文学的記憶・一九四〇年前後 昭和期文学と戦争の記憶 の商品レビュー
書かれ/読まれるという〈行為〉の水準で捉えられる「歴史」が「文学」と呼ばれる領域と出会う場所とはどのようなものか。 われわれのもとに届いた記憶の痕跡=テクストとしての「文学」を、われわれはどのように受け止め、その経験をどのように記述するのか。 このような〈文学的記憶〉を、あの大...
書かれ/読まれるという〈行為〉の水準で捉えられる「歴史」が「文学」と呼ばれる領域と出会う場所とはどのようなものか。 われわれのもとに届いた記憶の痕跡=テクストとしての「文学」を、われわれはどのように受け止め、その経験をどのように記述するのか。 このような〈文学的記憶〉を、あの大規模な戦争と敗戦を迎えた一九四〇年前後の状況と絡めながら考察している一冊。 あのときナショナルな記憶/物語はどのように編成され、それに「文学」はどのように交錯したのだろうか。 索引も付いていて助かった。下記が目次。 【目次】 序章 記憶としての文学/文学の記憶 ―芥川の歴史小説を素材として― 第一章 歴史小説の死産 ―〈歴史〉と〈文学〉をめぐる言説状況・一九四〇年前後― 第二章 歴史の欠片と文学 ―坂口安吾「イノチガケ」「真珠」の方法― 第三章 裂罅としての郷土/幻視される故郷 ―柳田国男と川端康成における「信州」― 第四章 「日本」と「支那」のあいだで ―中国文学研究会における竹内好と武田泰淳― 第五章 戦争の記憶/戦後の語り方 ―戦後批評の中の坂口安吾と小林秀雄― 第六章 翻訳される記憶 ―大江健三郎「万延元年のフットボール」をめぐって― 終章 文学的記憶の紡ぎ方 ―「昭和文学史」への切断線―
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