子供部屋のシャツ 新装版 の商品レビュー
山に出掛けるときにザックに放り込んだ一冊。たぶん何年も(十何年も、二十何年も)前に手にした本なんだろうな。中身はまるでおぼえちゃなかったけど。
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すごく怖くておもしろいらしいと聞いて読んでみたけど、そんなに怖くもない。 一章ずつの繋がり方がおもしろく、色んな人の視点で描かれていて続きは気になったので読みやすかった。 たくさん登場人物がいる割に誰も魅力的じゃなかった。結局ほとんど全員死んだが、ただ死んだだけで驚くようなどんでん返しや理由があったわけではなく、あっさり死んでいくのが物足らなかった。もう一つ何か仕掛けがあってほしい。
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“何だろう?何かが、幸子の記憶に触れたのだ。 二階に上ると、幸子は、無人の廊下を、見通した。たった今、人がいたのに違いない。気配がある。空気の乱れ、とでもいうべきものが。 「——どこにいるの?」 と、幸子は言った。 自分の声が、びっくりするほど小さく、震えている。——しっかりして...
“何だろう?何かが、幸子の記憶に触れたのだ。 二階に上ると、幸子は、無人の廊下を、見通した。たった今、人がいたのに違いない。気配がある。空気の乱れ、とでもいうべきものが。 「——どこにいるの?」 と、幸子は言った。 自分の声が、びっくりするほど小さく、震えている。——しっかりして!あなたは以前には教師だったのよ! 自分を叱って、ゆっくりと廊下を歩き出したが、 「そうだわ」 呟きと共に、幸子の足は止まった。 教師。教師だったころ。——その記憶に、あれが触れたのだ。 あの甲高い、男の子の笑い声が。”[P.151] 簡素な文章から滲み出る静かな恐怖。 “「久美。——パパだ」 佐田は、久美の部屋のドアをノックした。 久美が、ドアを開けた。 「パパ……。どうしたの?」 「終ったよ。——何もかも、終った」 佐田の言葉の意味を、久美は分からなかったろうが、しかし、あえて訊こうともしなかった。 「もう……大丈夫なの?」 「ああ。大丈夫だ」 佐田は、力一杯、久美を抱きしめた。 佐田の背中に、貼りつくようにくっついていた、汚れたシャツが、フワリと床に落ちたのには、二人とも気付かなかった。”[P.236]
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心理描写がほとんどなく、 読者の共感を呼び起こさない。 赤川次郎らしい恐怖小説。 書き手と、読み手との間にあるのは、 通勤時間に読める読み物という位置づけしかない。 社会問題を解決したいのでもなく、 親の怨念だけを主張しているのでもない。 子供部屋のシャツが一人歩きしている。
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★2011.6.3読了★ ラストが物足りないと思った。 周囲の人たちが死んでいったのは、結局何による働きだったんだろう。母親の怨念なのか、子供の仕業なのか。あんなにハラハラする展開にしては、オチが軽い! でも、久しぶりに読んだ赤川さんの作品でしたが、読みやすかったです。
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その昔、初版で読んで、余りにも怖くて手元に置いておけなかった本。 でももう一度読んでみたくて堪らなかった本。 今日本屋に行ったら新装版を見付けて、飛び付く様に買い、一気に読んだ。 前に読んだ時は子供だったし、今読んでも以前の様な怖さは感じないかとも思っていたけど、やっぱ...
その昔、初版で読んで、余りにも怖くて手元に置いておけなかった本。 でももう一度読んでみたくて堪らなかった本。 今日本屋に行ったら新装版を見付けて、飛び付く様に買い、一気に読んだ。 前に読んだ時は子供だったし、今読んでも以前の様な怖さは感じないかとも思っていたけど、やっぱり滅茶苦茶怖かった……(泣)。 それが嬉しくもあるけど、夜中に目覚めたくないなぁ。 昔読んだ時も思ったのだけど、本当に怖い話が好きな人からすると、特に怖くもない本じゃないだろうか。それなのに何で自分はこんなに怖いのか、ちょっと不思議な気もする。 そういえば、山岸凉子の『わたしの人形は良い人形』という漫画も物凄く怖いのだけど、この本と雰囲気が似ている気がする。 最早手に負えなくなった子供、というのが私の恐怖のツボなんだろうか。
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