小野小町 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今昔秀歌百撰に「色見えでうつろふものは世の中の人の心の花にぞありける」があったので本書を手に取りました。 この歌は紀貫之の新撰和歌に再撰し、古今仮名序でも紹介とのこと。 「色見えで」を「いろみえて」と濁らず清音とするかどうかの議論の紹介がある。 奥が深い。
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嫋々と女性らしい歌を詠んだいうイメージだった小野小町が、 漢詩文の語彙や発想、最新の仏教思想から多くの影響を受け、 さらに平仮名が成立した860~70年代以降には、万葉仮名では困難だった掛詞を多用するなど、 進取の気性に富んだ時代の子であり、かつ恋の抒情を壊すことのなかった歌人...
嫋々と女性らしい歌を詠んだいうイメージだった小野小町が、 漢詩文の語彙や発想、最新の仏教思想から多くの影響を受け、 さらに平仮名が成立した860~70年代以降には、万葉仮名では困難だった掛詞を多用するなど、 進取の気性に富んだ時代の子であり、かつ恋の抒情を壊すことのなかった歌人だと知った。 小町が「あはれてふこと」(あはれという感情を表現した歌)と斬新に概念化した言葉は、 やがて「もののあわれ」という文学上の重要な観念になる。 古今集撰入の18首の他、贈答歌、小町名で流布している歌など計31首収録。 コンパクトながら類歌・漢詩文・経文等が多く引用され、解説も詳しい。奥行き深く鑑賞。
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