グワンシ の商品レビュー
中国人の特徴と付き合い方について解説している。 温州商人は子どもに関係づくりのためのお小遣いをあげる。 第一段階は交流すること。第二段階は言動、行動の信憑性、食事。第三段階は関係を結ぶ意志があるかを確認、贈り物、家族との付き合い。第四段階は人情で結ばれる。 経理担当者の親と仲良く...
中国人の特徴と付き合い方について解説している。 温州商人は子どもに関係づくりのためのお小遣いをあげる。 第一段階は交流すること。第二段階は言動、行動の信憑性、食事。第三段階は関係を結ぶ意志があるかを確認、贈り物、家族との付き合い。第四段階は人情で結ばれる。 経理担当者の親と仲良くなると持ち逃げされない。
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没关系(関係:グワンシなし) ←ごめんなさいと言われて、「構いませんよ」 没问题(問題なし) ←できますかと言われて、「大丈夫です」 不客气(よそよそしいこと言わないで) ←ありがとうと言われて、「どういたしまして」 という、基本的な中国語会話に出てくるくらい有名な关系(グワンシ)だが、中国人にとってはすごく重要という話。 中国人が家族を大切にするのは有名だが、血縁を中心とした個人の関係の広がりを关系(グワンシ)と呼ぶようだ。そこには、地縁等の関係や賄賂につながる利害関係も含まれる。关系(グワンシ)の拡大とメンテナンスが中国人にとってのすべてといってもいいらしい。 法律よりも关系(グワンシ)が優先されると明言されているのは、なるほどそれで・・・と納得する部分もあるが、そこまでひどいのか、と驚かされる。 ただ、关系(グワンシ)の優先される社会が形成されたのは、清朝崩壊以降、正常な法による統治が広い国土の隅々にまで浸透しなかったための、民衆の生き残り戦略であるという。実質的な無法地帯における自己防衛と言えよう。1979年以降の改革開放政策後に、その傾向は強くなり、地方政府の「癒着」を生み出したものの、筆者はこのシステムには一定の役割があったと評価している。世界中の華僑をつないでいるシステムもこの关系(グワンシ)そのものだ。 中国人の自分さえ良ければいい的な行動や競争の源泉はこの关系(グワンシ)であり、ある集団のために利他的であるということもできなくはない。 なので、中国人の关系(グワンシ)の内(自己人という)に入ってしまえば、付き合い方を間違えない限り誠意を尽くしてくれるが、外(外人という)にいれば、様々な策略をめぐらされることになる。 同じ儒教をもとにした価値観でありながら、日本では会社や村などの所属組織における「和」や「忠誠」が最も優先されるのに対し、中国では会社は単に労働力を出資して利益を得る場所であり(欧米の契約に意識は近い)、中国人の「忠誠」はもっぱら具体的なその关系(グワンシ)に注がれる。中国人にとっては、社長は「働かせてくれる」恩を与えてくれる人ではなく、同じ事業に投資する単なる同志にすぎない。(关系(グワンシ)内にいなければ・・・) 日本人は、会社での立場が危うくなって自殺することがあるが、中国人はそんなことは絶対になく、その代わり家族に顔向けできない(面子がたたない)と自殺することがあるのだそうだ。 また、日本人は組織に対する信用をみんなで築き上げようとする(個人を犠牲にして)が、中国人にとっては具体的な個人との間の关系(グワンシ)の利益が全てなので、抽象的過ぎてこれは理解できない。 香港のように法治が正常に機能するところでは、关系(グワンシ)の役割は希少になっていることから、今後は关系(グワンシ)の影響力は弱くなってゆくだろうと筆者は予想している。 また、トラブルの多くはコミュニケーション不足によるもので、关系(グワンシ)中心の中国人でも、日本の立場は理解できるし、日本人が中国人の立場を尊重する限り、良好な関係を築けるはずだという。
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なぜ日本企業が中国に進出すると失敗するのか。それは日本人と中国人との人間『関係』の考え方の違いにある。それがグワンシ(関係)である。日本人が周囲の人との繋がりを場を基準に考えるのに対して、中国人は二者間の延長としてとらえる。
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ー没关系ー よく使う中国語で例えば谢谢に対して返す。your welcom.と同じだと思えばいい。对不起(ごめんなさい)に対して使えばnever mind.だがほかにも大丈夫とかかまわないとか差し支えないとかそう言うニュアンスの言葉だ。 グワンシ=関係で没関係を日本語のニュアン...
ー没关系ー よく使う中国語で例えば谢谢に対して返す。your welcom.と同じだと思えばいい。对不起(ごめんなさい)に対して使えばnever mind.だがほかにも大丈夫とかかまわないとか差し支えないとかそう言うニュアンスの言葉だ。 グワンシ=関係で没関係を日本語のニュアンスで読むと「そんなのカンケーネェ、はい、オッパッピー!」でいいのかw。ちなみに「ぐわし!」も関係ない。 どうでもいい話はさておきグワンシは中国人同士の基本的な人間関係で人脈やコネやら相対の貸し借りを含むと言えばいいのだろう。「他人の関係(古っ)」は中国人同士であっても外人となりグワンシのネットワークには含まれず自己人という身内がこのネットワークに入る。ある程度は日本の田舎や古いしきたりの世界では共通しているので理解できる。嫌いだけど。 グワンシが樹立されるには三つの条件が有る。 ①資源性 相手が役に立つこと ②時間性 資源の確認と人情のやりとりを共有する時間を持っている ③人情性 この人情がグワンシを特徴付ける。 では中国における「人情」とは?以下三つの機能を持つとされる。 ①人と関わる上でのガイドライン機能 ②人への施しを促す機能 ③人間関係の円滑化としての機能 ①のガイドラインが理解でき、自然に実戦できればもうこの本をほぼ理解したようなものだ。 ここにも四つのルールが有る。 ①他人から好意を受けたら、受け取らなければならない。 (でかくてかさばるいらないお土産も、白酒の乾杯も好意だ。受け取らないような不人情な人とはグワンシは築けない) ②受け取った好意に対しては、ただちに返答しなければならない。 (だからお土産は受け取り、白酒は飲み干す・・・) ③依頼事項を受けたら、多少なりとも呼応しなければならない。 (ちょっとまけてよとか・・・、この許可申請なんとかしてよとか・・・) ④人は与えた好意に対して返答が有ることを期待している。しかし、その意思を表立って表現してはならない。 (わかってるよなとかは言わないんだ、この前は楽しかったですよねとかになるのか) 人への施しは頼まれたら助けるのが人情だと言うわけで「寅さんの世界」と思えば何も不思議なことではない。 人間関係の円滑化と言うのはグワンシが貸し借りができ貸した「人情」は(表立ってではなく)返済を促すことができる。人間会計とさっきミスタイプしたがこれでもあながち間違っちゃいない。 公と私の考え方の説明もよく分かる。中国では公とはあくまで私が集まったものだ。例えば遺言状は日本では私文書だが中国では私の集まりだから公文書になる。ここでは当然のように私が公に優先されるので組織に属する人がその権限を自分のグワンシの範囲を優先するのは当たり前で相手も当然のようにそれを期待している。日本のように公私混同をするなといっても効果はないわけだ。彼らの概念ではそれは公私混同ではないのだから。あくまでルールと賞罰で規制するしか無いという。だから会社のものは持ち帰るなとかそんなのは常識だろうと言わず、ちゃんと説明しろと言っている。個人的には中国にはいわゆる公共(public)という概念は無いのだと思っている。だから中国人旅行者が海外で非難されまくっているのだが、国内でできないことを海外でできるわけが無い。謝教授は比較して出した日本の公はお上が作ったものと理解しているようで、公は私の外にあるという(溝口雄三著「中国の公と私」を参考にしている)。滅私奉公のイメージなのだろう。今どきそんなことを言おうもんなら黒ラベルが貼られるのだがw。 この本でもさんざん指摘されてるようにグワンシのマイナス面は強烈な腐敗を生んだ。ルールが整備されればグワンシは弱まるが無くなることはないと言うのが謝氏の見立てだ。この本にも有るように競争が激しくなるとグワンシよりも単純に価格の方が優先されるのでそれですべて上手く行くと言う話ではなく、中国人にアプローチするには直アポよりも伝手を頼る方がいいという常識的な結論になる。グワンシがいかに巧く機能したかについてはいくら書かれても、読んでて気分が良くなるわけでもなくそれこそ「そんなのカンケーネェ」と言ってやりたいところではある。
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5,6年くらい前から、中国の人と仕事をする機会が増えてきました。 個人個人との交流を経験していくにつれて、中国人気質のようなものはいくらか、分かってきたつもりではいます。 しかし、会社組織への帰属意識や個人のキャリアアップへの考え方など、日本人とは違うなあ、どう理解したら良いのか...
5,6年くらい前から、中国の人と仕事をする機会が増えてきました。 個人個人との交流を経験していくにつれて、中国人気質のようなものはいくらか、分かってきたつもりではいます。 しかし、会社組織への帰属意識や個人のキャリアアップへの考え方など、日本人とは違うなあ、どう理解したら良いのかなあと、消化しきれない部分も多く残っています。 この本の副題が、「中国人との関係のつくりかた」となっていたので、そのような自分の疑問への参考になるかと思い、読んでみる事にしました。 著者は香港大学の教授で中国マーケティングの権威。 「中国人と中国社会を理解するには、中国人の中に根付いている2つの行動原理を理解すべきである」とし、その行動原理として、「孫子の兵法」と「グワンシ」を挙げています。 その「グワンシ」をどのように理解したらよいか、そして中国ビジネスにどう応用したらよいかを、事例を交えて説明したのが本著です。 グワンシを漢字で書くと、「関係」。 「私」(家族単位)と他者との関係の構築と維持が重要であり、それは社会のルールをも超える。 そのような中国人の考え方を理解して、雇用や取引を行わないと、中国でのビジネスはうまくいかない。 第3章ではグワンシの負の部分もきちんと説明されており、その対策も書かれています。 僕はこの本を読んで、これまで理解できなかった中国人の行動の多くが理解できたような気がします。 「ルールを守らない」「おかしい」と批判するだけでなく、理解し、適切な対応を取ることが、中国の人と向き合う上で大切なのだと感じました。 グワンシという概念に触れたことの無かった僕にとっては、眼を開かせてくれる内容でした。 中国でのビジネスに関係している人や、中国人と接する機会のある人は、学ぶところの多い一冊だと思います。
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中国人の物事の考え方に対して、この本を読んだことで腹落ち感。日本人は組織を軸にするが、中国人は個人を軸にする。そもそも前提が違うのだ。この前提を理解し、意識しておくことで中国人とのコミュニケーションも円滑にできるのではないだろうか。
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ダンナさんの本棚より。 こっちも久々。 今まで読んだ中国本の中で(ってあんまりたくさん読んでないけど)、いちばん腑に落ちた。 中国で体験したもしくは聞いたあれもこれも、ああ、そーゆう理論で動いてたのか…と、ね。 まあ共感はできないんだけど。 頭で理解することは…できるかもしれな...
ダンナさんの本棚より。 こっちも久々。 今まで読んだ中国本の中で(ってあんまりたくさん読んでないけど)、いちばん腑に落ちた。 中国で体験したもしくは聞いたあれもこれも、ああ、そーゆう理論で動いてたのか…と、ね。 まあ共感はできないんだけど。 頭で理解することは…できるかもしれない。 よく考えたら、欧米の考え方だって十分に遠い。 「武士道」だって遠かった。(私には。) だったら中国だって遠くて当然。 なまじ類似点が多い分、差異が増幅されるのかも。 「わからない」ってコトは恐怖だけでなく嫌悪も生む、と思う。 恐怖や嫌悪が、ちょっと減った…かもしれない。
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