プレイバック 制作ディレクター回想記 の商品レビュー
山口百恵のデビューから引退、その後の「百恵回帰」シリーズなどでも、彼女のレコーディングに関わった川瀬さんが1曲ずつ解説してくれているもの。音楽の専門的なことはまったくわからないので、ちんぷんかんぷんなところも多いんだけど、それでも企画やレコーディングのときのエピソード、百恵さんや...
山口百恵のデビューから引退、その後の「百恵回帰」シリーズなどでも、彼女のレコーディングに関わった川瀬さんが1曲ずつ解説してくれているもの。音楽の専門的なことはまったくわからないので、ちんぷんかんぷんなところも多いんだけど、それでも企画やレコーディングのときのエピソード、百恵さんや阿木燿子・宇崎竜童夫妻とのやりとりなどを知ることができて面白かった。著者自身が、レコーディングのディレクションはもちろん、アルバムや曲の企画、演奏やコーラスなど、本当に多彩に百恵さんのレコードに関わっていた人だし、レコーディングといういわば密室の世界のことだけに知らないエピソードがけっこうあった。 こういうのって、よほどの人物に関してでないと単なる「オタク本」になってしまいそうだけど、山口百恵に関してはそんな感じにならないよなあ。社会的な存在感がなかなかのものだし、音楽的にもしっかりしたものがそろっているし、あと活動期間が短いから、全曲網羅して解説することもできる。これが美空ひばりでは、とても1冊にはまとめられない数だろうし、駄曲もあると思うから。 酒井政利氏について一言。この方、百恵さんのプロデューサーとして売っている人だけど、前から何かうさんくさい人だなと思ってた。実際も、「タイトルに『しなやか』って入れて」とか、すごーくぼんやりしたことしか言ってない。それをもとに苦心するのが川瀬さんたちってわけ。なーんだプロデューサーってこんなもんなのか? ……と思ったせいか、川瀬さんの文章からもそこはかとなく恨み節を感じてしまったり。
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