スペインの墓標 の商品レビュー
私には読みずらかった。短編で最初の1つだけ読み終えて、放棄してしまった。何年か経ったらまたトライしようかしら。
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★世の中に自分で試してみないでわかることなんかひとつも無い ★戦後民主主義で育った世代は国家権力の怖さを知らない スペイン、イスパニア、嗚呼 西班牙、わが恋焦がれし汝の名はスペイン。 五木寛之のこの本に『わが心のスペイン』、そして逢坂剛の『カディスの赤い星』と『幻のマドリ...
★世の中に自分で試してみないでわかることなんかひとつも無い ★戦後民主主義で育った世代は国家権力の怖さを知らない スペイン、イスパニア、嗚呼 西班牙、わが恋焦がれし汝の名はスペイン。 五木寛之のこの本に『わが心のスペイン』、そして逢坂剛の『カディスの赤い星』と『幻のマドリード通信』、『スペイン灼熱の午後』に『コルドバの女豹』、『イベリアの雷鳴』や『遠ざかる祖国』、『燃える地の果てに』で『幻の祭典』、『斜影はるかな国』も『鎖された海峡』、『燃える蜃気楼』か『暗い国境線』、『暗殺者の森』に到るまで、よくもまあ飽きもせずこれだけスペインものを読む執念があると感心しますが、これでもまだ懲りずに、スペインの歴史研究書が目につけば読むという固執ぶりで呆れ返っています。 それは、ただ単にフラメンコと闘牛だけの国ではなく底知れない魅力があり、実際に触れあう景観や食べ物や人びとがこれまたジメジメうじうじした日本とは正反対の比べものにならないほどの開放的な豪快さに満ちていて、しかもその中に繊細さをけっして忘れない、そのくっきりとしたニュアンスがたまらなく魅惑的なのです。 なかでも引きつけてやまないのが1936年から39年に起こったスペイン革命(内戦)ですが、この本には、30年以上経って学生運動に失望した日本人の男性がこの異国の昔の反体制運動にシンパシーを感じるという物語が登場します。 遅れて来た当事者ではない私でも確かなリアリティを感じますが、発表当時のまるごと体験した読者には、もっと切実な思いで読まれたことだと推測できます。 この小説が35年前に上梓されたとは信じられないほど、活き活きとした現代の息吹を感じられるけっして古びたところがまったくないのにはただただ驚くばかりですが、五木寛之はそういう稀有な作家です。 衝撃的といえば数ある五木寛之の小説の中でも『戒厳令の夜』や『ヒットラーの遺産』などは、それこそ重量級の、歴史の真っ只中へ裸足で飛び込んでいくような臨場感のある作品でした。 それはともかく、表題作「スペインの墓標」以下「優しい狼たち」「フィクサーの視界」「遥かなるカミニト」「グラスの舟」「夜のシンバル」という6本すべてが短編にしておくのがもったいなくぜひとも長編にと直訴したいくらい奥の深い物語ですが、主人公のラジオ局のプロデューサーやレーサーやCM製作者や映画監督は、単なるストーリーの中の当事者ではなく歴史に対峙して現代にすっくと立っているという感じが超格好いいのです。 レビュー登録日 2011年04月11日 推敲(更新)日 2012年10月1日
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6つの短編が収められてた。どれも、その作品が持つ時代を感じることができ、いかにも五木寛之さんだなと思った。
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