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随感録 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2013/12/18

一応自伝にカテゴライズしたもののタイトルと本人の前置き通りエッセイ程度の内容で史料的な価値はさほどでもないと判断。

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2013/08/05

謙虚だけれど自分の考えには自信を持っている そんな筆者(浜口雄幸)の性格が文面から感じ取れます。 自分に酔っている感じもしますが、酔えるほど壮大な人生を送られた方なので不快には感じません。

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2012/03/13

こころの栄養という言葉がありますが、まさに、この本のことです。 本人曰く、「読者が、、思想上歴史上芸術文学上の知識又は参考を得ようと」してはダメで、「只、浜口という人間は一体どんな人間であるか」を述べた本であると。 こんなにまっとうな政治家がいたのか!と爽やかな気分になります。...

こころの栄養という言葉がありますが、まさに、この本のことです。 本人曰く、「読者が、、思想上歴史上芸術文学上の知識又は参考を得ようと」してはダメで、「只、浜口という人間は一体どんな人間であるか」を述べた本であると。 こんなにまっとうな政治家がいたのか!と爽やかな気分になります。 「議会演説に於いては、、必ず原稿を準備しておかねばならぬ。」 「なお答弁の場合に原稿準備の不可能なることは言うまでもないことである。」 他人に原稿を用意させ、質問が予め決まられているどこかの国の議会の異常さに気づかされます。 「今日の政治は、、、、確かに国民道徳の平均以下に堕落して」いることを認めたうえで「之を以って余が理想たる国民道徳の最高標準たらしめんこと」を目指すと宣言します。 これ、現役の総理大臣の言葉ですからね。 東京駅で銃弾にたおれてとき「男子の本懐だ」といったというエピソードある彼が、もう少し長く生きていたら、議会政治はだいぶ変わっていたのでは、とおもわせられます。

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2011/11/16

軍縮条約締結、金解禁、政党政治の推進 激動の時代、山積する難局に立ち向かった ライオン宰相が遺す率直な心情。 国家のために斃れるは本懐。 断固たる姿勢で政治に臨んだ浜口が感じる ところを虚飾なく率直に書き綴る。新鮮な 驚きと変革へのヒントに満ちた遺稿集。 著者は本...

軍縮条約締結、金解禁、政党政治の推進 激動の時代、山積する難局に立ち向かった ライオン宰相が遺す率直な心情。 国家のために斃れるは本懐。 断固たる姿勢で政治に臨んだ浜口が感じる ところを虚飾なく率直に書き綴る。新鮮な 驚きと変革へのヒントに満ちた遺稿集。 著者は本書を「ただの隋感録であり政治上 の記事を目的としていない。世間話に毛が 生えたものに過ぎない」という。 本書の原本は1931年の刊ということも あり、文章は読みやすいとは言えないが、 ロンドン海軍軍縮会議の話や、政党政治に 関する考え方など浜口の考え方に触れる事 が出来て興味深い。 ロンドン会議については、建艦競争の激化 に伴う財政問題や対英米協調という点から 論じられる事が多いが、安全保障の問題に ついて、浜口は、国際連盟の存在、軍縮や 平和維持に関連する多層的多重的な条約網 の形成による平和維持システム、戦争抑止 システムの構築によって対処すべきだし、 対処可能だという観点にたっていた。 浜口は言う「不戦条約に違反した国は全世 界を敵にすることになる」と。 奇しくも、その後、日本敵国が身をもって 証明する事となった。 また、浜口は政党政治にも危機感を持って いた。「国民は議会政治に冷淡になりつつ ある。まだ、嫌悪、否認というところに至 っていないが、今日において改めなかった ら、国民の感情はどこまでいくか計り知れ ない」と。その後、帝国議会が辿った道は 周知の通りである。 今日の国会の議論をみて、かつて自壊した 政党政治と同じ道をたどっているのではな いかとの思いにとらわれた。本書の内容は いささかも古びてはいない。

Posted byブクログ

2011/05/29

ご存知のとおり、著者の浜口雄幸氏は、大正から昭和初期の激動期に重職を勤めた政治家です。「ライオン宰相」と呼ばれた正攻法の姿勢は、銃弾に倒れながらも「男子の本懐」と語った覚悟に表れています。本書は、その浜口氏の自伝であり遺稿集です。まさに今、読むべき人が大勢いますね。

Posted byブクログ

2011/05/01

浜口雄幸は城山三郎氏の小説「男子の本懐」で知られる。1929年、満州事変の責任を取って、辞任した田中内閣の後を受け、民政党党首として首相に就任。ヒゲを蓄え、雄々しい顔つきから「ライオン宰相」と呼ばれ、親しまれた。 任期中は不況からの脱却を狙った金解禁、国際協調を目指した「ロンド...

浜口雄幸は城山三郎氏の小説「男子の本懐」で知られる。1929年、満州事変の責任を取って、辞任した田中内閣の後を受け、民政党党首として首相に就任。ヒゲを蓄え、雄々しい顔つきから「ライオン宰相」と呼ばれ、親しまれた。 任期中は不況からの脱却を狙った金解禁、国際協調を目指した「ロンドン海軍軍縮条約」の締結がある。いずれも、これまでの内閣が避けてきた政策であり、困難なものだった。 城山氏の「男子の本懐」は井上準之助大蔵大臣とともに行った金解禁を中心に据えたもので、表題は1930年12月、東京駅で右翼青年の凶弾に倒れた際に、浜口がいったとされる言葉から取られている。浜口はこの時に受けた傷が元で、翌1931年8月に亡くなった。 同書はこの遭難事件で入院した際、思いつくままに書いていった、まさに「随感録」で、1931年6月に発行された。その後、浜口の日記とともに収録した「日記・随感録」というものもあるが、大著ということもあって、高価な本だった。今回、価格的にも手に届く文庫本という形で復刻したことは非常に喜ばしい。しかも、大文字版で、フォントも読みやすい。 東日本大震災を経験して、政治は混迷の時代を迎えている。浜口が生きた時代も、前述の通り、同じような状況であった。そんな中、浜口は「国家のため(ひいてはもちろん国民のため)にたおれるのであれば、それは男子としての本懐だ」と思ったのである。浜口は信念を持ち、無心で改革に臨んだ。まさに、今の政治家に読んでもらいたい。 金解禁に関するものは城山三郎氏の名作があまりに有名なので、放送に関するエピソードを紹介しておく。 こちらはあまり知られていないことだが、浜口は日本で最初にラジオを駆使した首相である。ラジオは1926年に誕生した以降、急速に受信世帯が伸びていった。1929年8月には、金解禁と緊縮財政への所信をラジオで演説している。これが首相が最初に国民に直接呼びかけた演説であった。 また、1930年11月のロンドン海軍軍縮条約を記念した演説は日米英の三カ国に放送された。これは日本にとって初の国際放送であり、「国際協調」と「平和」を訴えた内容だった。 今年、米アカデミー賞を受賞した「英国王のスピーチ」は吃音症に悩む英国王がナチスに対抗するため、国民に団結を呼び掛けるスピーチを成し遂げるまでを描いているが、浜口の演説をめぐる物語もドラマチックだ。この軍縮放送演説の原稿は同書にも収録されている。

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