NHKスペシャル 自動車革命 の商品レビュー
本書ほ自動車の観点から取材されているが、他の分野でも同様の変化が起こっているのだろう。 そしきの壁を越えて、結束できるか、儲ける仕組みをいかに作るか、がカギであり、それらは残念ながら日本人が苦手とするところなのだろう。
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中国のパワーを痛感。日本の技術者の誠実さが描き出される一方、それでいいのかとつきつける。技術者、ものづくりの精神が伝わってくると同時に、課題をつきつける内容だった。
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NHK取材班著「自動車革命」NHK出版(2011) IT技術の発展により今の世の中、非常に速い速度で変化していっている。今、我々が目の当たりにしている様々な分野の激変は、大きく言うとつながっているように感じる。長年多くの人々、あるいは人類が常識としてきたこと、そうする事が正しい...
NHK取材班著「自動車革命」NHK出版(2011) IT技術の発展により今の世の中、非常に速い速度で変化していっている。今、我々が目の当たりにしている様々な分野の激変は、大きく言うとつながっているように感じる。長年多くの人々、あるいは人類が常識としてきたこと、そうする事が正しいのだと信じてきた事を根本から買え、新しいものを築かないといけない大きな時代の説目が訪れているように思える。政治や社会の仕組み、経済、エネルギーまで。いったん染み付いた常識を取り払う事は難しいが、電気自動車が普及するには必要なことだと個人的に考えている。 *リチウムイオン電池は、リチウムという元素にコバルトやマンガン、ニッケルなどを加えて作った酸化物を正極とし、炭素などを負極とする。正極のリチウム化合物がある組み合わせになると、ミルフィーユのような層状の構造のなかに、+の電荷をひとつ持ったリチウムイオンがいくつも挟まった形ができる。そこに電圧をかけるとそのリチウムイオンが自分の直径よりも狭い隙間をすり抜けるように動き、層の外に飛び出す。中国では、まったく異なる方式をとってる。正極をつくるときリチウムに加える金属として日本が通常使うコバルトやマンガンなどではなく、鉄を使い、そこにリン酸を加えたリン酸鉄という物質を用いる。そうするとためられるエネルギーの量は少なくなるが、かわりに安全性が非常に高くなる。 *トヨタ自動車にとって問題の本質は、ハイブリッドに傾斜しすぎたという事です。完全電気自動車にすべきでした。10年後、現在を振り返ったとき「なぜ、重複したシステムのハイブリッド車をかったのだろう、ガソリンとモーターがとなりあわせになって、ガソリンタンクと電池がある。」これは効率的ではない。完全電気自動車への行こうは急速におこると思います。 *日本のハイブリッドはガソリンエンジンと電気モーターを絶妙に組み合わせている。その制御は複雑で他の追随を許さない。一方、アメリカのハイブリッドは組み合わせていない。推進力はモーターだけの、実質電気自動車。しかし、今の所積んでいる蓄電池の能力の都合で思った航続距離を確保できないという課題がある。その課題にシンプルに答えている。走っている間に電気が足りなくなったら補充できるよう発電機をつむ。その発電機がガソリンエンジンというだけのこと.蓄電池のためられる電気が飛躍的にのびれば発電機をおろせばよい。
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最近は時間を確保できなくて「NHKスペシャル」を見ていませんが、2年ほど前に「電気自動車」の未来について特集を組んだ時の内容が本になったようです。 中国の自動車販売台数は、現在の不況をものともせず伸び続けていますが、特に、中国内陸部での完全電気自動車が伸びるかもしれないという...
最近は時間を確保できなくて「NHKスペシャル」を見ていませんが、2年ほど前に「電気自動車」の未来について特集を組んだ時の内容が本になったようです。 中国の自動車販売台数は、現在の不況をものともせず伸び続けていますが、特に、中国内陸部での完全電気自動車が伸びるかもしれないという内容(p31)には驚きました。 数十年前は、自動車を持つことは一種のステイタスでしたが、現在では本当に便利で必要な車は何かと考えたら、走行距離の短いと叩かれている電気自動車なのかもしれません。 日本での電気自動車の普及は、政府の判断ひとつかもしれません、でも昨今「節電」環境では難しいかもしれませんね。 以下は気になったポイントです。 ・倒産前のGMの車の売り方は、リーマンショックを引き起こした元凶とされる「サブプライムローン」と同じ構図であった、でたらめなローンを組ませた後にその借用書をもとに金融工学を駆使して金融商品として売り出した(p23) ・中国は政策として電気料金を低く抑えているので、電気自動車の燃料代は負担にならない、むしろガソリンスタンドがないので、ガソリンは不便(p31) ・山東宝雅の夢は電気自動車を欧州で売ることであったが、スペインの交通局が認可した(p39) ・日産のゴーン社長は大胆な事業の整理を行ったが、電気自動車は切り詰めなかった、リチウムイオン電池もNECと共同で独自開発した(p45) ・BYDは投資家のウォーレンバフェットが投資したことで評価が上がっている(p49) ・中国のレアアースが埋蔵量では圧倒的でないにも拘らず産出でほぼ独占しているのは、価格競争をしかけて各国の鉱山を閉山に追い込んできたから(p55) ・アプテラモーターズが目指すのは「脱自動車」、デザインと環境技術のコンセプトしか手掛けず、部品会社のピラミッドが無い、これは電気自動車だから可能なこと(p74) ・フィスカーは100%電気にこだわらずに、プラグインハイブリッドにしたが、車の動力はモータのみ、ガソリンエンジン(GM製)は充電機として積むので、電気がなくなるとエンジンを回して発電する(p75) ・アメリカエネルギー省から電気自動車を作るメーカとして補助金をもらっているメーカとして、日産、テスラ、フィスカーがある(p79) ・自動車が電気で動くようになって、家庭やその他の電源とコンセントでつながる存在になるということは、自動車の独立を奪うことになる(p82) ・各家庭の洗濯機やエアコン、さらには電気自動車に信号を送って操っていくのが、スマートグリッドを使うことで、グーグルが取り組んでいる(p83) ・ロンドンでは町の中心部にガソリン車が侵入することに制限を設けて、電気自動車の駐車料金もゼロと、環境整備に力を入れている(p87) ・中国の現場で最も貢献していることは、リチウムイオン電池の製造方法もさることながら、正極材をつくるのにどんな工作機械を入れるかのアドバイス(p105) ・中国での電池をとりまく道路環境は悪く、悪路や気温変化(ヒマラヤでは低温、砂漠では高温)があり、それを完成させれば世界標準になる(p110) ・電池の製造方法はわからないが、その使われる条件は、本田とトヨタにしかそのノウハウは無い、10年以上の経験がある(p139) ・トヨタショックでかけられた嫌疑は、1年後の2011年2月に「シロ」と判定されたが、その間に失ったものは限りなく大きい(p171) ・アメリカの中国は、リチウムイオン電池の正極に加える金属として、コバルトやマンガンではなく、鉄を使って、それにリン酸を加える方式で連携している、性能(蓄電量)は低いが安全性が高い(p175) ・アメリカで稼ぎ、アジアではそれなりに稼ぐという自動車メーカのビジネスモデルが大きく変わろうとしている、価格の低いクルマでも儲かるようにするためにする必要がある(p215) 2011/6/12作成
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本書は、NHKスペシャルの「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」と「次世代カー 電池をめぐる闘い」の内容を中心にまとめた取材記。 本書を読んで、真っ先に感じたことは、中国を始めとする国々のベンチャー電気自動車メーカーの勢いのすごさだ。 電気自動車はこれまでのガソリン自動車...
本書は、NHKスペシャルの「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」と「次世代カー 電池をめぐる闘い」の内容を中心にまとめた取材記。 本書を読んで、真っ先に感じたことは、中国を始めとする国々のベンチャー電気自動車メーカーの勢いのすごさだ。 電気自動車はこれまでのガソリン自動車とは違い、構造もシンプルで部品数も少ない。 さらに、中国は国家規模で電気自動車産業を後押ししている。 これらの理由から、中国では今や何百という数のベンチャー電気自動車メーカーが生まれている。 その中で、特に注目すべきは、BYDと山東宝雅電気自動車とEモーター。 元々リチウムイオン電池メーカーだったBYDは2009年の上海モーターショーで航続距離300キロの電気自動車を発表した。これは当時の電気自動車の中では一番の航続距離だ。 また、山東宝雅電気自動車はすでに電気自動車の量産に成功し、中国国内だけではなく、アメリカやヨーロッパや南米にも輸出している。 さらに、中国国内で電気バスを生産し、成長の著しいEモーターは今後乗用車の生産を開始する。 当然これらの会社が造る電気自動車は、まだまだ自動車として完成度が高いとは言えない。 しかし、これらの会社が販売する電気自動車は非常に安価である。 本書では、中国メーカのみでなく、ホンダの自動車用電池の開発現場も取材している。 中国メーカは何百キロもの電池を裸で積んだ電気自動車を造る。 一方、ホンダは市場での不具合を避けるために、市場で起こりえる最悪条件での電池実験を繰り返えす。そこには未だに多くの課題が残されており、ホンダのエンジニア達を悩ませている。 その課題を一つ一つクリアしなければ、当然商品にはならない。 しかし、多くの中国メーカの躍進からわかることは、中国を始めとする新興国市場は、完成度の高い電気自動車を求めているわけではないということ。 ランニングコストも含めて安い電気自動車が求められているのだ。 そもそも電気自動車を実現させた一番の立役者のリチウムイオン電池は、日本の技術者たちがその粘り強さときめ細やかさでやっと手にした「お家芸」だった。 しかし、その「キモの技術」はブラックボックスとして守られることなく、特許という形で公開された。 これが、中国メーカの躍進を後押しした。 今後、日本の自動車メーカの座を脅かすような中国メーカが現われることは間違いない。 その時、日本の自動車メーカはどうするか。 日本はどうするのか。 これは間違いなく、今自動車メーカで働く僕らが考えなければならないことだ。 日本の自動車メーカの社員として、今後何をするべきなのか。 そんなことを考えさせられる本だった。
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本書は、2009年10月に放送されたNHKスペシャル、自動車革命シリーズの2本目「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」と、2010年5月放送の「次世代カー 電池をめぐる闘い」の内容を中心にまとめたもの。取材とともに展開される想像をはるかに超えた進化のスピードと、桁外れの中国...
本書は、2009年10月に放送されたNHKスペシャル、自動車革命シリーズの2本目「スモール・ハンドレッド 新たな挑戦者たち」と、2010年5月放送の「次世代カー 電池をめぐる闘い」の内容を中心にまとめたもの。取材とともに展開される想像をはるかに超えた進化のスピードと、桁外れの中国のパワーに驚かされる。 アメリカと中国の連携の前に、果たして日本はどう世界市場での地位を確立していくのか、といったまるで映画かドラマのような緊迫感は、思わず引き込まれるものがある。それは、液晶や太陽エネルギーなど、かつては日本がリードしていた分野が、あっという間に後塵を拝すというお決まりの負けパターンが、ちらりと脳裏をよぎるからかもしれない。
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