知識人とファシズム の商品レビュー
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笠信太郎、蝋山政道、三木清に焦点を当て、旧来の政治経済体制に対する「ラディカルな挑戦」を浮彫りにする。知識人とファシズムの親和性の両義性は、現代の起源ともいえる1930年代の時代認識を新たにする。その蹉跌は現代の課題でもある。
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「昭和研究会」に参画し、近衛新体制のブレーンとして活躍した蝋山政道、笠進太郎、三木清という3人の知識人の昭和戦前期における思想の変遷をたどった好著。彼らはいかにして西欧思想のファシズムに接近し、それを自らの「協同体主義」に取り入れていったのか。著者は、1920年代から30年代にか...
「昭和研究会」に参画し、近衛新体制のブレーンとして活躍した蝋山政道、笠進太郎、三木清という3人の知識人の昭和戦前期における思想の変遷をたどった好著。彼らはいかにして西欧思想のファシズムに接近し、それを自らの「協同体主義」に取り入れていったのか。著者は、1920年代から30年代にかけてのこの時代は、彼ら知識人にとって決して「暗い谷間の時代」ではなく、自らの思想を政治的に実現するチャンスのあった好機であったと喝破する。新官僚らと結びつきながら、やがて近衛新体制運動が挫折するまでを描く。翻訳者の竹内洋氏の「解題」も読み応えがある。やや新官僚側の視点が薄いが、テーマから言っていたしかたなし。
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