百年の孤独を歩く の商品レビュー
蜃気楼の中に浮かぶ幻想的な街並みの景色は、想像していた以上にコロンビアの土地に根差した現実的な風景だったのか―思わずそんな感想が口を付いて出そうになった。著者はガルシア=マルケスと四半世紀に渡る友情を結び、『百年の孤独』に限らず彼の小説に出てくるエピソードの数々が著者の家族や環境...
蜃気楼の中に浮かぶ幻想的な街並みの景色は、想像していた以上にコロンビアの土地に根差した現実的な風景だったのか―思わずそんな感想が口を付いて出そうになった。著者はガルシア=マルケスと四半世紀に渡る友情を結び、『百年の孤独』に限らず彼の小説に出てくるエピソードの数々が著者の家族や環境、コロンビアの実生活にいかに根差していたのかをゆかりの地を歩き辿りながら実感していく。本書を読んだ後では現実と幻想を取り違えた己の想像力の欠如を恥じてしまいたくなる。まさに、「私の書いていることは、みんな現実に根ざしている」のだ。
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ノーベル賞作家ガルシア=マルケスと交流のある著者が、ガルシア=マルケスや彼の作品のゆかりの地や人々を訪ねた記録的書物。おそらく田村さんにとっては宝物のような一冊だろう。ガルシア=マルケスファンにとっても垂涎の内容である。
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ねっとりと蒸し暑い時期に読むにはうってつけだ。巨匠の知遇を得た田村さんだから書けた、創作の源泉に迫る旅のエッセイ。マルケスがコロンビアという土地からなにを血肉化したのかを窺い知ることができる。
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そうか、著者田村さと子さんと中上健次は、中学の同級生だったのか。熊野とガルシア=マルケスは、マジックリアリズムつながりであったか、と妙に腑に落ちる。
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