地震・災害財産防衛マニュアル の商品レビュー
この本の著者である浅井氏の本はかれこれ20年近くも読んでいます、最近は言っている内容に重複していることが多いので読まないこともありますが。 このたび不幸にも未曾有の大地震が東北地方を襲って、18階のオフィスで震度5の揺れを実際に体験して本当に怖い思いをしました。 後で知ったの...
この本の著者である浅井氏の本はかれこれ20年近くも読んでいます、最近は言っている内容に重複していることが多いので読まないこともありますが。 このたび不幸にも未曾有の大地震が東北地方を襲って、18階のオフィスで震度5の揺れを実際に体験して本当に怖い思いをしました。 後で知ったのですが、高層ビルは揺れるように設計しているそうですね。当日は電車がすべてストップしたので、オフィスからかなりの距離を歩いて自宅へ向かうという貴重な体験もしました。 さて、この本は浅井氏がこの10年以上言い続けてきた、日本に地震が起きた場合にどうなるかという視点で書かれています。また、浅井氏は地震当時、福島で講演する予定だったそうで、大変な思いをしてそこから東京へ戻ってくるという経験をされたそうです。こればかりは実体験に基づく記述であり、いままでの本にはない臨場感あふれる内容で読んでいて参考になりました。 私も実際に体験したのですが、なにか行動するとき(私の場合はオフィスから歩いて自宅へ戻ること)には、グループで行動することの大切さを認識しました。 今回の地震の被害は本当は津波に関するものがすごいはずなのに、原子力発電所が爆発を含む事故を起こして、原発の怖さを思い知りました。日本には55基(計画中含めて69基)も原発が稼働していて怖いなと思いました。 以下は気になったポイントです。 ・BWR型(沸騰水型軽水炉)は原子炉の中で水を沸騰させるため、配管系を流れる熱水、蒸気には放射性物質が含まれるので危険、浜岡・福島等の東日本に集中(p30) ・BWRはPWR(原子炉外に別に蒸気発生装置を設置する)よりも安価であるが、原子炉の下部から制御棒を水圧で挿入すために、トラブルが起きやすい(p32) ・地震時の貴重な教訓として、1)現地では情報が入ってこない、2)現金は常に持ち合わせておく、3)被災地から逃げるときは二人以上で、4)連絡手段は公衆電話(p47) ・幕末に襲った「安政三大地震」とは、安定東海・安政南海・安政江戸地震である、幕府中枢を襲った江戸地震は、死者4300人という死者(p49) ・政府はアメリカからの原子炉冷却への支援を断っていた、政府や東電が原子炉の廃炉を前提とした米側の支援を断った(p55) ・現時点では、制御棒が挿入されて核反応は起きていないので、放射性物質が広範囲に広がる可能性は低い(p59) ・チェルノブイリは爆発して放射性物質が燃えて、空中9キロ以上に舞い上げられた、福島は最大で500メートル程度(p60) ・福島原発の50キロメートル以内に住んでいる人は被ばくに注意する必要があるが、それ以外では、放射能の影響を受けた農産物・海産物による被ばくを注意する必要がある(p63) ・内部被ばくを抑える食品としては、ヨウ素を多く含む食品(昆布、とろろ昆布、海藻類)と味噌汁を摂取するとよい(p87) ・関東大震災当日には、能登半島付近に弱い台風があり、この台風により風速10~15メートルの風が吹いていたので大火災となった(p109) ・東海地震は何度も起きている、前回起きたのが安政東海地震で1854年であり、いつ起きてもおかしくない(p114) ・近代からの流れを見ると、1868(1950)をボトムとして、1905(1989)がピーク、1945(2030)までは下がり続ける、今後パラダイム変換が起きて、2025年の老人大国化のピークを迎える(p120) ・海外に資産を移す方法として、1)海外の銀行口座の開設、2)海外ファンドに直接投資、3)海外不動産の所有、4)海外移住がある、第二海援隊では、ニュージーランドへの留学のコンサルティングも実施(p155) ・国家破産に備えるため、1)全財産の80%は外貨、2)海外口座を保有、3)金の現物を10%、4)生活費は現金で3か月分程度(p169、197) 2011/5/8作成
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