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苦役列車 の商品レビュー

3.4

347件のお客様レビュー

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私小説

作者の私小説でリアリティのある内容だった。 実際にこのような待遇だったら、こういう生き方になるのかもしれないな。 でも、救いがないわけではなく、主人公なりの喜びをそこに見出しながら 生きていく姿には暗い気持ちにさせるものではなかった。 ただ、自分としては、面白さを感じる作...

作者の私小説でリアリティのある内容だった。 実際にこのような待遇だったら、こういう生き方になるのかもしれないな。 でも、救いがないわけではなく、主人公なりの喜びをそこに見出しながら 生きていく姿には暗い気持ちにさせるものではなかった。 ただ、自分としては、面白さを感じる作品ではなかった。

ゆう

『女性が読めば』

貫多クンに対する女性の解答が知りたい。

クラシカルなMK

2024/05/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この小説に自らのそう遠くない将来の姿を見たという思いにとらわれる。 主人公の怠惰な人間性と落ちぶれた生活にどうしても自分を重ねてしまい、ページをめくるのが辛かった。それだけのリアリティがこの作品にはある。 静かに、冷たく終わる結末は無慈悲で残酷で、救いがない。 しかしこれは私小説であり、これが芥川賞を受賞したということを鑑みると、結果的にではあるが明るい希望のようなものを感じられずにはいられない。

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2024/01/23

貧困を生きる。自堕落に生きる。うまくいかない人間関係と続かない仕事。それでも生きる強さ。私小説ということで、作者の無頼漢ぶりがひしひしと伝わってくる。

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2024/01/08

中卒の日雇い労働者のお話。 すごく衝撃的なお話だった。主人公の性格がきれいにねじ曲がっていた。どんな仕事も大変だと思うが、体力仕事は、健康なうちしか出来ないから辛いなと思った。その日の生活に必死な様子が手に取るように分かる。楽しみも必要。貯金しようにも、日々の生活で疲れ果てている...

中卒の日雇い労働者のお話。 すごく衝撃的なお話だった。主人公の性格がきれいにねじ曲がっていた。どんな仕事も大変だと思うが、体力仕事は、健康なうちしか出来ないから辛いなと思った。その日の生活に必死な様子が手に取るように分かる。楽しみも必要。貯金しようにも、日々の生活で疲れ果てている。 父親が性犯罪者になってから生活が一変。何をしてくれるんだろうって思った。子供は関係ないって言うけど、周りから白い目で見られることが容易く想像できる。 そんな生活の中でも同年代の友人と呼べるような存在ができたことは大きかった。でも、相手の恵まれた境遇に嫉妬したり、執着することで、相手から疎まれて距離をとられて、結局仕事もうまくいかなくなる。 負のスパイラル。読んでいて苦しかった。将来が心細かった。けど、そういう人もいるんだなと思ってしまった。自分ももしかしたらそうなっていたかもしれない。やっぱり真面目に仕事はしようと思った。

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2023/11/15

私小説でこれだけ己のどうしようもなさを曝け出せるものなのか。独り言ですらなんとなく体面を取り繕って赤裸々になりきれない人間からするととても理解できない。これだけクズでどん詰まりの貫多を客観的に見ることができない自分にも嫌になる

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2023/07/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み辛い漢字を多用してそれっぽい文章が続くが、内容が内容なだけにどうにも受け入れられない。 こんな難解な文章が書ける程賢いのであれば、もっとまともな人生が送れたのでは? 一切関わりたくないけど

Posted byブクログ

2023/05/20

先日のテレビ放映で著者を知り、私小説をはじめて読んだ。その場での表現や気持ちが刺さり一気読み。早速違う作品を見たい気持ちに

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2023/05/18

というをと云うなど表現が少々古めかしい所はあるけれど素直で読みやすい文章です。 でも港の倉庫で働いていた家族を持つ身からすればあるある話過ぎてどうして芥川賞を取れたのか分かりません。 父親が性犯罪で捕まったことで不登校になり中卒になったと作者ご自身の身の上にも小説の中にもあります...

というをと云うなど表現が少々古めかしい所はあるけれど素直で読みやすい文章です。 でも港の倉庫で働いていた家族を持つ身からすればあるある話過ぎてどうして芥川賞を取れたのか分かりません。 父親が性犯罪で捕まったことで不登校になり中卒になったと作者ご自身の身の上にも小説の中にもありますが、一旦底辺にせよ仕事に就けば自身の能力と頑張り次第でチャンスは与えられます。 チャンスを与えられてもその頑張りが出来ない人達に光を当てたのは作者の功績でしょうか。

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2023/05/11

最近になって、著者が亡くなったことを知って、再度読み始めたら、けっこうおもしろく、一気に完読。「この本はノンフィクション」と思えば、お下劣であるものの、印象深い。犯罪者の父を持ち幼くして負け犬となった主人公にとって、読書と執筆する行為が、絶望の中での生きる力につながっていることを...

最近になって、著者が亡くなったことを知って、再度読み始めたら、けっこうおもしろく、一気に完読。「この本はノンフィクション」と思えば、お下劣であるものの、印象深い。犯罪者の父を持ち幼くして負け犬となった主人公にとって、読書と執筆する行為が、絶望の中での生きる力につながっていることを知った。文体は古いが、リズムがある。同本から、生きる力をもらった人も多いのかもしれない。ただ、「女性の敵」であることは間違いない。

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