津山三十人殺し 最後の真相 の商品レビュー
”八つ墓村”といえば… 惨劇に至るまでの、犯人の生い立ちと村の因習がじっくりと描かれています。 惨劇場面は息がつまり胸がいたむ疾走感。 (シオリさん)
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有名な津山三十人殺しを10年近くおったライターさんの書いた記事をまとめたもの。 何故岡山の小さな山村で凄惨な事件が起こったのかをできる限り追及している。 個人的には、都井が「結核」持ちだとうわさされ、進学の断念、噂による村人との付き合いの希薄さと、恋愛関係も結べなかったことによ...
有名な津山三十人殺しを10年近くおったライターさんの書いた記事をまとめたもの。 何故岡山の小さな山村で凄惨な事件が起こったのかをできる限り追及している。 個人的には、都井が「結核」持ちだとうわさされ、進学の断念、噂による村人との付き合いの希薄さと、恋愛関係も結べなかったことにより、自分ひとりで考え事をする機会が多くなりすぎてしまったことが原因ではないかと思えた。 コミュニケーションが希薄になると自身の考えにのみ縛られてしまうことが多くなる気がする。 あとは、「結核」が治らない病気であったということ、農村という狭いコミュニティの中から脱出できなかったということ、いろいろ複合的に原因がからんでいたと思う。 話が重複しているところもあり、若干長いが、すぐに読めるという意味では読みやすい。
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かの「八ツ墓村」のモデルとなった,昭和13年の大量殺人事件。集落への電線が切断され,ナショナルの懐中電灯を二本頭に括りつけた襲撃者が,銃や日本刀で12軒に乱入。犯人はその集落に暮らす一人の青年で,村人約百人のうち,老若男女30人を殺して自殺した。遺書は残したが,事件の真相ははっ...
かの「八ツ墓村」のモデルとなった,昭和13年の大量殺人事件。集落への電線が切断され,ナショナルの懐中電灯を二本頭に括りつけた襲撃者が,銃や日本刀で12軒に乱入。犯人はその集落に暮らす一人の青年で,村人約百人のうち,老若男女30人を殺して自殺した。遺書は残したが,事件の真相ははっきりしない。著者は,犯人と,最初の犠牲者であるその祖母の関係に光を当てて,真相にせまっていく。 動機は怨恨らしい。肺病のため,徴兵検査でも丙種とされ,集落内で差別をうけていたという。当時の田舎では,「夜這い」の風習があり,集落内の男女は結構普通に関係していた。犯人も何人もの村の女性とそういう関係にあったが,病気を理由に冷たくされるようになってそれもこたえたらしい。 警察発表では動機は「痴情のもつれ」ということにされた。夜這いがはびこるような風紀の乱れは,こんな凶悪な事件に結びつくのだ,とした。この事件は,そういう宣伝に利用された面もある。銃後をおびやかす,前近代的な夜這いの風習などは,国策に反しており,撲滅の対象だった。
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