アマゾン、アップルが日本を蝕む の商品レビュー
2011年発行の新書なので仕方ないのかもしれないが,主張がなんとも古臭いように思う。そのうえ,一方で批判しながら,他方でフォローする様子が,なんとも小狡い。
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この本には、ネットの普及が社会にもたらす負の側面についてと、電子書籍の問題という、二つのテーマについて書かれています。 また、日米の出版文化の違いについても詳しく書かれていて、本に対する思いの違いがわかります。 書籍自体、米国と日本では大きく違って、日本の製本や装幀などの書籍...
この本には、ネットの普及が社会にもたらす負の側面についてと、電子書籍の問題という、二つのテーマについて書かれています。 また、日米の出版文化の違いについても詳しく書かれていて、本に対する思いの違いがわかります。 書籍自体、米国と日本では大きく違って、日本の製本や装幀などの書籍の造りは素晴らしいそうです。 電子書籍には、まだなじめませんし、紙のページを一枚一枚めくりながらの読書が好きですね。 インターネット時代のアマゾン、アップル、グーグルや、フェイスブックなどがこれからどうなるのか? パソコンでインターネットを使う人と使わない人、これからに時代にどう変化するのでしょう? とても面白い本です。
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この本によると、2010年が4度目くらいの「電子書籍元年」だったようです。今となっては実感がないのですが、KindleやiPadが日本国内で販売されるようになったのが2010年ごろで、本格的に使える電子書籍端末が出てきたので、今回こそはという感もあったのでしょう。実際にはコンテン...
この本によると、2010年が4度目くらいの「電子書籍元年」だったようです。今となっては実感がないのですが、KindleやiPadが日本国内で販売されるようになったのが2010年ごろで、本格的に使える電子書籍端末が出てきたので、今回こそはという感もあったのでしょう。実際にはコンテンツがそろわず、電子書籍元年は今年か来年か、それともまだ先かもしれません。 とはいえ、私もソニータブレットを購入し、電子書籍端末としても利用しています。また、勤め先で運営しているサービスを利用する形になりますが、電子書籍の自費出版を行い、作家デビューする話も進んでいます。書籍の電子化の流れは、今後さらに加速し、定着していくことになるでしょう。 出版、音楽、ゲームなど「文化」と呼べるものは、その裏側にビジネスの側面もあります。著者が主張しているように、文化とビジネスのどちらが大事かという話ではなく、両者が車の両輪として、バランスを保って進んでいくことが発展につながり、ひいては文化を守ることにもなります。その観点で言うと、急速な電子化、IT化はビジネスの側面を強調しすぎており、文化としては発展を妨げられているのではないかと感じるわけです。 (ゲームを例に挙げたのが違和感があるかもしれませんが、将棋をイメージしています。先日、コンピュータ将棋「ボンクラーズ」が米長邦夫永世棋聖と対局し勝利しましたが、コンピュータ将棋のもつ勝利優先のビジネスライクな姿勢が、将棋文化にどのような影響があるのか、不安な面もあります。) 文化というと曖昧になってしまうかもしれませんが、コンテンツの質を維持するための活動と考えれば、電子化、ネット化でコンテンツの質を落とさない仕組みを求めていくこと、と言い換えることはできるかと思います。 利用者としては、囲い込みやビジネスなど関係なしに自由にさせてほしい。とはいえ、完全に自由に使えるようになってしまうと、ビジネスが成り立たないどころか、文化も壊してしまい、次の世代に何も残せなくなってしまうでしょう。そのあたりが考えどころで、ビジネスと文化と顧客満足をどこでバランスさせるかが、電子書籍に突きつけられた課題といえそうです。 「ネット帝国主義」という表現は、作者が好んで用いているようですが、いかがなものかと思いました。米国のネット企業を十把一絡げにしてラベルを貼ることで、問題の本質を見失ってしまっているようです。人の個性、企業の方針を無視した議論は、暴論に近いものになってしまいます。 わかりやすい事例で言うと、ネット帝国主義のSNSは本名を要求される、という表現がありましたが、原則本名のSNSはフェイスブック「だけ」といっていい。マイスペースもミクシィも、ツイッターもハンドル利用が標準なのに、その違いを意図的にか無意識にか、無視しているわけです。 また、帝国主義という表現から連想されるものと、ネット社会が目指しているところとは、大きく異なるものです。ネット社会では情報の寡占、独占が進むために勝者は1社になりがちですが、その点をもってのみ「帝国主義」と言っているのではないかと思いました。 日本は、米国をはじめ諸外国の事物やシステムをまねて、自分たちの使いやすいように改良していく、優れた力があります。改良したものを国外に広めるのは苦手なのと、普段使って慣れているために改良と気づいていない部分もありますが、ネット社会になってもその傾向は続いています。 本書にはニコニコ動画の事例がありましたが、音楽は着うたとして、電子書籍はケータイ小説や携帯コミックとして、独自に進化しています。SNSもミクシィはまだまだ終わっていませんし、ツイッターではハッシュタグをお題にして大喜利を行う、少し前だとブログを個人の日記として用いるなど、日本ならではの展開の事例はいくらでも挙げられます。 なので、プラットフォームの発展については、何も心配することはないのですが、問題はやはりコンテンツの質。私たち受け手側も直感的で刹那的なものを求めてしまい、じっくり考えるということができなくなっているようです。私たちがもっと良質のコンテンツを求め、ビジネス一辺倒にならない姿勢を示せば、コンテンツの質が高まり、文化の発展という形で現れてくるのではないでしょうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
電子書籍を語る前に、そもそもアメリカと日本での出版ビジネスと書籍に対する価値観が異なることを忘れてはいけない。その上で、ネット企業による電子書籍出版ビジネスの変革を考えるべき。ネット自体がアメリカから産まれたものであることを考えると、アメリカの価値観で作られたビジネスモデルをそのまま日本に導入するのは果たして正しいのだろうか。各々の国や文化に即した方法を模索しよう。
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電子書籍により、日本の出版文化が滅んで日本の知全体が低下するような話が中心に据えられていた。 しかしながら、出版文化とやらについては、江戸時代にその源流があって云々程度のくだりに終始しており、その本質がなんであるかはわからない。 まして書店や図書館の統計だけ出されて、日本の「知」...
電子書籍により、日本の出版文化が滅んで日本の知全体が低下するような話が中心に据えられていた。 しかしながら、出版文化とやらについては、江戸時代にその源流があって云々程度のくだりに終始しており、その本質がなんであるかはわからない。 まして書店や図書館の統計だけ出されて、日本の「知」を担ってきたといわれても、わからない。 たしかに、日米に出版文化の違いは大きいのだろうけど、日本の出版業界はあまりに新しい本を乱発しすぎだし、値段も可処分所得に反比例して高くなる。 最終章あたりに出てくる、ネットばかりしていると「浅くなる」については、まさにthe shallowの内容そのもの。まったくの通り。
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本書はネット、電子書籍の進出を帝国主義になぞらえて、ネットでの安全保障問題と定義しているのが面白い。 ツイッター革命なんてのはうそ。世界はリアルに動きぶつかりあっている。それが革命。あくまでもツール。 シンシナティで新聞が廃刊されたら、選挙に投票に行く人も激減したそうだ。 広告...
本書はネット、電子書籍の進出を帝国主義になぞらえて、ネットでの安全保障問題と定義しているのが面白い。 ツイッター革命なんてのはうそ。世界はリアルに動きぶつかりあっている。それが革命。あくまでもツール。 シンシナティで新聞が廃刊されたら、選挙に投票に行く人も激減したそうだ。 広告が紙媒体の10分の1程度のネット広告では儲からない。 学問と知識が書籍で、新聞、ネットは情報である。それらが融合して知になる。 アメリカでは読書は消費。だから本は読んだら捨てる。安い本を買う。日本とは違う。アメリカではアングロサクソンのプラグマティズムの伝統を受け、言語は手段、コミュニケーションの道具として捕らえられており、その延長で、書籍は分解できる小さな知の集合体と認識されている。 たしかにアメリカの書籍は特に専門書でなくても、巻末の索引があるので、書籍全体を読まなくても必要な、小さな知が発見、吸収できるようになっている。 日本では民主主導でも知の普及が可能になった。 リアルな書店は知の世界で思わぬもの、新しいものに出会う機会を提供してきた。知の範囲の拡大という観点で、民主導で出版文化が反映した日本においては書店が重要な役割を果たしてきた。
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巨大プラットフォームの独占でなく、業界と共存していきていくべき、という内容。 ユーザ視点と、業界擁護視点のバランスって難しいなぁと思った。。
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電子書籍について他に無い視点からの考察で纏められ、非常に勉強になりました。 最後は電子書籍関係無い話へと繋がり、現在のネットビジネスについて米国主義になっている警告と日本はどうすべきかが、分かり易くかかれてます。 出版業界云々では無く一読をお勧めできる一冊です。
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2011 7/29読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 図書館をぶらぶらしていたら目に入ったので借りてみた本。 アマゾン、アップルが象徴するという「ネット帝国主義」(プラットフォームレイヤーを中心とした垂直支配やクローズドモデルでの囲い込み前提のビジネス)の問題を指摘する本...
2011 7/29読了。筑波大学図書館情報学図書館で借りた。 図書館をぶらぶらしていたら目に入ったので借りてみた本。 アマゾン、アップルが象徴するという「ネット帝国主義」(プラットフォームレイヤーを中心とした垂直支配やクローズドモデルでの囲い込み前提のビジネス)の問題を指摘する本。 日米の出版文化比較あたりは割と面白いが、そんなに新しい話はないし、問題は指摘しても対処策の記述が浅い。
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電子書籍ビジネスを中心に近年の米国のIT企業の日本での動向を書いた本。 特に最新の企業を中心としたネット帝国主義が日本を支配することのデメリットや不安要素を中心に書いてある。 私自身はこの本を読むまで一ユーザーとしてアマゾンなどを中心に電子書籍が普及することは良いことだと単純に...
電子書籍ビジネスを中心に近年の米国のIT企業の日本での動向を書いた本。 特に最新の企業を中心としたネット帝国主義が日本を支配することのデメリットや不安要素を中心に書いてある。 私自身はこの本を読むまで一ユーザーとしてアマゾンなどを中心に電子書籍が普及することは良いことだと単純に思っていたが、マクロの視点からビジネスを見たことが無かったのいろんな発見があった。特に出版文化の変貌や質の低下は防がなければならない深刻な問題だと感じた。 今は課金の流れが進んでいるとはいえ、米国中心のフリーな文化に巻き込まれすぎず、日本のIT企業やコンテンツ企業が中心となって日本の出版文化や良質なプロのコンテンツを守る体制を気づいていかなければと思わされた。 電子書籍のマクロ的な問題点が分かる良書。
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