戸建て願望 の商品レビュー
やや、ヒステリックな調子で辟易するところも多し。自分たちだけが住みたい家ということ、そこには地域、風土、などが全く考慮されていない。だから文化論には遠く、どこまでも趣味の話ということになる。
Posted by
「みんなが持てる力を精いっぱい出し切って私の理想の家を建てました!」という感動ドキュメンタリー的締めで終わっていましたが、ウヘェとなりました。いろんな意味で。 まず、イギリスイギリスと、よくこんなに恥ずかしげもなく言えるなぁとビックリです。その礼賛の仕方が、ヒステリックで説得力...
「みんなが持てる力を精いっぱい出し切って私の理想の家を建てました!」という感動ドキュメンタリー的締めで終わっていましたが、ウヘェとなりました。いろんな意味で。 まず、イギリスイギリスと、よくこんなに恥ずかしげもなく言えるなぁとビックリです。その礼賛の仕方が、ヒステリックで説得力ゼロ。「anglophile」ってこの人のためにある言葉かと。 水木しげるさんの本に、「フランスフランス」と言いまくっている女の子に水木さんが「アンタうるさいよ」とキレたシーンがありましたが、最初の数ページでそれを思い出しました。 そして、出来上がった家を見て、ヒエェ!なんじゃこりゃーって感じです。あとがきに1999年と書いてあるので、当時はおしゃれだったのかもしれませんが、玄関ポーチの上の大文字「AND TEA ROOM」に失笑。 まあ上記は好みの問題なので良いとして、一番ウヘェと感じたのは、職人たちの保守性を批判的に書いていること。 新しい素材や手法を「自己責任」で取り入れるなら良いのですが、その一方で「家の保障は…」などと書いている部分もあり、実験的な手法を押しつけておきながら、最終的な安心感(何か問題があった時の保障)も得ようとしてるのに驚きです。(最終的には保障対象から外れた部分もあったようですが) 「驚くほど安く済んだ」ということを自慢するハウツー本はたくさんあって、それを読むといつも思うのですが、その「安く」のしわ寄せは、まじめな人たちがかぶるはめになるんだよなぁと思わずにはいられませんでした。 特に営業の「アマノさん」には本当に同情しました。 著者は彼に対して文句たらたら書いていましたが、そんなアマノさんは、自分の車に汚れた古材を載せるはめになったり、「安く仕上げるため」に、カーテンレールを取り付けさせられるはめになったり、挙句は家の窓枠に使う格安の古い木を探させられたり。すべては、「普通にオーダーすると高いから」という理由だけ。 アマノさんを使えばタダ。だって、約束してくれたもん!余分なお金はかからないって約束したよね!私の慾望はどんどん膨らんでいくけど、同時に膨らんでいく費用は私は払わなくていいって最初に確認しましたからね!なんとかしてくれるよね!ね!ね!という感じです。 本当に悲しくなりました。 人に押し付けずに自分で全部やるならいいんですけどねえ。
Posted by
人の力を借りて何かする時の心構えとして面白く読みました。 こちらの要求を一から十まで理解してくれる人なんて皆無。不満を抱えながらも信頼できる人を選んで、自分のしたいことを繰り返し示しながら完成系に近づけて行く。家じゃなくてもそうだよなと思った。 少しでも嫌な点が見えると完全に...
人の力を借りて何かする時の心構えとして面白く読みました。 こちらの要求を一から十まで理解してくれる人なんて皆無。不満を抱えながらも信頼できる人を選んで、自分のしたいことを繰り返し示しながら完成系に近づけて行く。家じゃなくてもそうだよなと思った。 少しでも嫌な点が見えると完全にリジェクトしてしまいがちな自分を振り返って少し反省しました。
Posted by
前に『老朽マンションの奇跡』という本のブクレポを書いた。それはマンションリフォームの本だったけど、こちらは新築一戸建ての本。こちらの方が書かれた時期は早い。どちらもイギリス風にこだわっている。どちらもいかに安く、理想の住まいを手に入れるかを綴った体験記。 情報収集と手間をか...
前に『老朽マンションの奇跡』という本のブクレポを書いた。それはマンションリフォームの本だったけど、こちらは新築一戸建ての本。こちらの方が書かれた時期は早い。どちらもイギリス風にこだわっている。どちらもいかに安く、理想の住まいを手に入れるかを綴った体験記。 情報収集と手間をかければ意外と費用って削れるんだね〜、と大変参考になる本だった。でもここまでやる人はいないだろうな、たぶん。 著者は個性的な住宅を作りたいのに、なぜか画一的な工法が得意な大手ハウスメーカーに発注する。その理由は営業マンが信頼できそうだったから。著者は個性的な住宅を多く手掛ける、規模の小さい工務店にも相談に行っている。でもなぜか信頼がおけなかった。それは専門的な知識を持っている工務店であるがために、逆にこちらの希望が聞き届けられないのではないかと不安になったから(ある程度はプロである私どもにお任せくださいといった雰囲気を感じたから) それよりは、大手ハウスメーカーの営業マンのほうがこちらの意向を聞いてくれそうに思った。 実際にはどちらのほうが良かったのかはわからない。やっぱりハウスメーカーのほうは融通が効かないし、その度に現場の人と衝突したり、コーディネーターと喧嘩している。営業マンも誠実な人ではあるけど、多数の物件を抱え、著者の物件にかかりきりになるわけにもいかないし。 これらの苦労は、もしかしたら断った小規模工務店に頼んでおけばなかったんじゃないの?と思えなくもない。 まあ、でも完成した家はハウスメーカーが建てたとは思えないような出来だし、著者も満足しているから結果として良かったのだろう。 この営業マンは『老朽マンションの奇跡』でも大活躍して、著者に様々なアドバイスをしてくる相談役になっているので、良い人間関係を築いたようだ。著者にとっては副次的にも良い選択だった。 家をつくるときには情報収集も大事だが、自分の性格もよく考慮しましょう、ということか。
Posted by
- 1