ものかげのイリス(1) の商品レビュー
三方向の嫉妬が辿り着く先は
『イリス』とは虹のことらしい。つまり、ものかげの虹。この虹が何を意味するのか。導入部たる冒頭のカラー頁がこの答えを鮮烈に教えてくれる。作者らしさの中に様々な色合いを見せる作品である。 利也:受験生の主人公。真面目な優等生。利也の心情の変化が本作の根幹を成すようである 七彩...
『イリス』とは虹のことらしい。つまり、ものかげの虹。この虹が何を意味するのか。導入部たる冒頭のカラー頁がこの答えを鮮烈に教えてくれる。作者らしさの中に様々な色合いを見せる作品である。 利也:受験生の主人公。真面目な優等生。利也の心情の変化が本作の根幹を成すようである 七彩:妖艶な熟女。夫あり。現状では本作のキーパーソン。やや露出癖あり。利也と劇的な出会いを果たす 母:今のところ名前は出てこないが「主任」と呼ぶ男がいる40歳の総合職。利也と2人暮らし 真希:利也の後輩で交際相手。可愛い妹的従順さがあると思っていた利也に「女」の別の一面を見せる 七彩との不思議な出会いから、その心の奥底を見透かされたように誘われて“初体験”させられた利也の独白を軸に物語が進む。基本にあるのはチェリー(子供)だった頃とは異なる“子供ではない”利也の変化と、その周りの人物達の変化であろう。敢えて“子供ではない”としたのは、まだ分別ある大人でもないからである。大人になったような気でいながらまだ全然大人になっていない幼さも垣間見せる利也の心情が、彼を取り巻く女性陣の変化を通じて描かれていく。変化とは、要するに嫉妬、その要因である。知らないところで別の男とデキていた「女」達の淫らな一面。それまで「母」だった人が、妹のような「彼女」だった人が、それぞれ異なる経緯で「女」の側面を見せ始め、「女」になっていく。これに対抗する術の無い利也はオロオロするばかりだが、ここで母と同年齢の七彩が「利也も同じことをしていないか?」と暗に知らしめる件があり、これが本作のテーマなのだろうと読み手にも知らせる構図になっている。欲望という名の罪深き人の業を抉るように盛り込む作者らしい作風と言える。 『イリス』とは虹のことであるのと同時に虹の女神様のことでもあるらしい。七彩、母、真希の三者三様の思惑と、それぞれへの利也の想い。これらが濃密に交錯し絡み合っていく展開が今後予想される。今のところ『虹の女神』役は七彩が果たすようにも見えるが、この作者は時に意外な方向に終着点を持っていくことがある。まだ分からない。 相変わらず熟女感たっぷりな肢体描写で濃厚な官能シーンが描かれているが、まだ序盤ということもあって過度に激しいものでもない。それでも素敵過ぎるシチュエーションがいやらしさを増幅させている。
DSK
久しぶりに『背徳』とい単語を感じました。 主人公のモノローグが漫画というよりは小説、それも純文学調なのが更に背徳感を煽ります。 トキメキとは違うドキドキと、危うい事に手を出しているドキドキと、自分が追い詰められていくドキドキ。 これがまだ始まりとか・・・・!どう展開してい...
久しぶりに『背徳』とい単語を感じました。 主人公のモノローグが漫画というよりは小説、それも純文学調なのが更に背徳感を煽ります。 トキメキとは違うドキドキと、危うい事に手を出しているドキドキと、自分が追い詰められていくドキドキ。 これがまだ始まりとか・・・・!どう展開していくのか気になります。 あ、ちなみに。 本屋さんで普通に平積みにされていましたが、性描写とかありありなので注意です。
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