死んでも何も残さない の商品レビュー
いやあ何といいましょうか。ところどころ陰謀史観めいた記述が目につき、おやおやと思っていると終盤にきていきなり「ピンチョンですよ、敵は」と陰謀史観否定の言説。それでいながらシステムに対する抵抗を訴えたり、もう虚実裏表ないまぜというか区別なしの世界。
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どんなに書くことが嫌だとしても、需要があるからしかたない。 だっておもしろいもん。 私はそこまでのファンじゃないけど、読んじゃう。 「もはや僕でも世界のバカバカしさには追いつけない」という一節にはしびれた。
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人の愚痴がオモシロいと思えるほど、寛容なタイプであるわたくしではないはずであるが、オモシロかったです。共感できない愚痴を友情で補って耳を傾けることと違い、共感できる部分が相当をしめているからオモシロいと思ったのだと思います。もやもやしている何かを代弁してくれたような気がします。現...
人の愚痴がオモシロいと思えるほど、寛容なタイプであるわたくしではないはずであるが、オモシロかったです。共感できない愚痴を友情で補って耳を傾けることと違い、共感できる部分が相当をしめているからオモシロいと思ったのだと思います。もやもやしている何かを代弁してくれたような気がします。現状を受け入れた自分のスタンスが話せば話すほど明確になっていく、あきらめつつすっきりしていく展開が心地よいです。
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虚実皮膜。 「貧乏な都会っ子は不幸だ。共感は得られないし、生まれ変わることもできない。世界中のモノや情報が腐るほど視界に入ってきても、結局、手に入れることができない境遇。寂しくて、みんなが好きでないマイナーなものに想いを寄せるしかなかった」 この一文に、解毒された。
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中原昌也の作品を読むと人生が嫌になってくる。世の中にはお手軽に泣かせてくれるベストセラーが数多くあるけれど、そんなものはすぐに忘れ去られ消費社会のチリになる。中原の作品は違う。そのあまりのくだらなさが生み出しているのは、世相の反映だとか読者の自己投影だとかいうぬるい表現以上の「屈...
中原昌也の作品を読むと人生が嫌になってくる。世の中にはお手軽に泣かせてくれるベストセラーが数多くあるけれど、そんなものはすぐに忘れ去られ消費社会のチリになる。中原の作品は違う。そのあまりのくだらなさが生み出しているのは、世相の反映だとか読者の自己投影だとかいうぬるい表現以上の「屈折」だ。実力を持ってして、その屈折が唯一の真実だと読者に思わせてしまうのだから、なおさらやりきれなくなる。
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