無花果の実のなるころに の商品レビュー
西條奈加さんの現代もの。軽いミステリー。 舞台が神楽坂だからなのか、登場する人たちが皆どこか「良い人」だからなのか、まるで江戸の長屋の人情話を読んでいるかのようで、ややどろっとした出来事が起きつつも、肩が凝らずに楽しめた。
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私はどうもこの作家さんが好きらしい。息子と同い年の主人公の男の子も、その祖母も友達もご近所さんも、目に浮かぶように生き生きと動いていて、あっという間に読んでしまった。うまく行き過ぎ感はあるんだけど、まぁ小説ですしって楽しく読めた。
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この中学生よくできた子だ。美味しそうなものがたくさん出てくる。神楽坂の馴染みの地名が出てきて、楽しく読んだ
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ミステリシリーズ3冊イッキ読み。その①。 神楽坂の履物屋の女主人の粋なおばあちゃん、お蔦さんは元芸者で女優。中学生の孫(男)と二人暮らし。この家は代々、男性が台所に立つ家系。いいなあ素敵。 これは第一作なので、短編6つに分かれているけれど、ひとつづつ人物や環境の背景を塗り込んでい...
ミステリシリーズ3冊イッキ読み。その①。 神楽坂の履物屋の女主人の粋なおばあちゃん、お蔦さんは元芸者で女優。中学生の孫(男)と二人暮らし。この家は代々、男性が台所に立つ家系。いいなあ素敵。 これは第一作なので、短編6つに分かれているけれど、ひとつづつ人物や環境の背景を塗り込んでいくかんじ。人間関係や立場がわかっていてこその世界観なので、順番どおりに読まないと堪能できないタイプのシリーズもの。 こんな中学生たちイマドキ日本にいるかしらと思うような素直でさわやかな登場人物たちだけど、観客としては気持ちがよい。なにか事件が起こって、お蔦さんが推理して、みなで協力して謎解きしていくかんじもよいし、望の作る料理の描写も惹かれる。事件もほどよく後味が悪すぎないかんじで、でも1冊で収まるわけないよなあという続き展開を感じさせる人物がどんどんでてきて、シリーズのとっかかりにふさわしい吸引力とよい設定があるかんじ。まずは満足。
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神楽坂の商店街。 昔ながらの草履を売るお店。 いつも近所の人々が集う場所。 父の転勤で両親が北海道に行き、神楽坂に残ることになった中3の望。 祖母のお蔦さんは料理はからっきしなので、今日も望が腕を振るう。 そんな二人に幼馴染みから、麻雀仲間から、様々な事件が持ち込まれ、キリッとお...
神楽坂の商店街。 昔ながらの草履を売るお店。 いつも近所の人々が集う場所。 父の転勤で両親が北海道に行き、神楽坂に残ることになった中3の望。 祖母のお蔦さんは料理はからっきしなので、今日も望が腕を振るう。 そんな二人に幼馴染みから、麻雀仲間から、様々な事件が持ち込まれ、キリッとお蔦さんが解決する。 背も低く、女子にはトモダチ枠な望くんが、事件を通してたくましく成長していく。 表面に比べて裏が重い話もあるけれど、下町の気風の良さで救われてるかな。 望くんの料理が美味しそうなのがまた良し。 続編へ行こう!
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売れっ子芸妓で女優もやった、気っ風がよくて 男気があるが料理はさっぱりダメ、 街の人気者祖母お蔦さんとくらす中三の孫望と その友人たち、神楽坂界隈の古くからの住人たちの 人情溢れる物語。 両親の転勤を期に、代々男が台所に立ち 料理をこなす家族。 料理のできない祖母を一人にはでき...
売れっ子芸妓で女優もやった、気っ風がよくて 男気があるが料理はさっぱりダメ、 街の人気者祖母お蔦さんとくらす中三の孫望と その友人たち、神楽坂界隈の古くからの住人たちの 人情溢れる物語。 両親の転勤を期に、代々男が台所に立ち 料理をこなす家族。 料理のできない祖母を一人にはできず、 それなら夫婦は転勤地に、孫は祖母と 二人と二人の家族の食卓を守ることこそが最善の策と。 最近の事件も盛り込んで、中学から高校への時期 恋愛や家族の問題普遍的でありながら現代の様相を 盛り込んだこの物語は、読んでて新しく飽きない。 人情のエッセンスが実にセンス良く配合。 ちょうどいい塩梅のシリーズ三冊。 文庫本なら、持ち運びにいいのですが。
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図書館で。 代々男性が厨房に立つってのはまあアリかもしれないけど男子中学生に炊事をさせる祖母。ちょっと新しいかも。 殺人は起きないけどちょっとというか大分不穏な事件が起こり、警察沙汰になったりならなかったりそれでいいのか?というような事件でその辺りはちょっとう~ん、という感じ。...
図書館で。 代々男性が厨房に立つってのはまあアリかもしれないけど男子中学生に炊事をさせる祖母。ちょっと新しいかも。 殺人は起きないけどちょっとというか大分不穏な事件が起こり、警察沙汰になったりならなかったりそれでいいのか?というような事件でその辺りはちょっとう~ん、という感じ。それにしても女の子誘拐はやりすぎでしょう。確かに謝って済む問題じゃないよなぁ(まあそういう感じには終わらなかったけど) 主人公の僕がなんか…頼りないというか、主体性が無いというかコイツで大丈夫だろうか?という感じの子で(まあまだ中学生だし仕方ないのかもしれないけど)不安になりました。特に最後の事件は。でもこの主人公はお蔦さんだからまあ仕方ないのか。
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さいきん祖父母×孫の組み合わせが、私の中で勢いを増している。 そんなところに、この本。どんぴしゃでした……! 主人公・望とおばあちゃんのお蔦さん、 この二人のキャラクターがとても好き。 更に二人のやりとりもとてもいい! 「柚子の風味をきかせた蕪の浅漬け」食べたいなぁ
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短編集(連作?) 主人公が純粋で愛らしい。最後、これまでの伏線がスパッと回収されるので読んだあとすっきり。爽やかなミステリ。
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2008〜09年に「ミステリーズ!」に掲載された6話の単行本化で、シリーズ第1作。 中高一貫校中等部生の滝本望(のぞむ)は、両親が札幌に転勤になって神楽坂で履物店を営む祖母と同居した。この祖母は「お蔦さん」を呼ばれる元芸者、元映画女優で、まわりに人が集まるし、びしっと物を言う...
2008〜09年に「ミステリーズ!」に掲載された6話の単行本化で、シリーズ第1作。 中高一貫校中等部生の滝本望(のぞむ)は、両親が札幌に転勤になって神楽坂で履物店を営む祖母と同居した。この祖母は「お蔦さん」を呼ばれる元芸者、元映画女優で、まわりに人が集まるし、びしっと物を言う人だが料理ができず、男が料理の得意な家系の望が腕を振るっている。 地元出身の警察官を子供扱いするお蔦さんは、犯人をかばう望の友人のウソを見抜いて解決したり、学校祭の美術部の展示で大臣賞を取った絵を傷つけた犯人を見抜き、近所の振り込め詐欺の犯人を突き止めてしまう。 かと思えば、自社の持ち株をお蔦さんに託す遺言をして亡くなった古くからのつきあいの社長の遺志を忖度し、株主総会で長男を解任して祖父のように生きろと説教する。 お蔦さんの人間を見る目が確かで、筋を通した意見が人を動かしていく。 最後の「シナガワ戦争」はお蔦さん抜きの望と友人たちの大活劇で、望の同級生の女の子を人質にとって友人を痛めつけようとした高校生に立ち向かう。ちょっとわくわくさせられる。
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