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砂上のファンファーレ の商品レビュー

3.7

30件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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  3. 3つ

    8

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2014/03/13

明るい母親が、少しづつ物忘れをしていき、息子の結婚の顔合わせで、皆 その異常さに、気づく。 母親の脳の悪性腫瘍から、多額の借金、父親の仕事の破綻経営、長男の連帯保証人責任、大学生で、未だ親のすねをかじる次男。 初め読んでいて、暗い方へ、暗い方へと転落して行く姿が、描かれて行く。 ...

明るい母親が、少しづつ物忘れをしていき、息子の結婚の顔合わせで、皆 その異常さに、気づく。 母親の脳の悪性腫瘍から、多額の借金、父親の仕事の破綻経営、長男の連帯保証人責任、大学生で、未だ親のすねをかじる次男。 初め読んでいて、暗い方へ、暗い方へと転落して行く姿が、描かれて行く。 しかし、この本の中のフェルメールの『真珠の耳飾りの少女』のジクソーパズルの如く、家族が一丸となって、一つずつ、ピースをはめ込むように、父親の会社の清算、母親の病気の生存期間更新、長男の転職、連帯保証人の借金返済、次男の結婚へ、、と、パズルが完成するのと同じように、長男、次男の嫁達も加わって、家族を築きあげて行く物語である。 早見和真の本は、初めてだったのですが、これは、映画化、コミック化されて、ベストセラーになったと、書かれていました。 そう、ガンに冒されたのにも関わらず、生存し、父親の会社経営も、難を逃れ、長男の仕事も、不景気の時代に、給料の良い会社に転職し、5年もしないうちに1200万円もの借金を返済でき、大学も中退した次男も、結婚して、子供も得るようになる、、、、砂上のファンファレーが、最後は、幸せのファンファレーに変わって行くのは、小説より、映画とかコミックの方が、良いのかもしれないと、思った本である。

Posted byブクログ

2013/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

母親の発症を期に、露呈していく家庭の暗部。家族の破壊と再生の物語。 内容は重いですがさらっと読める文章でした。 登場人物たちの自分勝手な感じがとてもリアル。でもその人間臭さが嫌いになれない。 予想以上の大団円で「え?」とも思いましたが、思いつつ読んでるときはニヤニヤしてました。

Posted byブクログ

2013/07/30

母親の病気をきっかけとして再生するファミリーもの。  ■ ■ ■ ■ ■  フィクションなんだも、当たり前っちゃぁ当たり前なんだけど 読んだ後にまとわりつく嘘くささ。 それが気になってしまうのは きっと、私と親との距離の問題なんだと思う。 もしくは私個人の冷たさの。  ■ ■ ...

母親の病気をきっかけとして再生するファミリーもの。  ■ ■ ■ ■ ■  フィクションなんだも、当たり前っちゃぁ当たり前なんだけど 読んだ後にまとわりつく嘘くささ。 それが気になってしまうのは きっと、私と親との距離の問題なんだと思う。 もしくは私個人の冷たさの。  ■ ■ ■ ■ ■  文章は読みやすいし、 キャラもそこそこたってるし 暗くなりがちなテーマなのに前向きなストーリーはナイスやし 読後感も良い、 『家族』を信仰しているひとには好感のもてる一冊じゃないかな。 と 思います。

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2013/05/18

六十歳を過ぎ、異常に物忘れが激しくなった母、多額のローン、生活破綻、読み始めてあれよあれよと人生下り坂のパターンのストーリーに家族もバラバラになっていくのか・・・と、ドキドキしながら読ませて頂きました。 読んでる最中に頭痛がより酷くなり、自分も他人事ではなく脳外科の検査も必要かな...

六十歳を過ぎ、異常に物忘れが激しくなった母、多額のローン、生活破綻、読み始めてあれよあれよと人生下り坂のパターンのストーリーに家族もバラバラになっていくのか・・・と、ドキドキしながら読ませて頂きました。 読んでる最中に頭痛がより酷くなり、自分も他人事ではなく脳外科の検査も必要かなと思いつつも読了。 やはり、救ってくれるのは、家族なんですね!流石の長男の浩介、頼りないと思っていた弟の俊平が、凄く頼りになり自然と我が子に照らし合わせながら応援してた。 苦労の連続のお母さんの玲子さん、病気に負けずにずっとお幸せに!

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2013/03/29

お母さんの病気をきっかけに想定外のことも起こり、一家が動揺し、未熟さゆえに心にもない言動をしてしまったり、やり場のない感情をどこに吐き出していいのかわからず、身近な人を傷つけてしまったりと絵に描いたようなドタバタが繰り広げられる。 読むうちに緊張感で心が重くなり、辛くなってしまっ...

お母さんの病気をきっかけに想定外のことも起こり、一家が動揺し、未熟さゆえに心にもない言動をしてしまったり、やり場のない感情をどこに吐き出していいのかわからず、身近な人を傷つけてしまったりと絵に描いたようなドタバタが繰り広げられる。 読むうちに緊張感で心が重くなり、辛くなってしまったが、家族一人一人にまだ、優しさが残されていたのが救いだった。 途中、長男の嫁にイラっときたけど、それも戸惑いや焦燥からくる弱さだったのかなと最後まで読んでそう思えた。 いつ自分に降りかかるかもわからない人事ではない内容であり複雑な思いが残った。

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2013/01/16

ぎりぎりのバランスの上に成り立つ家族。 一見平和な関係を装っているけれど、 誰もが自分を優先し、 他の家族の気持ちや状況を受け止めたり、理解しようとはしない。 ひとたび事が起きれば、脆くも崩れてしまいそうだ。 現実の世の中では珍しくないかもしれないけれど、 活字で読んでしまうと、...

ぎりぎりのバランスの上に成り立つ家族。 一見平和な関係を装っているけれど、 誰もが自分を優先し、 他の家族の気持ちや状況を受け止めたり、理解しようとはしない。 ひとたび事が起きれば、脆くも崩れてしまいそうだ。 現実の世の中では珍しくないかもしれないけれど、 活字で読んでしまうと、重たくじっとりとした空気に包まれる。 最近記憶があいまいにになっていることを不安に思う母親の様子が急変し、受診したところ命に係わる病気であることが判明する。 借金を抱え、それでもなお生活を切り詰めるなり努力をして自分たちの力で解決しようとはしない両親を心の中で疎ましく思うことにいら立つ長男・浩介。 調子良く、何事にも真剣に生きようとしないことを選んだ次男・俊平。 それぞれに言い分はあるけれど、それを主張しているうちは決して解決には向かわない。 アラームが鳴り響くような家族の危機の中で、思いのほか俊平が底地からを発揮し、母親を治療することが出来る医者を探しだす。 頼りない父親だけれど、 「もしも人生をやり直すことができるとして、それでもどの時点にも戻りたくないと思うのは、果たして負け惜しみなのだろうか」(P185) これ、私も同感です。 あぁ、ドラえもんが今ここにいてくれたら、時間をさかのぼってやり直したいと思うことがない訳ではない。 けれど、やっぱり思い直す。 今味わっているシアワセや楽しみを思えば、過去に戻り、時間のレールを切り替え、現在に戻ってこられなくなるのはさびしい。 きついこともあるけれど、それでも今の自分を肯定したい。 結構楽しくやっていると思うから。

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2012/10/04

登場人物に甘いお話は好きではないけど これはよかった 家族をテーマに 各々の視点で書かれる作品はよくあるし これもそういうよくある話ではあるけど 読後感があったかいのと 弟が好みなので高得点 キャラクターがダメなとこもあるけど魅力的 魅力的なキャラクターを書ける人は 目新し...

登場人物に甘いお話は好きではないけど これはよかった 家族をテーマに 各々の視点で書かれる作品はよくあるし これもそういうよくある話ではあるけど 読後感があったかいのと 弟が好みなので高得点 キャラクターがダメなとこもあるけど魅力的 魅力的なキャラクターを書ける人は 目新しい設定を書かなくても いいお話が書けると思う これからの期待もこめて 星は4つ

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2012/07/29

10年ほど前に出会った若手のライターが、小説を出すようになった。素敵な若者で今は下田に移り住んで、執筆をしている。 1作目は青春、2作目は仏教、そして3作目の本作は家族。ライトなタッチで読ませる作者だが、3作目にして、軽妙さの後ろに深みが足されてきた。内容は異なるが、吉田修一さん...

10年ほど前に出会った若手のライターが、小説を出すようになった。素敵な若者で今は下田に移り住んで、執筆をしている。 1作目は青春、2作目は仏教、そして3作目の本作は家族。ライトなタッチで読ませる作者だが、3作目にして、軽妙さの後ろに深みが足されてきた。内容は異なるが、吉田修一さんのパレードのような手法で語られる家族の物語は、家族や仕事のあり方、生き方、社会と個人の関わり方、見えるものと見えないものをいかに受け止めて、信頼していくのかといった個々人の関わり方、そういった事を考えさせられた佳作。軽妙で笑えて、ちょっと悲しいのが好きなので、なかなか好みにあった。更に2作品出しているので、読まないと。

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2012/06/30

一家に一大事が起こったときに、それぞれがどう向き合うか…… 家族ってもちろんそれぞれ性格が違うから、起こったことに対する向き合い方も違う。だからイライラしたりもするんだけど、目指す所が同じなら、それらがうまく噛み合って前に進んで行けるのかなあって思わせてくれた。

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2012/04/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ある家族の母親が認知症のような病気にかかるところから始まる本です。 病気に端を発し、どんどんと悪循環にはまっていく家族。 元々、僕が好きな書評サイトさんで紹介されていた本で、「読後感爽やか」って書いてあったのですが、読んでる最中は騙されたと思いました。 それほど、ここからどう上がっていくんだろうってくらい、どん底具合。 まぁ、それでも読みやすかったので、作者さんの絶妙な筆加減とでもいうのでしょうか。 んで、ここからはネタバレになるんですが、そこから嘘のようなハッピーエンド。 確かにあまりにもできすぎかもしれないし、嘘くさい気はしますが、やっぱりハッピーエンドの方が好きです。 本の中の登場人部だってそうですが、誰だって幸せになりたいですもんね。 ただ!惜しむらくは、惜しむらくは……この表紙はないだろう!と。 センスが……。 何年前の本だろうと思ったら、刊行は去年だし。 たぶん何も知らずに図書館で見かけたら、間違いなく借りないと思います。 チョット小奇麗な表紙にして売り出せば、かなり売れそうな感じなのに勿体なぁって思いました。

Posted byブクログ