心に狂いが生じるとき の商品レビュー
精神疾患や司法精神医学的問題に対してノンフィクションでありながらただ悲惨な事実を悲劇的に描くのでなく、淡々と且つ人間の生きていこうとする力の存在を裏に小話などはさみつつ途中で読むのを躊躇うこと無く読めるよい本であった
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主要な精神疾患の症例の紹介と解説。 岩波氏の本がより多く読まれれば精神病患者について過剰な恐怖も不当な差別も減ってゆくと思う。 他の本でも指摘されているが、日本で司法精神医学の専門家がいないのは大きい問題。
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岩波明の心に狂いが生じるときを読みました。精神科医の症例報告という副題のついた、精神疾患の症例の解説でした。依存症、統合失調症、摂食障害、精神病質(サイコパス)、アルツハイマー病、うつ病、強迫神経症、といった各種の精神疾患の症例が解説されています。また、裁判員制度が導入された時に...
岩波明の心に狂いが生じるときを読みました。精神科医の症例報告という副題のついた、精神疾患の症例の解説でした。依存症、統合失調症、摂食障害、精神病質(サイコパス)、アルツハイマー病、うつ病、強迫神経症、といった各種の精神疾患の症例が解説されています。また、裁判員制度が導入された時に話題となった精神鑑定の質の問題、司法と精神鑑定の関連についても解説されています。このレポートを読んで、konnokが一番気になったのは、うつ病とそれに起因する自殺が最近増加の傾向にあるという指摘でした。日本の社会は異端となることを許容しない社会である。取り残され、落ちこぼれていく人々に対して日本の社会はなかなか救いの手をさしのべない。終身雇用制が崩壊して雇用の安定性が失われた上、成果主義の名の下に過重な労働を強いられる状況になっている。このことが過重なストレスからくるうつ病を増加させている、という主張は考えさせられました。
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淡々とした本当の精神病の症例報告。アルコール依存症、脳の異常による精神病、アルツハイマー…。今流行りの鬱ではない、本当の精神の狂い。 表題と内容が違っておらず、本としてシンプルで好感がもてた。 「正常」と「異常」の境目は、なんて強固で、また曖昧なのか。 精神病の症例をなぞっ...
淡々とした本当の精神病の症例報告。アルコール依存症、脳の異常による精神病、アルツハイマー…。今流行りの鬱ではない、本当の精神の狂い。 表題と内容が違っておらず、本としてシンプルで好感がもてた。 「正常」と「異常」の境目は、なんて強固で、また曖昧なのか。 精神病の症例をなぞって、色々な想いが過ぎる。精神病の患者にとっては、家族に見放されたら、きっと最後だ。でも、家族だからこそ、狂ったときの理解は難しいのでは。 また、看護の難しさ。 そして、現代日本の定義している「正常」は潔癖過ぎるのではないかということ。色々な人に出会う職場だが、「どうしてこんな人が…」と思う人が普通に仕事している。それが現実。でも、日本人の意識では、「正常」なことは絶対譲れないこととして考えている。現実と認識のズレがあるから、本当の対応ができなくて、皆苦しんでいる。
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なんとなくあたらしいなと思った部分は患者さんの過去にあまり触れずに淡々と描かれていくこと。(内因性のエピソードが多いからか?) 精神鑑定については、わたしはこの人とは全く反対の意味の疑問を持っていた。 なんかこの人の本のタイトルってミステリっぽくてちょっといや。
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精神の病が 胃癌などと同じく とても身近なものだということを再認識する。 症例が載っている。 淡々と見過ごしてしまいそうだけれど、心の病は 見えない。 だが、この本を読んでいると 一見 寝ているだけのように見える怠惰な行動が 心の葛藤の末なのだとわかる。 うつ病の...
精神の病が 胃癌などと同じく とても身近なものだということを再認識する。 症例が載っている。 淡々と見過ごしてしまいそうだけれど、心の病は 見えない。 だが、この本を読んでいると 一見 寝ているだけのように見える怠惰な行動が 心の葛藤の末なのだとわかる。 うつ病の章は ほかの章より力が入っていると感じたのは私だけだろうか。 うつ病は 日本の社会が 寛容でないから、一度外れた道にドロップアウトすると もう道の中央では歩けない 息苦しさ。 ちょっと違う意見や 生き方を寛容する社会であってほしい。
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