人は、永遠に輝く星にはなれない の商品レビュー
「医療相談室」―そこは、生・老・病・死がせめぎあう所。頚髄を損傷し、自暴自棄からリハビリを拒否し続ける男性入院患者。幼い息子の医療費免除をヒステリックに訴える母親。何不自由ない暮らしに不安を覚え、通院を繰り返す老女。半身麻痺の夫の退院を拒む裕福な妻。本名も年齢も語ろうとしないイン...
「医療相談室」―そこは、生・老・病・死がせめぎあう所。頚髄を損傷し、自暴自棄からリハビリを拒否し続ける男性入院患者。幼い息子の医療費免除をヒステリックに訴える母親。何不自由ない暮らしに不安を覚え、通院を繰り返す老女。半身麻痺の夫の退院を拒む裕福な妻。本名も年齢も語ろうとしないインテリ風のホームレス。突然のガン宣告を受けたあと、一度だけその部屋を訪れた独身のキャリアウーマン…。そして、またひとりのクライアントがこの部屋を訪れる。西原寛治、87歳。医療ソーシャルワーカー・猪口千夏は、枯れてなお狂おしいまでに燃え続ける、人生最後の命の明滅を見つめることになる。
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医療ソーシャルワーカーが主人公の話。 様々な悩みや病気を抱えた人が相談にくる 病院の相談室と言った部署。 実際の医療現場で、どのように運営されているかわからないが、患者にとっては必要なのだろうと思う。 ただ、この話みたいな対応は難しいだろう。
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MSWの葛藤、医療ソーシャルワークとは何か、クライエントの抱く気持ちについてよく表現された作品。 はっきり言って、医療ソーシャルワークは本当に難しい。人が退院後にどのように病とともに人生を歩むのかを左右するからである。限られた時間で、クライエントと共に考えていかなければならない。...
MSWの葛藤、医療ソーシャルワークとは何か、クライエントの抱く気持ちについてよく表現された作品。 はっきり言って、医療ソーシャルワークは本当に難しい。人が退院後にどのように病とともに人生を歩むのかを左右するからである。限られた時間で、クライエントと共に考えていかなければならない。責任の重い仕事である。しかも、依然としてMSWの知名度は低く1病院にMSWは3人いれば良い方。千夏みたいに1人で外来、入院患者の相談にのるMSWも多い。もやもやしたり、クライエントや他職種とうまくいかなかったり…作中にはそんな場面も出てくる。MSWも人間である。決して聖職な訳ではない。そんなことを教えてくれる気がした。現実はもっとシビア。それでも、MSWたちが仕事を続け、MSWの知名度をあげようと声をあげているのは、それほどにMSWの仕事が魅力に溢れたものであるからである。私はそれをもっと知ってもらいたい。
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医療ソーシャルワーカーの視点で、様々な患者や家族の気持ちと本音、そして死を描く長編小説。 西原老人の姿が強烈だ。特に戦友と敬礼を交わすシーンと、錯乱状態とのギャップが同じ人間と思えない。でもこれが人間の「老い」という最後の輝きの一つかもしれない。 「人は誰も、永遠に輝く星にはなれ...
医療ソーシャルワーカーの視点で、様々な患者や家族の気持ちと本音、そして死を描く長編小説。 西原老人の姿が強烈だ。特に戦友と敬礼を交わすシーンと、錯乱状態とのギャップが同じ人間と思えない。でもこれが人間の「老い」という最後の輝きの一つかもしれない。 「人は誰も、永遠に輝く星にはなれない。私たちに許されているのは、消滅点に達するその瞬間まで、精いっぱい身を焦がし、光を放ち続けること。それがどんなに淡く儚い光であろうとも。」生きることの真理なのかも。
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医療ソーシャルワーカーの話なんだけど、主人公がイマイチ活躍しないのが残念。仕事をしないわけではないけど、主人公の仕事を切りだしたって感じで、ちょっと優秀な医療ソーシャルワーカーの日常って感じ。 主人公と係わる人達のキャラクターもいいのだけど、誰がメインなのか、イマイチしっくりこな...
医療ソーシャルワーカーの話なんだけど、主人公がイマイチ活躍しないのが残念。仕事をしないわけではないけど、主人公の仕事を切りだしたって感じで、ちょっと優秀な医療ソーシャルワーカーの日常って感じ。 主人公と係わる人達のキャラクターもいいのだけど、誰がメインなのか、イマイチしっくりこない。 それこそが言いたかったことの全てだと言われたら、それは困るのだが。 僕は筆者の文章が好きなので、読みやすいし、悪くないテーマだし、主人公も嫌いではないから、第二弾を書いてほしいと思う。きっといい本になると思う。
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主人公は医療相談室で働くMSW『医療ソーシャルワーカー』未婚女性。医療以外にも様々な相談にのる。どの相談事も重く他人事とは思えない内容。相談内容は様々だが、皆、良い時代もあった。現在とのギャップにこんなはずじゃなかったと愚痴る。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
医療ソーシャルワーカーの猪口千夏は41歳。総合病院の医療相談室を一人で担当している。頸髄を損傷して自暴自棄からリハビリを拒否する入院患者や、突然のガン宣告を受けて訪れた独身のキャリアウーマン。そして、意識障害を受けて錯乱状態になって入院してきた87歳の西原寛治が新たなクライアントとしてやってくる。千夏の尽力により太平洋戦争の戦友と再会できるが、相手も死を迎えつつある。 面白いけど戦友との再会を話の要に持ってくるのはやり過ぎだと思う。
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