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風と衣 の商品レビュー

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2024/01/16
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著者のことを知ったのは2011年発行のNHK「すてきにハンドメイド」テキストに「自分の服を全部手作りするおばあちゃん」として紹介されていたのを見てから。 その生き方がなぜか印象に残っていて、時々そのページを見ていました。 先日読んだ村川協子さんもそうですが、昭和ひとケタ世代の人の生き方は面白い。 お二人とも戦争中の不自由で不確実な世の中を明るく工夫で乗り切っており、その姿が今に通じて惹かれるのでしょうか。 そんなことから山下奎子さんのことを思い出して、山下さんの生涯で唯一の著書であるこの本を取り寄せて読みました。 こちらはとても薄くてかわいい小さな本ですが、手作りの服の写真とともに教養とセンスのあふれる文章に目を見張りました。 この本を読んでわかったのですが、著者は早稲田大学法学部を卒業しており、その後大丸デパートで宣伝の仕事をしていたらしい。 当時の女性は皆そうだったのだと思いますが、おそらく寿退社して家庭に入ったものと思われます。 夫の海外勤務に伴って外国暮らしも経験し、子育てをし、姑にもつかえ(この表現も昭和っぽいですね)その中で自分の服を自分で作ることは本人のアイデンティティでもあったのかなと思いました。 令和の今なら共働をしてバリバリ社会で活躍していたのではと思われますが著者は主婦であることに不平は述べていません。 着るものは全部手作り、自宅で洗濯できるよう裏地はつけないワンピースと決めているところも潔い。 デザインや装飾を自分なりにアレンジしているところがとても参考になりました。 私も自分の服を自分で作ってみたい気持になりました。 なにしろ買ったまま引き出しに入っている布が結構あるんです。 著者のようには上手にできそうにありませんが、取り入れたいことの多い本です。

Posted byブクログ

2011/06/18

向田邦子のドラマに出てきそうな「昭和の家」を背景に、人体に着せられた素晴らしく魅力的な手つくりの服が配置されている写真に感動!! ご自身の服(きっとお嬢様方のものもだろうが・・)を手作りされてきた時間の豊かさふくらみ。 日常茶飯事は繰り返しのつまらないことではなく、その積み重ね...

向田邦子のドラマに出てきそうな「昭和の家」を背景に、人体に着せられた素晴らしく魅力的な手つくりの服が配置されている写真に感動!! ご自身の服(きっとお嬢様方のものもだろうが・・)を手作りされてきた時間の豊かさふくらみ。 日常茶飯事は繰り返しのつまらないことではなく、その積み重ねこそ人間を作っていくこと、また等身大の生活を十分に味わいつくし愉しむ生きる喜びを教えていただいた。 デパートでみたヤマモトヨウジのデザインや、シェイクスピア劇に登場する衣装を参考に、お洋服を作っているのはなんどもセンスよくお洒落の真髄を創造するステキな女人に出会えたことは嬉しい。

Posted byブクログ