翼に息吹を の商品レビュー
昭和20年、戦況が厳しくなり特攻機が沖縄に向けて飛び立つ陸軍知覧。手を掛け整備した機体が一機増えるごとに、またひとり若い命が消えると整備班長の須崎少尉の苦悩。お国のためと「ちょいと空母でも沈めてきます」と飛び立つ特攻隊員もいれば4度故障を理由に帰還し、5度目の出撃で故郷近くに自爆...
昭和20年、戦況が厳しくなり特攻機が沖縄に向けて飛び立つ陸軍知覧。手を掛け整備した機体が一機増えるごとに、またひとり若い命が消えると整備班長の須崎少尉の苦悩。お国のためと「ちょいと空母でも沈めてきます」と飛び立つ特攻隊員もいれば4度故障を理由に帰還し、5度目の出撃で故郷近くに自爆した有村少尉。そして、長崎広島はの原爆投下、天皇の玉音放送。基地内の混乱、整備の中川軍曹の自決。想像を絶する時代背景に愕然とした。戦争の意義、特攻の意味とは何だったのだろう?。当時の若者は真から国に命を捧げたのだろうか?
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知覧特攻平和会館に行った事がある。その時は、ちゃんとした背景を知らなかった。その頃の日本の状況、人々の心情は実際に体験しないとわからないが(語るのはおこがましい)、ただただ戦争は人を変えるし、そこにのまれてしまう事を恐ろしいと感じた。
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昭和20年終戦間近、知覧飛行場の特攻機の整備員と特攻隊隊員との葛藤。潔しとして沖縄洋上の敵艦艇に特攻する者、何度も飛行機の故障を理由に舞い戻る者。敗戦濃厚の状態でこの作戦は一体なんだったのだろうかと。
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太平洋戦争末期、知覧で陸軍特攻機を整備する整備班長の目から見た戦争の物語。確かに特攻は狂気ですが、それを考えた軍部のみならず、当時の日本全体が狂気に包まれていたのだろうという班長の考察は素直に腑に落ちます。「飛燕」や「隼」といった陸軍戦闘機の描写には、不謹慎ながらワクワクさせられ...
太平洋戦争末期、知覧で陸軍特攻機を整備する整備班長の目から見た戦争の物語。確かに特攻は狂気ですが、それを考えた軍部のみならず、当時の日本全体が狂気に包まれていたのだろうという班長の考察は素直に腑に落ちます。「飛燕」や「隼」といった陸軍戦闘機の描写には、不謹慎ながらワクワクさせられました。
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特攻による太平洋戦争末期の戦いを、整備士としての立場で見つめたもの。メカニカルな部分の記述の詳しさには少々驚かされたが、もう少し心の葛藤とか苦悩が表現されてもよいかも・・・
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特攻隊員を送り出す整備兵を主人公にした物語。 特攻を題材にした小説はいくつか読んだことがあるんですがほとんどがパイロット視点の物語で整備兵視点の物語ってことが新鮮に映りました。 戦友たちの死を見送ることしか出来ない整備兵という立場に屈託を感じながらも、飛行機にかける情熱、特攻隊員...
特攻隊員を送り出す整備兵を主人公にした物語。 特攻を題材にした小説はいくつか読んだことがあるんですがほとんどがパイロット視点の物語で整備兵視点の物語ってことが新鮮に映りました。 戦友たちの死を見送ることしか出来ない整備兵という立場に屈託を感じながらも、飛行機にかける情熱、特攻隊員への熱い気持ちが伝わってくる。 しかし、戦局が進むにつれて勝算の見えない戦争への焦り、疑問が膨らんでいき自分はこれいいのだろうかと苦悩し葛藤する。 戦争の物語を読むたびになぜこれだけ理不尽なことが行われなければいけなかったのかと憤りを感じる。
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