【廉価版】火の鳥 乱世編(2) の商品レビュー
僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。 日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様...
僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。 日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。 1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。
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数ある火の鳥シリーズの中でも、これも素晴らしい傑作。そうか、鳳凰編の後で読むとまた印象が変わる。 悪役としての義経、やはり悪役の頼朝、平清盛はむしろ肯定的に書かれている。何万人も殺し、理不尽な遷都を繰り返し、おごれる平氏を象徴しながらもなおも肯定的な見方もする。手塚治虫のキャラ...
数ある火の鳥シリーズの中でも、これも素晴らしい傑作。そうか、鳳凰編の後で読むとまた印象が変わる。 悪役としての義経、やはり悪役の頼朝、平清盛はむしろ肯定的に書かれている。何万人も殺し、理不尽な遷都を繰り返し、おごれる平氏を象徴しながらもなおも肯定的な見方もする。手塚治虫のキャラクターはそれぞれが独立して生きているようにみえ、とてもポリフォニックだ。ある一点からの視点ではなく、それぞれのキャラが独立して考え、独立して生きているように見える。それが長編ストーリーの中でうまく修練されていく。作画技術は圧倒的にいまの漫画家の方が上手だと思うが、こういうストーリーメイキングの妙は、なかなか真似できる人は少ないと思う(浦沢直樹ですら、無理やり作っている感じがあってあざとすぎる=技巧的にキャラを立てようというのが見え見え、と個人的には思う。手塚治虫はまだまだ乗り越えたい巨人なのではないだろうか、たとえPLUTOの後であっても、、、、)。
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