海賊の経済学 の商品レビュー
※読了前に図書館への返却日が来てしまったので暫定レビュー。 ならず者の代表格のように描かれることの多い「海賊」。実は彼らは、近代民主主義の発生より先に民主主義を実現し、また共産主義の発生より早くしかも効果的に平等な経済を成し得ていた。 と聞くと、意外ですよね。ワシは意外でした...
※読了前に図書館への返却日が来てしまったので暫定レビュー。 ならず者の代表格のように描かれることの多い「海賊」。実は彼らは、近代民主主義の発生より先に民主主義を実現し、また共産主義の発生より早くしかも効果的に平等な経済を成し得ていた。 と聞くと、意外ですよね。ワシは意外でした。が、読んでみて得心。なるほど、政府からはつまはじきにされて、捕まれば極刑となる彼らは、それぞれが「生き延びるために効果的な」コミュニティを作る必要があり、それが結果、民主主義と平等な経済を作り得た、という。 故に彼らは、無駄な殺生もしません。それが「非効率的」だからです。極端に言えば、ある意味で徹底した生存のための戦略を突き詰めた結果、「海賊民主主義」とも言える統治方法と社会との接触方法を産み出した、と言えるのでしょう。 そのように、海賊を経済的、あるいは政治学と言って正しいか分かりませんが「海賊社会の統治」という観点から様々に分析しており、歴史の振り返りとしても楽しめます。まだ半分しか読んでいないので、改めて読了後にレビューしてみたいと思います。
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●内容 ・右腕に需要供給曲線の刺青をした、変人経済学者による海賊論。 ・経済学を分析ツールに、海賊の残虐イメージの背後に潜む合理性に迫る。 ・海賊の変わった行動は、かれらが活動していた風変わりな経済環境に対する合理的な対応として生じたもの。その環境が、変わった費用や便益をもた...
●内容 ・右腕に需要供給曲線の刺青をした、変人経済学者による海賊論。 ・経済学を分析ツールに、海賊の残虐イメージの背後に潜む合理性に迫る。 ・海賊の変わった行動は、かれらが活動していた風変わりな経済環境に対する合理的な対応として生じたもの。その環境が、変わった費用や便益をもたらした。 ●感想 ・海賊と大手企業の類似性への指摘が見事。 イメージを確立し、自分たちの意に沿わない振る舞いのコストを引き上げ、獲物を望ましい行動へ誘導する。 ・企業ならイメージ宣伝→期間限定の値引き(「いま買う」のに比べて、「いつか買う」コストが高まる)→客による購入、事業の成功! ・同じ構造が海賊にも見られ、「捕虜を拷問する無法集団」イメージの確立→獲物は素直に財産を差し出す→海賊事業の成功! ●これやってみよう ・イメージ戦略。 たとえばブクログに入れる本を選抜すれば、「自分が何者か」のイメージをある程度管理できそう。
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海賊は利潤追求をした結果、自然と合理的なっていき、それが多くの良い結果を生み出したという話。映画に出てくる海賊のイメージが見事に打ち砕かれてしまった。
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海賊には海賊の厳しい規律があることを体系的に理解出来る、斬新な切り口の作品。 体系的に理解すべき対象では無いかもしれないが、非常に好奇心を刺激するテーマだった。 どんな組織にも、規律は必要なんだな〜、と改めて認識させられた。 その規律が荒くれ者らしいトリガーなのだが、理に叶ってい...
海賊には海賊の厳しい規律があることを体系的に理解出来る、斬新な切り口の作品。 体系的に理解すべき対象では無いかもしれないが、非常に好奇心を刺激するテーマだった。 どんな組織にも、規律は必要なんだな〜、と改めて認識させられた。 その規律が荒くれ者らしいトリガーなのだが、理に叶っているところが面白いポイントだった。
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海賊という非合理性の極地ともみえる組織が、実は経済学の見地からすれば合理的な形態をとっていたという分析の本。面白い見識で読む価値はあるが、一見ミスマッチな二点の結びつけという部分だけで読み進めるのはちと辛かった。
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【読書】海賊は不思議と人気がある。ハリウッド映画のパイレーツオブカリビアン、漫画のONE PIECE。果てのない海を舞台に夢を追いかける姿に憧れを感じるのだろうか。そんな海賊を経済学的に分析した衝撃の本。自分の今までの海賊像が一変するほど、本当に面白く引き込まれる本であった。海賊...
【読書】海賊は不思議と人気がある。ハリウッド映画のパイレーツオブカリビアン、漫画のONE PIECE。果てのない海を舞台に夢を追いかける姿に憧れを感じるのだろうか。そんな海賊を経済学的に分析した衝撃の本。自分の今までの海賊像が一変するほど、本当に面白く引き込まれる本であった。海賊を経済学的に分析するなんで今まで誰も考えないだろう。それも利己的な利潤追求と合理性という、非常にシンプルな経済学初歩の前提だけで分析している。ちなみに本書のサブタイトルの「見えないフック」とは、アダムスミスの神の見えざる手を海賊版にもじって、フックにしたもの。なんともユーモアが効いている。貪欲な犯罪集団である海賊が実は異様に先進的な民主主義的な統治方法を確立していたり、労災制度の走りのような補償制度を構築していたりと、現代においてもと注目すべき点は多い。この本を読んでONE PIECEを改めて読み直そうかと思った今日こののごろであった。
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最近の経済学は、進化論と同じで何でも説明できるロジックという気がします。それがいいとか悪いとかじゃあないけど。それでこの本は、海賊にもある程度詳しくなれて、あとは経済学の最近のバズワードがもう一度海賊的見地から見直すことができます。という本です。海賊船は、自律していて、海を回って...
最近の経済学は、進化論と同じで何でも説明できるロジックという気がします。それがいいとか悪いとかじゃあないけど。それでこの本は、海賊にもある程度詳しくなれて、あとは経済学の最近のバズワードがもう一度海賊的見地から見直すことができます。という本です。海賊船は、自律していて、海を回っていれば採取できる貨物船がいくらでもいたので受け取るエネルギーがかなり高く、その二つの点から海賊船内のエントロピーをかなり高くすることができたのだろうと考えます。高いエントロピーが、この、海賊の、時に理念側に振れたように見える自発的な方針を生み出したのでしょう。よくわからないけど。核をやめて、低いエントロピーで暮らしていく地球は、どうなっていくのだろうね。
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「住み開き」のアサダワタルさんのガレージオフィスに伺った時に見つけて登録しました。アサダさんもブクログのシステムに関心してくれて、「まちライブラリー」の展開に議論が盛り上がりました。海賊の経済学は、中身をみていないのでなんとも言えませんが、そそりますね。
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2011年41冊目 ある海賊マンガやある海賊映画に出てくるキャラクターの元になっているだろう海賊がちらほら出てくるのが楽しい。
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比較的大きい字で小難しい専門書とは違い、読みやすくなってるしわかりやすい。 なので面白く見れる。(興味があればですが) 中世後期の大航海時代後半18世紀頃のお話ですよ 読んだ感想はというと ほほーなるほどねー です。 合理的に最大限の利益を得るためなら民主主義的に皆で掟も作る...
比較的大きい字で小難しい専門書とは違い、読みやすくなってるしわかりやすい。 なので面白く見れる。(興味があればですが) 中世後期の大航海時代後半18世紀頃のお話ですよ 読んだ感想はというと ほほーなるほどねー です。 合理的に最大限の利益を得るためなら民主主義的に皆で掟も作るしそれに従いますぜ といった感じかね。 興味のある人だけが読むという、読む人を選ぶと思いますが それなりに面白かったです。
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