散り残る の商品レビュー
主人公で、医師見習いの誠之助の、素直で すがすがしいキャラが最後まで保たれ、 読後感が、非常にさわやかだった。 尊敬する師のもとで、医術の勉強を続ける誠之助だが、 同じ弟子の中に厄介な男がおり、心がかき乱され、 勉強もままならない。 そんな時、師から、薬種問屋へ習いに行くよう...
主人公で、医師見習いの誠之助の、素直で すがすがしいキャラが最後まで保たれ、 読後感が、非常にさわやかだった。 尊敬する師のもとで、医術の勉強を続ける誠之助だが、 同じ弟子の中に厄介な男がおり、心がかき乱され、 勉強もままならない。 そんな時、師から、薬種問屋へ習いに行くよう命じられ、 誠之助は師から見放されたように感じ、 ますます腐ってしまう。 薬種問屋には、誠之助が別のところで見染めた 女性が現れる。 薬種問屋の娘、早苗だった。 そして、そこには、誠之助の心を騒がせる男、用心棒、左近の存在が…。 早苗と左近の間には、何やら、因縁めいた雰囲気があり、 ますます誠之助を心を騒がせる。 嫉妬したり、鬱々としたり、思い悩んだり。 若い誠之助の心模様が、いらいらさせられながらも、 そのうち、がんばれよと、声をかけたくなってくる。
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誠之助が住み込んだ薬種問屋には、たおやかな 娘と謎の浪人、そして事件が待っていた。 意思を目指す青年の鬱屈と成長の日々を 描く、青春時代長編。
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医師見習い、商家の娘、訳アリ浪人の三角関係のお話。 「こんな嫌な奴が主人公なのか・・・」と読みはじめてすぐに思ったけど、いやいやなかなかどうして楽しい誠之助さんでした。
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薬草園ものが好きなせいもあり、面白かった。 姑息な弟弟子に出し抜かれ、師匠に見捨てられたんじゃないかと挫折感を持った医師見習いの主人公が薬草園で助手として働きながら、恋をしたり事件を解決したり勉強したりしていくうちに元気と希望を取り戻していくところが楽しい。
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L 解説には「医師を目指す青年の鬱屈と成長の日々、青春時代長編」とあったけれど、特に壮大な話でもなく、診療所から修業と称して薬種問屋行きを命じられ、腐ったり恋をしたりしながらも本来の性格を取り戻すという感じ。恋相手の娘と恋敵の侍、それぞれの立ち位置からの語りもあり とくに青年だ...
L 解説には「医師を目指す青年の鬱屈と成長の日々、青春時代長編」とあったけれど、特に壮大な話でもなく、診療所から修業と称して薬種問屋行きを命じられ、腐ったり恋をしたりしながらも本来の性格を取り戻すという感じ。恋相手の娘と恋敵の侍、それぞれの立ち位置からの語りもあり とくに青年だけに焦点をあてたものではないし、薬種問屋奉公も半年足らず。 いろいろあったけどそれぞれの道を頑張って進もう!というには期間が短すぎ、青年にとっては特に重い出来事もなかった。 この青年はこれからが面白いんじゃないの?と少々勿体なく思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
想い人に切られて、手が不自由になったのに自分を責める早苗。まっすぐな気質ゆえに、役目を全うしようとして誤って早苗を切ってしまい罪の意識がきえない左近。まっすぐさゆえに、卑怯な同僚を許せず自分を見失っていた誠之助。その人もまっすぐすぎて生きにくい。それを藤屋の幸太郎や惣右衛門がつつんでいる様子が温かい。人を許すということや温かいということの強さを感じる話。
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突然、師匠から薬種問屋に住み込み手伝い修行を命ぜられることになった見習い医師の誠之助。 なぜ弟弟子でなくて自分なのか?厄介払い、誠之助の頭の中は鬱屈した不満で渦巻く。 手伝い先の藤屋で広大な薬草園を仕切るたおやかだがしっかりものの早苗、住み込みで用心棒の左近と出会う。 誠之助は早...
突然、師匠から薬種問屋に住み込み手伝い修行を命ぜられることになった見習い医師の誠之助。 なぜ弟弟子でなくて自分なのか?厄介払い、誠之助の頭の中は鬱屈した不満で渦巻く。 手伝い先の藤屋で広大な薬草園を仕切るたおやかだがしっかりものの早苗、住み込みで用心棒の左近と出会う。 誠之助は早苗に恋心を抱くが早苗と左近は惹かれあっているように見える。 しかしながら二人の間にはなにか壁があるようにも見え早苗の不自由な右腕にも関係があるみたいだ。 誠之助の成長物語としても早苗と左近の関係に誠之助が加わっての恋の物語としても楽しく面白く読めました。 田牧さんの小説はいつもながらテンポがよくて謎めいた展開も手伝って物語の最期まで飽きることなく引きつけられる。 誠之助、早苗、左近と章ごとに視線が変るのもよかったですね。 三人のこれからの恋の展開を想像するのも楽しみです。
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やはり田牧さんいいですね。見習い医師の誠之助、薬種問屋の娘 早苗、用心棒左近の三人を中心に話が進む。見習い医師の話というと山本周五郎の「赤ひげ」や藤沢周平の「立花登」とか思い浮かべるけれど、田牧作品はこれらよりもっと彩りがある。章が変わるごとに語り手が変わり、三人の心のうちがみえ...
やはり田牧さんいいですね。見習い医師の誠之助、薬種問屋の娘 早苗、用心棒左近の三人を中心に話が進む。見習い医師の話というと山本周五郎の「赤ひげ」や藤沢周平の「立花登」とか思い浮かべるけれど、田牧作品はこれらよりもっと彩りがある。章が変わるごとに語り手が変わり、三人の心のうちがみえてきて、事の次第もわかってくる構成もいい。周囲に登場してくる人々それぞれ滋味があるが、全体に漂う温かみはやはり誠之助によるところが大きいと思う。前作「かくれからくり」より私はこちらのほうが好みです。
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面白かった!!!(*^_^*)よくも悪くも「まっすぐ」な医師見習い青年の成長物語、として、また、数々の謎を解く江戸ミステリーとしても楽しく読みました。小賢しい弟弟子に翻弄されて、自分を見失いそうになっていた誠之助が師匠に命じられて、薬草園の手伝いに。なぜ、自分がそんな回り道を?と...
面白かった!!!(*^_^*)よくも悪くも「まっすぐ」な医師見習い青年の成長物語、として、また、数々の謎を解く江戸ミステリーとしても楽しく読みました。小賢しい弟弟子に翻弄されて、自分を見失いそうになっていた誠之助が師匠に命じられて、薬草園の手伝いに。なぜ、自分がそんな回り道を?と、不本意な心を抱えて赴いた先には、右腕が不自由な娘と用心棒、そして、温かい薬種問屋の家族がいて、それぞれがとても好ましかった…。(#^.^#)複雑な背景を背負った恋の三角関係も、明るく描かれていて、途中から、誠之助には妻夫木くん、用心棒にはトヨエツを当てはめて読んでましたよ、私。(用心棒はもっと若い人の方がいいんだろうけど。)そして、弟弟子には、ピースの綾部(私、綾部は好きなんだけど、彼がこの憎まれ役をやったらどんなにイヤな奴になるだろう、なんて)。山本周五郎の「赤ひげ」をも思わせる青年医師の物語で、田牧さん、いいわ〜〜〜!(*^_^*)新作が出るたびに、ランクアップしていく感じで、そんな現場に立ち会える読者は幸せってことですね。
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田牧大和の最新作。 好きだけれども愛することを封印している報われない恋のせつなさがテーマ。 1人の女性を思う2人の人物像が対照的でとてもおもしろい。
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