武道のリアル の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
武術を稽古していた頃ならば、今よりももっと響く内容に感じられたことだろう。 読んでいる最中はそんなふうに思っていた。終盤、章の終わりごとに「はい、次いこ次」「こんなんでええかな」みたいな合いの手が入るまでは。 パンツを下ろしたら偽物だったという評が押井守にはあるようだが、これまでは個人的にはそれは、まあまあ笑って受け入れられるたぐいのものではあった。 前述した合いの手は読み手が勝手に感じてしまった印象でしかないが、不誠実さを感じさせたことは間違いなく、パンツを下ろしたら偽物だったという評を非常にネガティブに受け止めさせる一事となった。 不誠実という印象は、対談形式でかつ取止めもなく話が広がっている内容によって強調されている。三ヶ月程度で六冊くらい「押井守の著作」に触れてきたが、本書の内容の半分くらいはそれらでも語られたことである。純粋な文章作品であれば、使い回しということになる。 そういえば一時期エンターブレインはどうでもいい武術本を乱発していた。あるいは本書もその一環であるのかもしれない。 不誠実と感じられる印象は拭い難いものの、武道というものの成立や変遷を独自の切り口で語っていることは間違いない。 「武術」というわかりやすい定義のない「武道」とはなにかを考える一助にはなろうと思う。
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明治維新以降、開国とともに西洋から「スポーツ」の概念が輸入され、伝統的な剣術や柔術はどのような影響を受けたか。さらに近代化、戦争、敗戦、高度成長によってどのように変容したか―――それらの問題を、格闘マニアの演出家と小説家が対談形式で説いていく。 かなりマニアックなテーマだが、...
明治維新以降、開国とともに西洋から「スポーツ」の概念が輸入され、伝統的な剣術や柔術はどのような影響を受けたか。さらに近代化、戦争、敗戦、高度成長によってどのように変容したか―――それらの問題を、格闘マニアの演出家と小説家が対談形式で説いていく。 かなりマニアックなテーマだが、雑談と脱線をちりばめた理論展開で、退屈や堅苦しさは感じない。裏を返せば、どうでもいい話も少なくはない。 個人的に、スポーツの勝ち負けにこだわりがちな部分が子供の頃からどうしても馴染めなかったのだが、この本を読んで少し納得がいった。
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武道に全く縁のないであろうと思われた、押井守氏の道着姿の写真のインパクトだけで手にとってしまいました。
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押井さんが滔々と薀蓄を語りまくっているのはいつものことですが、アニメーションに関する話、ゲームに関する話は興味深いものがあった。しかし、多くの押井ファンとしては、空手なんてやってないで、映画を作って欲しいというのが本音だろう。
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