スイートスイーツショコラ の商品レビュー
多分小説好きには評価が低いのかも知れない。何故ならあまりにも普通な人々がそこに居て、特別なドラマチックな演出もない。漫画やラノベにありそうな感じ(笑) しかし、きちんと広げた点と点を丁寧に繋いでくれている。程よいご都合主義。どちらも小説には大切な加減。本書はそんな小説です。
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食べるのが好きな女の子、ベジタリアンと結婚していた男 美味しいチョコを食べてほしいと思う女。 軸はお店の名前? でしょうか?? 最後の話で、ちらちら出てくるお菓子の店が出てきますが それまでは特に関連性なく? 最後に、今まで出てきた人達やら名前やらが ひょっこり顔を出してきます...
食べるのが好きな女の子、ベジタリアンと結婚していた男 美味しいチョコを食べてほしいと思う女。 軸はお店の名前? でしょうか?? 最後の話で、ちらちら出てくるお菓子の店が出てきますが それまでは特に関連性なく? 最後に、今まで出てきた人達やら名前やらが ひょっこり顔を出してきます。 煙草を吸うと味覚がおかしくなる、のは確かだと。 味の濃いものを好んでいる気がします。 やはり、鈍感になってくるのかと。 2話目はいい感じに終わっていますが、続く3話目での 彼女の台詞を考えると、遅かった? そんな3話目ですが、現実と理想でぐるぐるな女性。 悩む姿が、最後の状態がうわぁ…ですが とにかくチョコが食べたくなってくる過程です。
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登場人物と舞台を連携させた連作短編3編。てっきり長編1本だとおもってたので、意外性を覚えたが、別にだから良いだの悪いだのということじゃなくて。 昔はそんなこと思いもしなかったのだが、近年、甘い物が大好きで、それも洋菓子系。でも、洋菓子とはいっても、気軽に近づけるものもあれば、かな...
登場人物と舞台を連携させた連作短編3編。てっきり長編1本だとおもってたので、意外性を覚えたが、別にだから良いだの悪いだのということじゃなくて。 昔はそんなこと思いもしなかったのだが、近年、甘い物が大好きで、それも洋菓子系。でも、洋菓子とはいっても、気軽に近づけるものもあれば、かなり手強い物もあって、手強い方の代表がチョコレートかな。これは、たとえば、タンニンの強い赤ワインや、コーヒーと言えばエスプレッソというような指向と同じでしょう。それで、つまるところ、嵌まると深い。 そういう意味では、嵌まっていない人の代表格で描いた、嵌まっていないが故の開放感というか、インファントネスを描いたストーリーが1話目、そういう指向というものは、どこまでも他人と共有できないものであって、そのことを、誰が悪いといっても仕方が無いこと、というようなストーリーが2話目(実は、この話がとっても秀逸と感じたのですがね)。そして、最後に、世界を知ってしまった姫君の、孤独な苦悩を描いた3話。とはいえ、この人が苦しんでいるのは、その快楽に身をゆだねるばかりでは居られないが故ですけれどね。ただ、その苦悩を実感するには、チョコレート、いや、日本にあふれてるところの、彼女が魅了されてしまった世界を含まない一般的なチョコレート観に基づくそれと区別するために、作中ではフランス語を持ち出してショコラと表現される、そのショコラへの愛、渇望、希求といったものをいかにリアルに感じるか、というところがポイントですね。故に、全体を彼女の話で構成すると、ついて行けない人多数だろうし、その独善性に反発も覚えるでしょうが、ついていけない人のためには、愛子を、独善性というのとはちょっと違うんですよ、と理解して貰うためには、優花を、それぞれ配したのかな?褒めすぎか。 個人的には、これに対置するに、男どもの肉への愛(あ、そういう意味じゃ無いよ)を持ってきたのが面白かったというか、腹が減るだろうこんにゃろめ!
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川越にあるケーキ屋『洋甘(ようかん)』のバレンタインチョコレートにまつわる連作短編集。 『スイート インゴット』 洋甘でアルバイトをしている女子高生愛子が、落し物を届けタダで焼き芋をもらうために焼き芋屋のトラックを追いかけるお話。 『にほひ』 ベジタリアンの妻に「肉臭い」という理由で離婚を告げられた肉が好きな主人公。 離婚後5年経つのに毎年元妻からバレンタインチョコレートが送られてくる。 出会いから離婚に至る思い出を振り返り、なぜチョコレートを送るのだろうとぐるぐるするお話。 『スイート スイーツ ショコラ』 智代はフランスで出会った一粒のショコラによりチョコレートに魅せられてショコラティエを目指していたが、父が事故に遭ったことで実家へ戻り、大して流行っていない町の二流のケーキ屋洋甘で働き始め3回目のバレンタインシーズンを迎える。 ショコラティエになる夢を持ち続け、不本意なケーキを作り続ける生活に嫌気が差しているが一歩を踏み出すことができずにいる。 自分の満足いく仕事ができない悔しさと、それで生活をしなければいけない葛藤、不本意な商品を買っていってくれるお客さんへの情けなさなどがひしひしと伝わってくる。 不満はあるが安定している現状を捨てることに躊躇する気持ちもよくわかる。 智代の糸がぷっつん切れてしまうきっかけと、そこから自分自身を省みる強さにべただけど感動してしまった。 信念にもとる仕事はしてはいけない、という誰もが思うけれどなかなか実現できない理想に思い悩む主人公はとてもリアルである。 こういう感覚は忘れてはいけないなと思った。 物語を通して随所に出てくる食べ物の描写がとても丁寧で生き生きしていておいしそう。ケーキ屋でアルバイトをしていた身としては懐かしくもあった。 1話目の『スイート インゴット』は引っ張りすぎ膨らましすぎの展開に愛子の性格のウザさも加わってどうでもいい話だったものの、残り2作はよかった。 ラノベ的な軽さはあるものの、軸はなかなか骨太な一冊でした。
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