平行植物 の商品レビュー
一つの種(?)を創っちゃう。その創造力に脱帽。レオ・レオニは『スイミー』だけじゃない。デザイナーとしてもすぐれていたんだよね。視覚的なものだけじゃないデザイナーだったんだ。
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『スイミー』など小学校教科書でもおなじみのレオ・レオーニ。 『平行植物』は名前だけ知っていたが、植物誌なのか、物語なのか、エッセイなのか、イラスト集なのか分からずにいました。 ちょうど今板橋区立美術館の「レオ=レオーニ展覧会」をやっていまして、行った人からお勧めされて読んでみまし...
『スイミー』など小学校教科書でもおなじみのレオ・レオーニ。 『平行植物』は名前だけ知っていたが、植物誌なのか、物語なのか、エッセイなのか、イラスト集なのか分からずにいました。 ちょうど今板橋区立美術館の「レオ=レオーニ展覧会」をやっていまして、行った人からお勧めされて読んでみました。こういう本だったのか! そして私も展覧会に行ってきました。「平行植物」の彫刻もありました! 絵本のイメージの強かったレオ=レオーニですが、たしかに絵本のデザイン性や、寓話的物語、たまにちょっと暗さを感じる絵やお話の元になったのはこのような人生のだったのね。 https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001836/4001852.html https://leolionni.jp/exhibition-itabashi2024/ まず「平行植物」というのは、レオ・レオーニが空想した想像上の植物で「時空の淡いに住み、植物たる前に言葉であった植物たち」とかいう観念らしい。「平行植物」とは、「架空の植物をイラストで描いたよ」というだけでなく、それらの生態状況、研究者による発見状況や研究内容、そしてその平行植物が生えている土地の伝説などすべてを考えて文章にしたというものだった! しかしこちらの本は作りが真面目すぎるというか…。イラストや写真をカラーにするとか、説明文のところにイラスト混じらせるとかしたほうがもっと気楽に読めたんじゃないかと思います。 そのため序盤の「平行植物の起源」「分類」などは飛ばし読みしました(^_^;) 子供用に絵本化してくれないかなあ。見開きで平行植物の紹介や伝説を載せるかんじで。創作伝説なので、一つ一つが昔話っぽくて良いんですよ。 さて、本書の平行植物は以下のようなものなのですが、この日本語訳が良いんですよ。翻訳者さんさすがです! <タダノトッキ> ツンドラ地帯にびっしり生える平行植物。密着してるので倒れることもなく永遠に立ち続ける。ひえーーー。 これを「只の突起」という日本語センスよ。 <森の角砂糖バサミ> 角砂糖はさみ(トング)のような、左右対称の植物。 日本人研究者が、囲碁の対局のように生えることを研究発表したらしい・笑 <カラツボ> ウツボカズラの壺みたいな感じ。 古代都市にこの形の巨大な彫刻が残っているので「男根崇拝」だと思われていた。しかし中が空洞だと分かり、当時はこんな平行植物があったんだね、と分かったらしい。 <グンバイジュ> 軍配のような形をした葉っぱ。必ず37枚の葉をつける。原住民の神話には「この葉を12人の子供たちが平等に分けるには、子供を何人減らせば平等に分けられる?」というものがあり、人間に素数を認識させた植物となっている。なお、この平和的解決は「葉っぱを一枚食べて36枚にすれば子供を減らす必要はない」でした・笑 <キマグレダケ> アリゾナやメキシコにある、すごく大きくて岩みたいな平行植物。叩くと金属音がする。 <アリジゴク> アリ(現実のアリとはちょっとちがう空想上のアリ)に好まれるので、アリを狩るように変化した葉っぱ。葉の真ん中にはアリが好む匂いを出し、その周りの葉脈を迷路にした。そこでアリは葉脈迷路で迷子になって歩き回って混乱して死んでしまい、すると餌を取ってこないので巣のアリも死んでしまう。 見てみたい! <マネモネ> 一番植物っぽい見た目をしてます。 良い匂いもして他の生物が住んでいる。原住民はその力を得るために、顔にマネモネの入れ墨をする。 <メデタシ> 「芽出たし」ですよ、翻訳者さんすごい! でも「芽が出ている」のか、「芽を出している」のかが分からないという平行植物。 <キチガイウワバミ> 周囲の植物や、仲間同士で絡み合い絞め殺し合う。しかし死滅する前に新たな亜種が産まれて…を繰り返している。 なんか生態としては「ありえねーー」感が一番強くて、この設定割と好き。 <ツキノヒカリバナ> 太陽を向き、金の種をつけるひまわりみたいな平行植物。 見てみたい。 <夢見の杖> こぶこぶを付けた杖みたいなのがニョッキっと生える。 このこぶが、音符や感情を現してるんだって! 武器としても使える。 もはや植物なのか生物なのか。 <ユビナリソウ> コブのような「頭手」をたくさんはやしてる。 平行植物は日本にもあり日本人研究者もいます。奈良県に生える<クモデの花>、日本人が発見した<フシギネ>。 そして国立科学博物館には平行植物の専門室があるらしい・笑
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※このレビューにはネタバレを含みます
ここまで徹底的に書かれていると、嘘と分かっていても読み終わる頃には人知れず息づくこれらの植物が間違いなく存在していて、それをこの目で見てみたいと思わずにはいられない。 前半4章を使って平行植物の定義や歴史、それを探し求める研究者たちの軌跡について解説し、後半は個々の平行植物について、伝承などを交えながら紹介している。 名前(言葉での説明)が植物そのものの物理的存在に先行するとかいう最高すぎる特徴を表すように、全編を通してこれら不思議な植物群を語る文章は論理的でありながらどこまでも詩的で美しい。 作中に作者自身が出てくるのも良かった。注釈にこの本の作者とは別人であると書かれているのも本当に良い。嬉しくなっちゃった。
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平行植物/工作舎 https://www.kousakusha.co.jp/BOOK/ISBN978-4-87502-435-4.html https://www.kousakusha.co.jp/rcmd.html レオ・レオニズ フレンズ 公式サイト https://leol...
平行植物/工作舎 https://www.kousakusha.co.jp/BOOK/ISBN978-4-87502-435-4.html https://www.kousakusha.co.jp/rcmd.html レオ・レオニズ フレンズ 公式サイト https://leolionni.jp/
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。あおちゃんきいろちゃん、スイミーでおなじみだし、孫によく読み聞かせしていた本の類でも彼の名前は輝いている。 題名に?と感じて借り、読み始めたが「?」 パラレル植物図鑑とは、意表を突いた発想の逸物。 大人でも絵本を好まれる方、座右の書物とされている方が多いけれど、私は発想が寒...
。あおちゃんきいろちゃん、スイミーでおなじみだし、孫によく読み聞かせしていた本の類でも彼の名前は輝いている。 題名に?と感じて借り、読み始めたが「?」 パラレル植物図鑑とは、意表を突いた発想の逸物。 大人でも絵本を好まれる方、座右の書物とされている方が多いけれど、私は発想が寒いせいか、些か異なる。 薄い一冊なら、たまに異なる空気を吸うために読むけれど。 図鑑という体をなしていることもあって、説明がびっしり・しかも堅い文体で7割読んだところで脱落します。 夜に読むと睡魔で負けてしまうのが一因。
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https://scrapbox.io/ne-sachirou/Leo_Lionni%E3%80%8C%E5%B9%B3%E8%A1%8C%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%80%8D1976
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高城剛さんが、ちょっと前に薦めていて(最近衝撃を受けた本?かなんとかという質問に答えていて)記憶に残っていた本が、書店の工作舎特集の棚にあったので手に取ってみました。 が、途中で飽きてしまいました。。なんか変だなと思いつつ読み進めていき、その途中で他の人の書評を読むと、全部空想の...
高城剛さんが、ちょっと前に薦めていて(最近衝撃を受けた本?かなんとかという質問に答えていて)記憶に残っていた本が、書店の工作舎特集の棚にあったので手に取ってみました。 が、途中で飽きてしまいました。。なんか変だなと思いつつ読み進めていき、その途中で他の人の書評を読むと、全部空想の話だと。。それがわかって、読むのをやめてしまいました。。。時間に余裕があれば楽しむこともできたかもしれません。。正直、空想の話をなんで読まなければいけないの?と思ってしまいました。役に立つ本ばかり追い求める心の貧しさかもしれません。。 ところが、このブクログの書評を読んでいたら、「隆一郎」さんという方の感想が載っており、そこに「活版印刷」についての記述がありました。これがとても面白く、そこで薦められてる本を今度は買ってみようかと思いますw この隆一郎さんの書評に出会えたのが唯一良かったことでしょうか。。
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スイミーのレオ・レオーニが手がけた幻想世界の博物誌。本当に全て創作?と疑問に思うほど論文もスケッチも緻密でした。
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絵本作家としてしか知らなかったレオ・レオニの新たな一面が見られてよかった。題がもっと砕けて『パラレル植物図鑑』とかだと分かりやすいのに。本当に存在する体が貫かれているので、読みながらだんだん「へー、こんな植物があるんだ」という気がしてくる。かなり原文に忠実らしい訳のおかげで、ネー...
絵本作家としてしか知らなかったレオ・レオニの新たな一面が見られてよかった。題がもっと砕けて『パラレル植物図鑑』とかだと分かりやすいのに。本当に存在する体が貫かれているので、読みながらだんだん「へー、こんな植物があるんだ」という気がしてくる。かなり原文に忠実らしい訳のおかげで、ネーミングの面白さも味わえる。ただし文章がガチガチに固いため(旧版だったからか?)読むのにかなり時間がかかった。
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とらえどころのない不思議な植物である「平行植物」についての考察本。とは言っても、実在の植物ではなく全て作者の創作。ただ、本書内の記述はあたかも実在しているかのように書かれているので、何の予備知識もなくこれを読んだら本当に平行植物が実在するものと勘違いしてしまうだろう。私は「ヴォイ...
とらえどころのない不思議な植物である「平行植物」についての考察本。とは言っても、実在の植物ではなく全て作者の創作。ただ、本書内の記述はあたかも実在しているかのように書かれているので、何の予備知識もなくこれを読んだら本当に平行植物が実在するものと勘違いしてしまうだろう。私は「ヴォイニッチ写本」つながりでこの本を知るに至った。日本語版のエディトリアルデザインに羽良多平吉がさんかしているのも素晴らしい。
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