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肝心の子供/眼と太陽 の商品レビュー

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2020/07/25

大人より子供の話の方が面白いのは当然だから、ブッダの話はラーフラへ移り、ラーフラの話はその息子に移っていく。そして実際、面白い。風景も面白いし、ふと頭をよぎる気づきも面白い。その流れの中を1本貫いているのはどうやら妻であったり母であったりするらしく、特にヤショダラが水田に苗を植え...

大人より子供の話の方が面白いのは当然だから、ブッダの話はラーフラへ移り、ラーフラの話はその息子に移っていく。そして実際、面白い。風景も面白いし、ふと頭をよぎる気づきも面白い。その流れの中を1本貫いているのはどうやら妻であったり母であったりするらしく、特にヤショダラが水田に苗を植えている風景は素晴らしく心に残る。

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2019/11/23

肝心の子供(文藝賞) 眼と太陽 第44回文藝賞 著者:磯崎憲一郎(1965-、我孫子市、小説家) 対談:保坂和志(1956-、山梨県、小説家)

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2012/10/30

読んでいる最中,映像が頭に浮かぶ小説と頭に浮かびにくい小説があり,その大半は映像が頭に浮かびますが,本書は映像が頭に浮かばないものでした。読んでもするすると頭の中を通り過ぎる感覚でした。また,ブッダ,ラーフラ,ティッサ・メッテイヤと続く三世代の物語で,全く親近感がありませんでした...

読んでいる最中,映像が頭に浮かぶ小説と頭に浮かびにくい小説があり,その大半は映像が頭に浮かびますが,本書は映像が頭に浮かばないものでした。読んでもするすると頭の中を通り過ぎる感覚でした。また,ブッダ,ラーフラ,ティッサ・メッテイヤと続く三世代の物語で,全く親近感がありませんでしたが,人間としてブッダを描く筆者の想像力はすごいものだと感じました。

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2011/10/15

果てしない時の流れを感じる文体は『肝心の子供』からそうだったのか。途切れない命の積み重なり、あるいは永遠なる命の流れ。川が流れるのと同じように、命も流れていく。そして、それがブッダであるかラーフラであるか、またティッサ・メッテイヤであるかは大きな違いではない。誰も皆、同じ命、太古...

果てしない時の流れを感じる文体は『肝心の子供』からそうだったのか。途切れない命の積み重なり、あるいは永遠なる命の流れ。川が流れるのと同じように、命も流れていく。そして、それがブッダであるかラーフラであるか、またティッサ・メッテイヤであるかは大きな違いではない。誰も皆、同じ命、太古の昔から続いてきた命であることに変わりはないのだから。 最後に収録されていた対談の内容は、あまり良く分からなかった。小説家ってこんな難しいことを考えているんだ、ということで。そして、二人の話が本当にかみ合っていたのかどうかも疑問。それは単に私が内容を理解できていなかったからか。

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2011/05/01

文藝賞受賞作「肝心の子供」と受賞後第一作「眼と太陽」、そして保坂和志との対談を収録した贅沢な文庫本。 「肝心の子供」はブッダから始まる三世代を描いたと帯に書いてあるけれど、年代記みたいなものではない。ブッダ周辺の五十年の時空に網を投げてひっかかったものを描いて作り上げたような、流...

文藝賞受賞作「肝心の子供」と受賞後第一作「眼と太陽」、そして保坂和志との対談を収録した贅沢な文庫本。 「肝心の子供」はブッダから始まる三世代を描いたと帯に書いてあるけれど、年代記みたいなものではない。ブッダ周辺の五十年の時空に網を投げてひっかかったものを描いて作り上げたような、流れやストーリー展開がキモの作品ではないけれど、読了してから考えると断片、断片だけではない何かを感じる。あと、時間、場所がすっ、すっと移動するところは映像で表現できないというか、小説でしかできないことで、小説を書くということに意識的な作家だと感じた。と、単行本で初読の時は思わなかったことを思った。

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