「できません」と云うな の商品レビュー
(2009/2/10) オムロン創業者、立石一真の伝記、である。 実に濃い内容で、一気に読みきってしまった。まさに全編プロジェクトX。常に仕事のことを考え、手を動かし、次々世の中のニーズに応える新しいものを生み出していく。そして零細企業から一代で大企業へと育て上げる。 オムロ...
(2009/2/10) オムロン創業者、立石一真の伝記、である。 実に濃い内容で、一気に読みきってしまった。まさに全編プロジェクトX。常に仕事のことを考え、手を動かし、次々世の中のニーズに応える新しいものを生み出していく。そして零細企業から一代で大企業へと育て上げる。 オムロン、立石電機の名前はもちろん知っていたが、こんなすごい創業者がいたとは知らなかった。パナソニックの松下幸之助、ソニーの盛田昭夫、ホンダの本多宗一郎、、、、、彼らと並んで、この立石一真氏も同時代の起業家といえよう。そのわりに、オムロンという立派な会社のわりに、先ほど取り上げた経営者ほどは有名ではない。企業規模がそうさせるのだろうか。この立石氏の持つ理念は、これら経営者を上回っているとさえ思える、今にも通用するものだ。それはオムロンの社訓にあられている。 社憲 われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう 最近作ったものではない。戦後の厳しい時代に、時代を先取りする形でこの文章を練り上げているのだ。志が高い。この社是があるために、採算度外視でサリドマイド児の義手を作成したり、身体障害者を労働者とした企業を作り、見事黒字化させたり、、、。熱い人なのだ。 彼の経営哲学は広くアメリカでも注目され、P.ドラッガーは古くからの知己であるし、われらが大前研一も30代マッキンゼーのころオムロンのコンサルを担当し、寝食を共にするまでの仲になっている。知らなかった。それくらい彼の考え方は周囲に影響を与える、すばらしいものであったということだろう。 奮い立たせてくれるような、素晴らしい書籍であった。 本が読めない方は、オムロンのHPを。創業者物語 とある。 http://www.omron.co.jp/about/corporate/history/founder/ オムロンの社名、京都の御室に工場があったことから商品名として付け、それが有名になり、立石電機から社名変更したそうだ。 そういえばもうひとつ一真氏の功績。 ベンチャーキャピタルにもなり、今の日本電産永守重信の支援をしたそうだ。当時社員数十名とか。 いい話だ。
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『「できません」と云うな』は、オムロン創業者である立石一真の言葉。立石電機の総帥として名前は聞いてゐましたが、かくもスゴイ人物であるとは、本書を読むまで知りませんでした。 「ズボン・プレス」に始まり、無接点スイッチ、マイクロスイッチ、電子信号機、自動食券販売機、駅の自動改札システ...
『「できません」と云うな』は、オムロン創業者である立石一真の言葉。立石電機の総帥として名前は聞いてゐましたが、かくもスゴイ人物であるとは、本書を読むまで知りませんでした。 「ズボン・プレス」に始まり、無接点スイッチ、マイクロスイッチ、電子信号機、自動食券販売機、駅の自動改札システム、電動義手、電子医療機器...大手でもまだやらなかつた事業を、まだ中小メーカーだつた立石電機が次々と実現してゆくさまは、感動すら覚えるのであります。 立石一真は、会社の利益を第一に考へなかつた。社会に貢献できる企業を目指したのであります。言うは易いが、中中難しい。大企業となつた会社が、利益を社会へ還元するといふケースと違ひます。倒産の危機も迎へるほどの中小メーカー時代からそれを実行してゐるのですから。 ゆゑに、どんな注文も断らなかつた。大手企業もまだ出来ないものでも、非常識なほど短い納期でも、まづは「やつてみませう」とばかりに引き受ける。お陰で技術陣は大変だつたらうが、その分鍛へられたことでせう。 松下幸之助や本田宗一郎に匹敵する技術系経営者と言はれますが、本書を読めばそれがすんなりと納得できるでせう。立石一真の生き方を多くの人に知らせたいといふ著者の望みを十二分に叶へる一冊と申せませう。 ぢや、さよなら。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-254.html
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以前カンブリア宮殿でオムロンの特集を見てからずっと気になっていた創業者立石一真氏の半生を書いた一冊。 より良い社会を作るという社憲を作った氏のベンチャー精神は並外れてたものがあり、卓越した先見性もさすがだと感じました。まだ、ATMが普及した時代にキャッシュレスの構想を抱いていた...
以前カンブリア宮殿でオムロンの特集を見てからずっと気になっていた創業者立石一真氏の半生を書いた一冊。 より良い社会を作るという社憲を作った氏のベンチャー精神は並外れてたものがあり、卓越した先見性もさすがだと感じました。まだ、ATMが普及した時代にキャッシュレスの構想を抱いていたことには驚きました。 交通管制システムや自動改札など今の生活にとってなくてはならないシステムを開発するだけでなく、障害者雇用にも積極的に取り組まれた姿勢も日本を代表する経営者といって間違いないと感じました。 ドラッカーや大前研一氏といった著名な経済人とも交流が深く、氏自身も色々な経済団体で活動されていました。 本当に生活が一変するための経営に対する姿勢や考えが本書を読んで氏から学べた一冊でした。
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ドラッカーも絶賛した日本人経営者・オムロン創業者立石一真の一代記。 社長が「できませんと言うな」と叱咤激励を飛ばし、社員を引っ張っていく話かと思えば、社員全体で「出来ないことはない」という気持ちになり困難をどんどん越えていくと言うチーム作りが凄い。 時代も違うとは思うが、「休...
ドラッカーも絶賛した日本人経営者・オムロン創業者立石一真の一代記。 社長が「できませんと言うな」と叱咤激励を飛ばし、社員を引っ張っていく話かと思えば、社員全体で「出来ないことはない」という気持ちになり困難をどんどん越えていくと言うチーム作りが凄い。 時代も違うとは思うが、「休日返上は当たり前、時間外など気ににたことがない、休日返上して研究や開発に明け暮れた。責任を持たされ、大きな仕事を任されているだけにやりがいもあったし、面白かった。」 というエピソードに昭和初期の日本を良くしていくエネルギーを感じ、また最近の「大物居ない論」も頭によぎる。現代では、悪い物を排除するため、規制・コンプライアンスなどで自由度が無くなり、結果突出した人物も出にくいのではと。価値観の多様化も現代人が迷い、ブレ易い一因か。 以下覚えておきたい点 驚いたエピソード。開発担当者に向かって「国鉄さんに『それなら立石にあるから見においで下さい』と言ってきた。三日後には見に来るから、頼むで」「そんな機会どこにありますんや」三日で完成させろと言う意味だった。当時の立石電機は、研究陣も販売陣も怖いものなしで、顧客からなにか要望があれば「それならできます」と引き受け、すぐに開発指令をだした。 立石電機が開発した鉄道駅の自動改札システムは、世界中で利用されているインフラとなり、人類社会に貢献したことが認められた。 一真は立石電機の技術を健康にも生かしたいと考え「現代人の最大の悩みである『不治の病気』を治す機械と施設の製造販売をやる。我々がこの新しい仕事に成功することは、最大の社会奉仕であり、またこれをなしうる実力を、経験と技術と資本の蓄積で持っていると信じる」と健康工学に乗り出していく。 「最もよく人を幸福にする人が、最もよく幸福になる」
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立石一真氏のことは知らなかったが、タイトル「「できません」と云うな」 に惹かれて読んでみた。すごい!だけでなく、最後は感動した。
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オムロン創業者の立石一真を、彼の死後感銘を受け著者が調査して記したもの 幾多の苦難を乗り越えて、ここまで幅広い分野に展開してきたことがよく理解できる 経営者の最も重要な仕事は、「未来の新しいマーケットを開発することである」というのが一番残った これは新しい発見ではないが、腹に落ち...
オムロン創業者の立石一真を、彼の死後感銘を受け著者が調査して記したもの 幾多の苦難を乗り越えて、ここまで幅広い分野に展開してきたことがよく理解できる 経営者の最も重要な仕事は、「未来の新しいマーケットを開発することである」というのが一番残った これは新しい発見ではないが、腹に落ちるか、落ちないか、腹を決めるか、決めないかだと再認識 このようなベンチャースピリットで未来を創造する活動が、モジュラー社会だからこそものづくりにとらわれず、必要だと感じた 単に読み物としても大変面白い
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立石一真という経営者を知らなかったが、この本を読めば読むほど、ベンチャーの頃のオムロンの経営方針曲げてはならない理念、決断すべきときのスピードなどを理解することができた。迷ったときにはまた、読み直したい。 とくに、時期に応じた組織のあり方、必要な役割の配分などは参考になる。
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日本人として、立石一真という経営者を 知っておかなければならないと思う。 仕事に対する姿勢、 先を見通す力、 物事のとらえ方、考え方、 立石氏の生きた人生そのものが 我々の教材となる。 本当にいい本を読んだと思う。
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オムロン創業者:立石一真(かずま)氏の物語。 立石氏が類まれなる傑出した経営者であったことがわかる。立石一真・オムロンの成長の軌跡というより、経営者としての心得を学ぶ本である。 ドラッカーが絶賛した日本の経営者、社会が頼りにした経営者とはいったいどういった経営者であったのか、読ん...
オムロン創業者:立石一真(かずま)氏の物語。 立石氏が類まれなる傑出した経営者であったことがわかる。立石一真・オムロンの成長の軌跡というより、経営者としての心得を学ぶ本である。 ドラッカーが絶賛した日本の経営者、社会が頼りにした経営者とはいったいどういった経営者であったのか、読んで感動した。
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松下幸之助・盛田昭夫に匹敵する経営者 これはオムロンの創業者の立石一真氏の伝記ものである。 オムロンという会社は知ってはいたものの、創業者がこれほどの人物だったとは。 なんせ、大前研一が「松下幸之助・盛田昭夫に匹敵する経営者」と言うほどなのだ。 しかも読んでみると、うちの社...
松下幸之助・盛田昭夫に匹敵する経営者 これはオムロンの創業者の立石一真氏の伝記ものである。 オムロンという会社は知ってはいたものの、創業者がこれほどの人物だったとは。 なんせ、大前研一が「松下幸之助・盛田昭夫に匹敵する経営者」と言うほどなのだ。 しかも読んでみると、うちの社長と共通点の多いこと! 社会のためになることを社憲としたこと。 営業を重視すること。 いくつになっても陣頭指揮を執ること。 仕事のことを語りだすと止まらないこと。 部下をとんでもなく怒鳴りつけること。 社員をねぎらうときにうな重をふるまうこと。 九州出身であること。 再婚していること。。。 それと、もうひとつ思ったこと。 いまの時代の「苦労」は、当時の「苦労」に比べると、本当に軽いもんだ、ということである。
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