SF文学 の商品レビュー
SF文学の要素(宇宙・時間など)にどのような試みがあるのかということを紹介してあるところが面白かった。 基本、想像力の文学なんである。
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紹介されていて気になった本が多々あったが、邦訳されていないものもあり残念。 あとまあ、そこまでファンタジーを目の敵にしなくても……とも思う。 古典SFの知識はそんなにない自分でも、全体的には面白く読めた。
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本書は文学としてのサイエンス・フィクション(すなわちSF小説)を対象に、その誕生と変遷を体系的にまとめた作品です。 読み終わって感じたことを、まとまりがつかないので箇条書きに。 ①作者がフランス人であるため、フランスにおけるSFの変遷および作品の紹介がある。 ②一方、日本やアジア...
本書は文学としてのサイエンス・フィクション(すなわちSF小説)を対象に、その誕生と変遷を体系的にまとめた作品です。 読み終わって感じたことを、まとまりがつかないので箇条書きに。 ①作者がフランス人であるため、フランスにおけるSFの変遷および作品の紹介がある。 ②一方、日本やアジアにおけるSF小説についての言及がない。(日本のSFって世界的にはあまり評価されていないってことかな) ③作品そのものに対する著者の個人的な評価が少ない。これは作品の面白さよりも、文学的な価値に焦点をあてているからかと思われる。 ④見知った作者や作品が出てくると、すごい嬉しい。逆に、好きな作者が一言、二言の紹介で片付けられるとすこし悲しい。 ⑤いわずもがな、読んだことのない作者や作品が多く紹介されていた。SF小説を読み始めて4年弱だけれど、やっぱりこの分野はすそ野が広いことを痛感する。 ⑥したがって、もっと色んな作者の多様な作品を読みたくなったことが、本書を読んでの一番の収穫。 ⑦読後はSFって何だろうと思索にふけた。単純に「科学的な空想にもとづいたフィクションの総称」と捉えると、それは間違いではないのだけれど、なんだか視野を狭めているような思いがする。なぜなら科学的な空想でなくとも、「ああ、これはSFだ」と思う作品がいっぱいあるから。 ⑧SFが小説だけに留まらず、映画や漫画、アニメといった他分野に広く染み渡っていることは事実だし、例えばミステリーやサスペンス、戦争ものや恋愛ものなど、さまざまなジャンルにうまく溶け込んでおり、ジャンルの垣根すらも軽々と越えている印象(そもそもジャンル別け自体がナンセンスなのかもしれませんが)。では逆に、SFに実態がないのかというと、まったくそうではなくて、本書でも取り上げられるように、宇宙ものや時間もの、機械や異世界など、SFにおける主要テーマは文化として深く根付いている。 ⑨SFがどういうものか、結局のところ言葉での定義は難しいのだけれど、こーゆうところも魅力のひとつであることは間違いない。多様なテーマ、多彩な作風があることも、飽きのこない要因のひとつかと。改めてSFを読んでいてよかったなぁと思った次第でした。
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今月の10冊目。今年の100冊目。ついに100冊読み終わった! まず言いたいことは、クセジュ文庫は値段が高い!150頁くらいしかないのに1000円以上するって・・・。てか文庫本で1000円以上って。けど、なんか紙は良い紙っぽい。触った感じが。 相変わらず、インテリっぽいっという...
今月の10冊目。今年の100冊目。ついに100冊読み終わった! まず言いたいことは、クセジュ文庫は値段が高い!150頁くらいしかないのに1000円以上するって・・・。てか文庫本で1000円以上って。けど、なんか紙は良い紙っぽい。触った感じが。 相変わらず、インテリっぽいっというか、そんな感じの文章でした。なんでこうまわりくどい言い方なのかわからん。内容としては、まぁ学術書っていうよりは、読書案内なので、なんとも言えませんが、大分著者の主観が入っているような気がします。文学批評ってよくわからんけど、どうなのかね。まぁ様々な作家の索引が巻末にのっていて、それは利用価値はありかな。
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タイトルから、SFのガイド本かと思ったが、SFを「文学」として解説しているのが面白い。 「SFというジャンルの起源」という入門的なテーマもあれば、「SFの地理学」というアメリカ・イギリス・フランスににおけるSFといった切り口は斬新だった。 「SFの主要テーマ」では、「宇宙」「時間...
タイトルから、SFのガイド本かと思ったが、SFを「文学」として解説しているのが面白い。 「SFというジャンルの起源」という入門的なテーマもあれば、「SFの地理学」というアメリカ・イギリス・フランスににおけるSFといった切り口は斬新だった。 「SFの主要テーマ」では、「宇宙」「時間」「機械」「異世界・異次元」「改造人間」で綺麗に分類されているのも良かった。 またセンス・オブ・ワンダーの世界を1頁1頁めくろうと思う。
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笠井潔『SFとは何か』と併せて読んだ。 『SFとは何か』も本書と同じくSF読書案内だが、著者の意見がより全面に出ている。 それに比べると『SF文学』は淡々と時代区分と作品・著者を紹介している。 『SFとはなにか』の方を重点的に読んでいたので、こちらはそちらで学んだことを軽く確認...
笠井潔『SFとは何か』と併せて読んだ。 『SFとは何か』も本書と同じくSF読書案内だが、著者の意見がより全面に出ている。 それに比べると『SF文学』は淡々と時代区分と作品・著者を紹介している。 『SFとはなにか』の方を重点的に読んでいたので、こちらはそちらで学んだことを軽く確認する程度だった。 しかし『SFとはなにか』の出版が80年代と古い一方こちらは今年出版されたできたてホヤホヤ。 なので、サイバーパンク以降の作品など新しい作品についても充実していてためになった。
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海外のSF小説に興味を持ち始めたばかりSF初心者の私には、SFというジャンルの起源や変遷の概要や主な作品をざっくり把握できてよかった。 と言って、内容が浅いと言うわけでは無く、著者にはSF全体を見渡せる広範な知見があるからこそ、ここまでスッキリ整理出来ているのだろうと思う。 ま...
海外のSF小説に興味を持ち始めたばかりSF初心者の私には、SFというジャンルの起源や変遷の概要や主な作品をざっくり把握できてよかった。 と言って、内容が浅いと言うわけでは無く、著者にはSF全体を見渡せる広範な知見があるからこそ、ここまでスッキリ整理出来ているのだろうと思う。 また、SFとは何かという定義が定まらず、様々な諸説があり、そのどれもが全体を網羅したものでは無く、かつ現在も変動しているということが理解できた。 以下は、戯言です。 私にとってSFとは、「科学的または論理的に”さももっともらしく”未知の世界に導き、今までにない新たな視点を得られるもの」という解釈をした。 未知の世界に導くという点では、ファンタジーも同じだけど、その未知の世界を”さももっともらしく”科学や論理をベースにして語っているのがSFであり、ファンタジーとは異なる部分であると思う。そのため、SFは科学や論理をベースにしている分だけ、読解にはそれなりのスキルが必要なジャンルでもあるのだろうと思う。とは言え、”さももっともらしい”をどの程度求めるかは読者それぞれだとも思う。科学スキルが乏しい私なんかは、”さももっともらしい”を追及するあまり高度な科学知識を駆使した小説は、理解がついていけずそもそものストーリーを楽しむことが出来なかったりするけど、徹底的にそれを求める人がいることも理解できます。 ちなみに、私は圧倒的な未知の世界観を感じられるファンタジーも好きです。 【目次】 はじめに ジャンルの誕生と定義 定義の素描 SF、想像の文学 ひとつの定義から別の定義へ センス・オブ・ワンダー 第1章 ジャンルの起源 前史先駆者たちSFジャンル創設の父 第2章 SFの地理学 アメリカにおけるSF イギリスにおけるSF フランスにおけるSF 他の国々のSF 第3章 SFの主要テーマ 宇宙 時間 機械 異世界、異次元 改造人間 結び SFがはらむ問題点 SFと文学 サイエンスとサイエンス・フィクション SFとファンタジー
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フランス人著者によるSF文学解説書。ジャンル定義や各国のSF状況、SF主要テーマについて広く浅く記述されていた。最後のファンタジー文学との比較はなかなか興味深かった。
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彼我の翻訳事情にもよるのだろうが、日本をはじめとするアジア圏のSFについての言及がひとつもないのは残念。SFは別に欧米だけにしかないんじゃないぞ。 まぁ”入門書”だから仕方ないにしても、全体的な論考が弱いかなぁ。帯にある宣伝文句はちょっと持ち上げすぎ。もっと良い入門書は沢山あると...
彼我の翻訳事情にもよるのだろうが、日本をはじめとするアジア圏のSFについての言及がひとつもないのは残念。SFは別に欧米だけにしかないんじゃないぞ。 まぁ”入門書”だから仕方ないにしても、全体的な論考が弱いかなぁ。帯にある宣伝文句はちょっと持ち上げすぎ。もっと良い入門書は沢山あると思います。
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非常にコンパクトかつ簡潔で読みやすく、SF文学を概観できる。 主題別に解説してあるパートは特に、かゆい所に手が届くよう。読んでて思うのは、SFに限らずだが、文学はやはり英米中心だということ。英語に訳されているか否かで、認識のされ具合に天と地の差がある。著者がフランス人だから、この...
非常にコンパクトかつ簡潔で読みやすく、SF文学を概観できる。 主題別に解説してあるパートは特に、かゆい所に手が届くよう。読んでて思うのは、SFに限らずだが、文学はやはり英米中心だということ。英語に訳されているか否かで、認識のされ具合に天と地の差がある。著者がフランス人だから、この本では、あまり世界に紹介されていないフランスの作品なども出てくるが。 日本のSFも、かなりいい作品がたくさんあると思うけど、まだまだ知られていないんだろうなあ。その意味でも、最近日本の若手のSFが英訳されて評価され始めているという動きは喜ばしい。 今日の新聞に、伊藤計劃「ハーモニー」P.K.ディック賞特別賞受賞の報。おめでとうございます。合掌。
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