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すばらしい墜落 の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2011/06/22

だって、 アメリカの息子たちのところへ来たはいいが、孫たちがすうかり中国の伝統や文化をいやがって名字を改名したいと言う話とか、 大学へ行くつもりでアメリカへ来たのに、英語ができなくて工場で働くしかない貧しい若者の話とか、 給料を払ってもらえないので、アメリカにいることも中国に帰る...

だって、 アメリカの息子たちのところへ来たはいいが、孫たちがすうかり中国の伝統や文化をいやがって名字を改名したいと言う話とか、 大学へ行くつもりでアメリカへ来たのに、英語ができなくて工場で働くしかない貧しい若者の話とか、 給料を払ってもらえないので、アメリカにいることも中国に帰ることもできない僧侶の話とか、 逆に成功して高収入のいい暮しをしていても、美人の妻が浮気しているのではないかという猜疑にからめとられる話とか、 うまくいかなくてもうまくいっても、それぞれにさんざんな目に合っているわけなのだ。 でも、読後感が暗くないのが不思議。 訳者はあとがきで「希望の光」という言葉を使っているけれど、滑稽なほどひどい目にあっていても、どこか遠くに希望のようなものを感じることが出来る。だから暗くないのかな。 「人生の新たなるページをめくるのに遅すぎるなんてことは絶対にない」という登場人物もいるのだけれど、そこには、希望というよりむしろ「強さ」がある。 中国の人々にとってアメリカには、まだ夢があるのだろうか。 中国の人々の強さ、力を感じる。 でもそれは中国の人々だけのものではないのかもしれない。故郷から離れ、孤独や困難に耐える、世界中の人々が、遠くに持ち続けている希望、強さ、なのかもしれない。 離れていてもインターネットで中国にいる妹からお金の無心をされて「これでは近所に住んでいるのとちっとも変わらない」と嘆く「インターネットの呪縛」が、クスっと笑えて好き。 どこへ行こうと、過去やしがらみと決別したり、新しい人生を歩んだりすることは、なにせ容易じゃないね。

Posted byブクログ

2011/04/21

NYのフラッシングという街に暮らす中国系移民をスケッチのように描いている。それぞれに問題や悩みを抱えつつもたくましく生きている人々にぽんと背中を押されるような読後感。

Posted byブクログ