻...
故あって著者サイン入りの単行本を献本いただく。ほんと、涙でるほど感激したぜ。 一歩一歩ゆるりと歩くのが好きである。才能がないため、一回でうまくいったためしがない。繰り返し、繰り返し、あきらめず、くじけずに反復トライしたことだけがなんとかものになっている。僕は翻訳が好きだけど、翻訳もクオンタムリープのない世界である。一歩一歩前進するより他ない。しかし、こつこつやっていれば必ず前進できる。 谷口ジローの絵柄は美しい。トレースとスクリーントーンを上手に使用している。スクリーントーンを一切使わないことをポリシーにしている漫画家もいる。例えば、故青木雄二。どのようなポリシーを持っていても、上手の手にかかればうまくいくというわけだ。ポリシーなど、なんの価値もないのかもしれない。 こういうときこそ、スローダウンしてこういうマンガを読んでも楽しいと思う。
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谷口ジローが描く、江戸の四季折々の風景や人々の暮らしが素晴らしい。主人公は、蝦夷地測量に出る前の伊能忠敬。隠居の彼は、毎日散歩しながら歩数を数えて歩幅が一定になるようにトレーニングしたり、天体観測をしたりする日々。時には猫やトンボや蟻や亀の視点に立って風景を見たり、小林一茶と出会...
谷口ジローが描く、江戸の四季折々の風景や人々の暮らしが素晴らしい。主人公は、蝦夷地測量に出る前の伊能忠敬。隠居の彼は、毎日散歩しながら歩数を数えて歩幅が一定になるようにトレーニングしたり、天体観測をしたりする日々。時には猫やトンボや蟻や亀の視点に立って風景を見たり、小林一茶と出会って俳諧論を聞いたり。春には花見や潮干狩り、夏には蛍狩り、秋には月見、冬には雪見。
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