想像するちから の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チンパンジーと人間との比較から、人間の心の由来を探る比較認知科学。その違いを知ることで人間とは何かが見えてくる、その一部が垣間見える。かも。 「第8章 想像する力ー絶望するのも、希望をもつのも、人間だから」は他の章と比べてかなりメッセージ性が強くて感動するよ。無いものを想像する能力が人間たる所以だとすると、イマジニアリングを何より重視するディズニーの姿勢に通じると思った。
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感動的な本です。チンパンジーとは見つめあうことができる。上着を渡すと腕を通してみて返す場面とか、社会的微笑とか、人間に極めて近い動物であることを学問的にも改めて知りました。ゲノムも98.8%まで一致し、法律上も「ヒト科パン属」とは! 残りの1.2%の追求が、更に深い人間とは?を問...
感動的な本です。チンパンジーとは見つめあうことができる。上着を渡すと腕を通してみて返す場面とか、社会的微笑とか、人間に極めて近い動物であることを学問的にも改めて知りました。ゲノムも98.8%まで一致し、法律上も「ヒト科パン属」とは! 残りの1.2%の追求が、更に深い人間とは?を問うことになりそうです。記憶力は人間の大人以上という驚きの研究報告の一方で、そして最大の違いがチンパンジーには絶望も希望もないこと。人間と違って目に見えない世界の想像は出来ないからだそうです。そこに人間の素晴らしさを深く心にしみさせてくれました。と言いながら、チンパンジーを1人、男性と呼ぶなど、この類人猿への愛情も感じさせてくれました。この研究が人間の本質そのものの研究に繋がるものであることを痛感します。この著者が心理学から入り、現在は「比較認知科学」という分野になるそうです。さすが京大の霊長類研究所の伝統は健在です。
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分類学を超えてチンパンジーとヒトとのあまりもの近しさに驚いた。ヒトの知的能力が進化の先端と考えがちだが、直観像記憶においてはチンパンジーの方が優れているのも驚きだ。そしてヒトの本当の力が本書のタイトルのとおり「想像するちから」であるとして、年月を積み重ねに期待を込めてあらゆること...
分類学を超えてチンパンジーとヒトとのあまりもの近しさに驚いた。ヒトの知的能力が進化の先端と考えがちだが、直観像記憶においてはチンパンジーの方が優れているのも驚きだ。そしてヒトの本当の力が本書のタイトルのとおり「想像するちから」であるとして、年月を積み重ねに期待を込めてあらゆることをレベルアップしていけるとこがヒトの繁栄の推力となっているのだろう。ただ、その一方で刹那に生きるその他の生き物の有り様にも魅力がないわけではないとも思った。
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人間とチンパンジーの相似点、相違点を比較することで 人間を浮き彫りにしていく。 非常にためになるというか、うなづけるような本。 年末の休みでたっぷりと堪能できたと思う。
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とても素晴らしい。 人間とは「共育」=父親も、祖父母も、親族も総ぐるみで子供を育てる点が他の霊長類と異なると。納得。
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「心とは何か」。チンパンジーと人間の比較の中で、ヒトの特徴(心、行動、慣習など)を浮き彫りにする。骨格に代表される身体的特徴は、化石を紐解くことで、進化の過程を探れるが、「心(脳)」に関しては、後代に残らないものだけに過去からのヒトの心の進化を探ることは難しい。そこで、現代に生き...
「心とは何か」。チンパンジーと人間の比較の中で、ヒトの特徴(心、行動、慣習など)を浮き彫りにする。骨格に代表される身体的特徴は、化石を紐解くことで、進化の過程を探れるが、「心(脳)」に関しては、後代に残らないものだけに過去からのヒトの心の進化を探ることは難しい。そこで、現代に生き、かつ人類に近いチンパンジーとの比較の中からその謎に迫ろうとする、面白いアプローチである。本書を読んでいくうちに、現在の我々が見失ってしまっている人としての何か大切なものを、チンパンジーから学ぶことが多いことに気づかされる。
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いい本ですね。多くの大人に読んでもらいたい。「想像するちから」の欠如が問題になっている今だから・・・なんて、似非ヒューマニズムは言いませんが
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札幌で聴いた講演に感動して、即買いした。 こんな風に心の底から愛情を持って接することができる研究を、一生することができたら、それはとても幸せなことだ、と思った。 ところどころ論理の飛躍があるけれど、一般人向けだから詳細な説明を省いているのかもしれない。
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先週末に、ご本人から頂きました。 ワークショップがあったのです。 そのほか、いろんな話が聞けて楽しかったー。
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