何にもしないで生きていらんねぇ の商品レビュー
素直な気持ち、かっこ悪さかっこよさ好き嫌い苦悩楽しみ仲間。さまざまな素直な気持ちと独特の音楽レビュー。 94ページ もはやテレビ全体が何かしら隠された意味を持った政府広報にしか見えない。というか、僕はもう、そんなテレビをそんなふうにしか見られなくなってしまった。逆に言えば、テレビ...
素直な気持ち、かっこ悪さかっこよさ好き嫌い苦悩楽しみ仲間。さまざまな素直な気持ちと独特の音楽レビュー。 94ページ もはやテレビ全体が何かしら隠された意味を持った政府広報にしか見えない。というか、僕はもう、そんなテレビをそんなふうにしか見られなくなってしまった。逆に言えば、テレビを見ていると、権力が何をしたいのか、実によくわかる。その手に乗るもんかと思うのである。 2000年に書かれた村八分のCDレビューの最後の文章。2000年でこれだから今やもはや惨憺たる日本のテレビやメディアの状況。 音楽雑感やどんなふうに聞いたか聞かなかったか、そしてその頃の、また、書いてる今の世相。彼ならではの鋭くとんがった、でも心優しいところもあり必死に抗う必死になにか探してる心情がこのように文章から滲み出てくる、さすがのラッパーである。と感心。 聞かなかった音楽、バンドの吐露がなかなか面白い。 記憶の本棚50冊のブックリストがとてもよい。 2005年に書かれた、落書きされた壁は呼吸しているという文章。 僕は、街全体が商品と化してしまった今の渋谷から取り残されたように、落書きだらけでホームレスがテントを張る今の宮下公園が好きだ。 子どもが生まれたりして、あと10年後も、からだ故障しないでと願い、この本は2011年に出版され、 2018年に亡くなってしまった。 集会をしたりおっちゃんたちが暮らしていたりぼんやりサンドイッチ食べて休憩していた当たり前の、公共空間である宮下公園がナイキという一企業にいつのまにか売り渡されそしてミヤシタパークなる悪夢そのものがその頃から着工された。センチメンタルな気持ちとか懐古とかではない。時代を生きる、街を生きるとかそんな陳腐でもない。けど金に支配され経済に支配され、彼のようにブレたりブレなかったりブレることにブレなかったり、でも金や地位や名声や過去のすごいライブとか関係なく、なんかこんな言い方そのものも陳腐だけど、自由。不自由だけど自由。貧困だけど反貧困とは折り合わない。 灰野さんは50才に50代になっらもう悪いことはおこらないよと彼に言った。 彼は革命後の幸福を信じていた、いや信じる瞬間を持つこと感じること見ることができる人だったから、灰野さんのことばも信じていたしそれは本当のことだったと思う。そう思うと哀しいけど、世の中は、ミヤシタのようにどんどん歪んでどんどん悪くなっていったから、そんな悪夢のような現実を見続けていたらまた悪いことが起こったかもしれない。凡人はそのように逃避と迂回を考えてしまうものだ。
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スターリン、村八分、ブラックサバス。日本のパンクシーンから、英国はへヴィメタルの始祖、広範すぎる音楽的バックボーンを持つ、1960年生まれのヒップホッパーの、明け透けな軌道。 マリファナからコカインまで。印税収入からアル中まで。 でも最後は当然のように音楽に帰ってくる。そうい...
スターリン、村八分、ブラックサバス。日本のパンクシーンから、英国はへヴィメタルの始祖、広範すぎる音楽的バックボーンを持つ、1960年生まれのヒップホッパーの、明け透けな軌道。 マリファナからコカインまで。印税収入からアル中まで。 でも最後は当然のように音楽に帰ってくる。そういう人相が思い切り出ている表紙に、食指は躊躇わなかった。 「落書きされた壁は、呼吸している。」そんなこと当たり前に言ってくれるミュージシャンはどれくらいいるだろう。
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2011.10.6 図書館 表紙の写真がとてもいい。様々な苦労を重ねてきた上での諦観とも希望ともとれる表情。ずっと見てると泣きそうです。写真家の奥さんが撮ってるんですね。納得。文章も何て言うか強いです。
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石田さん50歳。パンクとヒップホップと生活。元アル中として、ストリートの思想家として、ラッパーとして。心を打たれる本。書評やレコード評もあり読み応え十分。
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